日本株で高配当と言えば様々な銘柄がありますが、その中で50銘柄を詰め合わせたETFがNEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信 (1489)で、愛称としては日経高配当株50ETFになります。
分配金利回り(配当利回り)としては3%付近というETFにしては高い部類の商品であり、高配当が好きな私としては非常に注目しているETFです。
以下より内容を記載していきます。なお、本記事の情報は2018年10月29日時点での情報となります。
基本情報
対象インデックス | 日経平均高配当株50指数 |
コード | 1489 |
構成銘柄数 | 50 |
分配金利回り | 3.2% |
純資産 | 250.8億円 |
信託報酬 | 0.3024% |
分配頻度 | 年4回(1、4、7、10) |
名称に50と付くだけあって構成銘柄数は50です。そして信託報酬は0.3024%とETFの中では少々値が張りますが、銘柄をある程度制限したETFは信託報酬が高くなる傾向にあるため、致し方ないかなと思う所です。
純資産については250.8億円と結構な資金が流入しています。ある程度ユーザが付いており中々人気のあることが伺えます。
分配金利回りは3.2%であり、これは記事を記載している2018年10月29日の直近で日本株が急落したためこの利回りとなっています。
ちなみにこのETFの月次報告書では、日経平均高配当株50指数の予想配当利回りが3.8%となっており、ここからファンドを経由してユーザに分配金が支払われることになりますが、それは3%付近になることでしょう。
そしてこのETFは年に4回の分配金が支払われます。企業の決算に合わせた形になりますが、多くの企業は権利確定月が3月と9月になり、それに近い4月と10月の分配金は多く受領することが可能です。
少々長くなってしまうため大変恐縮ですが、次に50銘柄の全てと、セクター比率を一気に確認しましょう。
No | コード | 銘柄 | 比率 |
1 | 2914 | 日本たばこ産業 | 3.79% |
2 | 7201 | 日産自動車 | 3.67% |
3 | 7270 | SUBARU | 3.26% |
4 | 6178 | 日本郵政 | 3.23% |
5 | 4502 | 武田薬品工業 | 3.22% |
6 | 8601 | 大和証券グループ本社 | 3.21% |
7 | 7751 | キヤノン | 3.14% |
8 | 8411 | みずほフィナンシャルグループ | 3.09% |
9 | 9437 | NTTドコモ | 3.04% |
10 | 8058 | 三菱商事 | 3.02% |
11 | 8035 | 東京エレクトロン | 2.84% |
12 | 8316 | 三井住友フィナンシャルグループ | 2.79% |
13 | 8031 | 三井物産 | 2.69% |
14 | 8002 | 丸紅 | 2.62% |
15 | 5108 | ブリヂストン | 2.61% |
16 | 8001 | 伊藤忠商事 | 2.61% |
17 | 8766 | 東京海上ホールディングス | 2.61% |
18 | 9433 | KDDI | 2.58% |
19 | 8604 | 野村ホールディングス | 2.55% |
20 | 8053 | 住友商事 | 2.47% |
21 | 7203 | トヨタ自動車 | 2.42% |
22 | 8306 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ | 2.37% |
23 | 1928 | 積水ハウス | 2.31% |
24 | 7267 | 本田技研工業 | 2.28% |
25 | 8725 | MS&ADインシュアランスグループホール | 2.25% |
26 | 8308 | りそなホールディングス | 2.19% |
27 | 4188 | 三菱ケミカルホールディングス | 2.03% |
28 | 5020 | JXTGホールディングス | 1.93% |
29 | 6301 | 小松製作所 | 1.79% |
30 | 2768 | 双日 | 1.76% |
31 | 8309 | 三井住友トラスト・ホールディングス | 1.71% |
32 | 6471 | 日本精工 | 1.50% |
33 | 5002 | 昭和シェル石油 | 1.37% |
34 | 4704 | トレンドマイクロ | 1.33% |
35 | 4183 | 三井化学 | 1.32% |
36 | 5214 | 日本電気硝子 | 1.25% |
37 | 8304 | あおぞら銀行 | 1.18% |
38 | 6113 | アマダホールディングス | 1.08% |
39 | 8729 | ソニーフィナンシャルホールディングス | 1.05% |
40 | 4902 | コニカミノルタ | 1.04% |
41 | 6472 | NTN | 0.97% |
42 | 8354 | ふくおかフィナンシャルグループ | 0.95% |
43 | 8628 | 松井証券 | 0.87% |
44 | 6703 | 沖電気工業 | 0.69% |
45 | 4208 | 宇部興産 | 0.67% |
46 | 9412 | スカパーJSATホールディングス | 0.60% |
47 | 5715 | 古河機械金属 | 0.53% |
48 | 5703 | 日本軽金属ホールディングス | 0.46% |
49 | 4061 | デンカ | 0.44% |
50 | 5101 | 横浜ゴム | 0.39% |
出典:日経高配当株50ETF マンスリーレポート
日経平均に名を連ねる大企業で埋められており、かつ上位の多くは非常に高配当で名の通った銘柄ばかりです。
そしてセクター比率と併せて見るとその内容が僅かに見えてきますが、セクター比率を調整しつつも、大企業で、出来る限り高めの配当を維持するように構成されている印象です。
トータルリターンはTOPIXと肉薄
配当込みのトータルリターンを見て行きましょう。データについてはmyINDEXより取得しており、8月末時点でのデータとなります。
インデックス | リターン(年率) | |||
1年 | 3年 | 5年 | 10年 | |
日経225 | 18.4 | 8.4 | 13.1 | 7.5 |
TOPIX | 9.6 | 6.4 | 11.7 | 5.5 |
日経高配当株50ETF | 10.0 | ー | ー | ー |
日経高配当株50ETFは若い商品であるため、1年リターンの情報しかありません。日経高配当株50ETFがTOPIXを上回っていますが、ほぼ同一くらいと言えます。
もちろん日経225と比較するとリターンは小さいですが、ただ日銀ETFの支援対象が日経平均225からTOPIXに変更されたため、今後は変わってくる可能性が高そうだと見ています。
TOPIX自体が日本株全体に投資することとなるため、日経225も僅かに含まれることとなりますが、やはり投資対象としての希薄化が懸念されるでしょう。そのため日経高配当株50ETFもその対象影響を受けることから、TOPIXに劣後する可能性も否定は出来ません。
ただTOPIXは東証一部の大型株を内包しており、対する2つの日経225勢は体力の多い大型株で構成されているということは、今後の市場展開によって良し悪しの影響があることを私は妄想しています。
高配当銘柄をこのETF一つで保有できる点は面白い
高配当が好きで50銘柄中のどれかに投資されている方は、その銘柄とバッティングしないように少しだけ考慮した方が良いかもしれません。私であれば、JT、日本郵便、大和証券、NTTドコモがその条件に適合してしまいます。
また株主優待との整合性も少しだけ心に留めておく必要があるかもしれません。例えばJT、KDDI、大和証券など株主優待で有名な銘柄が含まれるため、取得されている方が居る場合はこのETFを多く購入すると複合して銘柄を保有することとなり、かつETFであるため株主優待は貰えないということになることから、投資する金額との整合性を取ることも少しだけ意識するくらいが良いかなと考えます。
そして、このETFで強みとなるのはその分散性だと考えています。50銘柄という少々限られたものになりますが、通常であれば高配当銘柄は個別株で持つことが多く、そのリスクを直に背負うこととなってしまいます。
個別株に投資するリスクを減らして、大型株で高配当の50銘柄に分散して投資可能であるということは非常に強みであるため、個別株の高い配当金を犠牲にしてでも日経高配当株50ETFを購入し、配当金を受領し続けることは十分に魅力的です。そのため購入する量を制御することを考えて、選択する余地はあるでしょう。
終わりに
他の高配当系ETFの記事もありますので、以下に一覧ページを貼り付けておきます。お時間のある時に閲覧して頂ければ幸いです。
また月並みではありますが、投資は政治・経済に大きく左右される先の見通しが極めて困難で混沌とした世界であるため、確証が得られません。そのため投資は自己責任でお願いしてしまうことをご容赦ください。