今回のブログ記事は、げんせん投信の私的評価を記載していきます。このファンドは設定日が2017年6月2日という若い商品であるため評判はまだ不明確ですが、個人的に非常に注目しているアクティブファンドです。
つみたてNISAではまだ購入が出来ない商品であり、今後は着実に実績を積み重ねて選択可能となることを期待するところです。
では内容を記載していきますが、本記事の情報は2018年9月24日での情報となります。
げんせん投信の商品概要
ファンド形態 | アクティブファンド |
ファンド方式 | ファミリーファンド |
参考指数 | TOPIX(配当込み) |
信託報酬 | 0.999% |
実質コスト | 不明 |
販売手数料 | ノーロード |
投資信託の分配金 | 今のところなし |
投資対象 | 日本 |
構成銘柄 | 44 |
純資産 | 5.84億円 |
純資産は5.84億と少ないですが、発売されてから1年しか経過していない商品であるため、今後の成績によって知名度を上げることが出来れば純資産も増えて行くことでしょう。
そしてアクティブファンドであるため信託報酬はそれなりの値です。そして実質コストはまだ不明であり、恐らく1.3~1.6%のレンジだと考えますが、10月末あたりに1年間の運用報告書が展開されるため、その結果が公表されたら更新いたします。
また形態はアクティブファンドのため参考とする指標はTOPIXですが、構成銘柄は44と相当に絞られています。純資産が増加するにつれてその構成も変化すると考えますが、今のところはシャープな投資をしているイメージです。
また構成は以下の通りとなっています。
上位10銘柄 | 比率 |
ドンキホーテホールディングス | 3.0% |
任天堂 | 3.0% |
日揮 | 3.0% |
ファーストリテイリング | 2.9% |
ゼンリン | 2.9% |
リクルートホールディングス | 2.9% |
MTG | 2.7% |
シスメックス | 2.7% |
シュッピン | 2.7% |
メルカリ | 2.6% |
出典:げんせん投信 月次レポート
まず上位10銘柄については、2018年に上場したメルカリやMTGなどが入っている事もあり、かなり攻めの姿勢であることが見受けられます。見方が難しいですが、バリュー系やグロースに力を入れている印象です。
セクター分類についてはハイテク寄りに構成されていますが、僅かな銘柄数で出来る限りの分散しています。純資産が少ない分は偏りやすくなるとは考えますが、個人的には面白い構成だと思っています。
次は市場や資産分配の比率です。
出典:げんせん投信 月次レポート
基本的には東証1部で構成されており、基本は大型株寄りの投資を行っていることが伺えます。そして日本株を100%としています。
そして適宜先物を使用するファンドではあるのですが、直近では現物のみで運用を行っています。直近では現金を1.9%と低くし、結構な比率で株式に割り振っているため、かなり強気な方針を取っている状態が見受けられます。
また投資対象国について、過去にげんせん投信のファンドマネージャである伊藤琢さんへのインタビュー記事が出た際に発言がありました。その内容によると、ニッセイに紐づいているファンドであり、その構成上から現状としては海外に投資することは難しため、日本市場への投資に限ることになりそうだとのお話でした。
そのためひふみのように、状況によって海外株式の導入を少しづつ行うという可能性は今のところ薄そうです。ただ今後の展開によってどうなるかという所です。
運用成績は今のところ悪くはない
参考指標とするTOPIXと運用成績を比較すると以下の通りとなっています。
3ヶ月 | 6ヶ月 | 1年 | |
げんせん投信 | -3.6% | -1.0% | 14.3% |
TOPIX | -0.5% | -0.7% | 9.6% |
参考指標とするTOPIXは日本の全個別株式に投資するインデックスになり、げんせん投信の方は短期間にするとその運用成績が冴えませんが、1年ではTOPIXを上回っています。
2018年の初めに発生した米国債の長期金利上昇に伴う株式市場の変化や、貿易戦争による市場の混乱がありましたので、特定の銘柄を保有する場合は短期であればこの成績となるのも仕方がないと言える部分があります。
しかし、2017年は異常な上昇相場という恩恵がある中でしたが、その期間を含む1年においてTOPIXを上回ることが出来たのは幸いと言えるでしょう。
総括
現在のところはまだ良い成績を残している状態ですが、今後は市場の変化が大きくなることが予想されますから、その波に耐えつつ成績を残すことが出来るのか、ファンドマネージャの伊藤琢さんが率いる運用チームの手腕に注目されることでしょう。
げんせん投信に資金を投入する際は、アクティブファンドであることと、まだ実績の少ないファンドであり運用手腕が今後に期待されるということから、ポートフォリオに組み入れるのであれば10~40%のレンジで比率を制御した方が良いかなとは考えています。
つみたてNISAで購入できないことも考慮に入れる必要がありますが、今後にもし買い目だと考える場面になれば、私は少しづつ資金を投入して、限度は1万口として投入して様子を伺うことを予定しています。
またこのげんせん投信のファンドマネージャとなる伊藤琢さんは、実はひふみのレオスキャピタルワークス取締役である藤野英人さんを恩師として持ち、過去に同社でお仕事をしていた間柄です。その運用手腕を何処まで継承できているのか、非常に興味がある所です。
■終わりに
投資信託の評価記事一覧を以下に貼り付けておきますので、お時間がある時に見て頂ければ幸いです。
そして月並みではありますが、投資は政治・経済に大きく左右される先の見通しが極めて困難で混沌とした世界であるため、確証が得られません。そのため投資は自己責任でお願いしてしまうことをご容赦ください。