【投資信託】eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)の評価

2020年4月20日

今回はeMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)の私的評価を記載していきます。なお本商品に関してはつみたてNISAでは購入可能ではありますが、しかしiDeCoでは購入可能なところは見受けられませんでした。

では内容を記載して行きましょう。なお、本記事の情報の多くは2018年9月12日時点での情報となります。

■全世界株式(3地域均等型)の商品概要

3つのインデックスを複合させたタイプの商品であり、概要としては以下の通りとなります。

対象インデックス ①TOPIX
②MSCI Kokusai Index(円換算)
③MSCI エマージング・マーケット・インデックス(円換算)
信託報酬 0.15336%
実質コスト 不明
販売手数料 ノーロード
投資信託の分配金 今のところなし
投資対象 日本(33.3%)
先進国(33.3%)
新興国(33.3%)
構成銘柄 4332

配当金予測は複合型であるため現在のところは除外しています。そして設定日が2018年4月3日の若い商品であるため実質コスト等は不明です。また分配金の有無についても決算を跨いでいないため、今後は出ない事を祈る必要があります。

この商品の特徴的なところは、8均等などの債券やリートを含むものとは異なり、株式のみで構成されて3つのインデックスを複合させ、それぞれ3均等として33.3%づつ割り振っている所にあります。なお図示すると以下の通りになります。

出典:eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型) 目論見書

株式のみでリバランスが発生するところが一番面白い部分になりそうですが、新興国が33%と多めでリスクは高めとなる可能性があるでしょう。

そもそもこの3つのインデックスですが、実はeMAXIS Slimシリーズで使用されており、実際に運用を行うファンド的な意味でも3つの商品を33.3%と閾値を設けてパックしたものとなります。

  • eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)
  • eMAXIS Slim先進国株式インデックス
  • eMAXIS Slim新興国株式インデックス

そして直近の構成は以下の通りとなっています。

出典:eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型) 月次レポート

基本的にハイテクが多く、その次に金融となっています。

またテンセントやアリババなどの中国企業が上位にあるため比率が偏っているように見受けられますが、その理由は以下によるものです。

  • 新興国側インデックスは約909銘柄と少ない
  • 新興国側インデックスはテンセント5.15%、アリババ4.07%と比率が多い
  • 先進国側インデックスは約1321銘柄と多く、1銘柄が希薄化されやすい
  • 先進国側インデックスはアップル2.52%、マイクロソフト1.92%と少ない
  • TOPIXは2101銘柄と一番多い

そのため現在はあまり気にする必要が無いと考えますが、一つ言えるのであれば新興国側は企業を絞っているという所です。

次に投資対象国の比率です。

出典:eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型) 月次レポート

比率としてはTOPIXが33.3%のため日本を多めに投資する形となってしまいますが、米国は22.7%とそれなりに含まれる状態です。

■他のeMAXIS Slimシリーズ一覧との比較

ファンド名 カテゴリ 1年間
リターン
信託報酬 純資産
eMAXISSlim国内株式(日経平均) 株式 0.17172% 5.64 億円
eMAXISSlim国内株式(TOPIX) 株式 9.25% 0.17172% 38.9 億円
eMAXISSlim全世界株式(除く日本) 株式 0.15336% 20.03 億円
eMAXISSlim全世界株式(3地域均等型) 株式 0.15336% 4.9 億円
eMAXISSlim先進国株式インデックス 株式 14.79% 0.11826% 205.21 億円
eMAXISSlim米国株式(S&P500) 株式 0.1728% 26.05 億円
eMAXISSlim新興国株式インデックス 株式 -0.22% 0.2052% 82.79 億円
eMAXISSlimバランス(8資産均等型) バランス 3.44% 0.1728% 152.89 億円
eMAXISSlim国内債券インデックス 債券 -0.37% 0.15012% 21.24 億円
eMAXISSlim先進国債券インデックス 債券 -1.32% 0.1836% 23.35 億円

赤字とハッチングにて示した部分が本商品となりますが、1年リターンはまだ情報がありません。インデックスを複合したものであり、2018年4月3日が設定日と若い商品であるためリターンは不明です。

また純資産は5億円と非常に少なく、あまり人気の無いことが伺えます。償還の危険性から30億は欲しい所ですが、株式を3地域均等で運用するというコンセプトの商品自体があまり実績のないものであるため、その知名度の少なさと、そして本当にリターンが得られるのか不確定な商品であるため、様子見されているのだと推測します。

■価格は平均化されやすいが…

商品名 基準価格
eMAXISSlim全世界株式(3地域均等型) 10011
eMAXISSlim国内株式(TOPIX) 11241
eMAXISSlim先進国株式インデックス 11965
eMAXISSlim新興国株式インデックス 9645

出典:eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型) 月次レポート

3均等を黒字とし、実際の運用対象に近い3つの商品を赤字で示しています。また直近の基準価格を抽出していますが、この4商品とも設定日が異なるため基準価格に大きな差が出ているのはどうかご了承ください。

なおこの記事を書いている時点では米国一強の状態となっているため先進国株式の沸落率が高い状態であり、それに対して国内株式と新興国株式はあまり冴えません。つまり3地域中、1地域のみが値上がりして、それ以外は下がるという状態です。このような極端な局面では基準価格が平均化されやすく、リターンを得ることが出来ない場合があるでしょう。

しかし3均等という名の付いている商品ですから、期待するのはリバランス効果です。この効果によって、現在の世界経済の情勢が変わった際にリターンが変化する可能性もあり、そこがこの商品の特徴と言えます。

■リバランスによって高い地域を売り、低い値の地域を保有する

米国などの先進国が非常に値が上がっている場合、33.3%という形を守るためリバランスによって売却されます。これはケースによって高値リスクを避けるという視点にも繋がります。

そして非常に値の下がった新興国の33.3%という数字を守るため、新興国を購入するわけですが、これはナンピンのような形となります。もちろんTOPIX側についても同様です。

つまり新興国側の力を溜めている状態とも取れるわけで、今後の経済情勢が変わり投資資金が先進国から新興国などに変わった場合、新興国株が上昇する可能性もあり、その際には今までナンピンしていた新興国が息を吹き返すことがあるかもしれません。

要は資金の流れが世界的にボックス相場の様に波打つ形であれば、リバランスによって利益を狙える可能性もあるわけです。この商品は3地域が共に上昇する局面も当然リターンがあるかもしれませんが、リバランス効果が働く局面も視野に入れて購入するものだと考えています。

ただリバランス自体も現物の購入・売却が行われますから、多少なりにも売買コストが掛かります。そして米国一強などの相場が相当長く続くようであれば、リターンが限られ続ける場合もあります。そして新興国も33.3%と多くリスクは少々高めでもあるでしょう。

eMAXISSlim全世界株式(3地域均等型)は株式のみで33.3%という特殊な分け方をしており、今度それがどの様に作用するか個人的に非常に注目している商品です。

■終わりに

eMAXIS slimシリーズを含めた、全ての投資信託の評価記事を以下に貼り付けておきますので、お時間がある時に見て頂ければ幸いです。

・投資信託 評価記事一覧

そして月並みではありますが、投資は政治・経済に大きく左右される先の見通しが極めて困難で混沌とした世界であるため、確証が得られません。そのため投資は自己責任でお願いしてしまうことをご容赦ください。