今回のブログ記事はiFree NYダウ・インデックスの私的評価を記載していきます。
日本円でNYダウに投資可能な商品としてはETFや投資信託が挙げられますが、投資信託の中で信託報酬の面で優れている事からこの商品の記事を作成しました。
早速内容を記載していきますが、本記事のデータは2018年10月25日時点でのものとなります。
iFree NYダウ・インデックスの商品概要
対象インデックス | ダウ・ジョーンズ工業株30種平均 (円換算、配当含まず) |
信託報酬 | 0.243% |
実質コスト | 0.288% |
販売手数料 | ノーロード |
投資信託の分配金 | 今のところなし |
インデックスの配当利回り | 2.3% |
投資対象 | 米国 |
構成銘柄 | 32 |
純資産 | 82.05億円 |
純資産は82.05億円と十分な程に流入しており、結構人気のある商品と言えます。
信託報酬は0.243%であり、投資信託においてNYダウを指標とする商品の中では首位を争う商品です。また実質コストについても0.288%とかなり上手く抑えられている印象です。
なお肝心の指標となるNYダウインデックスですが、実は配当を含まないで計算されます。これがNYダウインデックスの厄介な所であり、これにより他の投資信託なども基本的にベンチマークから配当によってプラスの乖離となることが余儀なくされることから、評価が難しいという欠点が存在します。なおNYダウインデックスは2.3%近くの配当を出す指標です。
そしてNYダウは工業株30種平均と言えば30銘柄で構成された米国の超有名指標ですが、iFree NYダウ・インデックスにおいては構成銘柄は32となっています。
この理由としては次の2点が挙げられます。1つめは他の投資信託を用いていること、2つめは先物商品を使用していることです。これはiFreeの特徴と言うべきところになりますが、構成の一部に他の金融商品を買い付けることにより商品を成り立たせている形式を取っています。
これは次に示す上位10銘柄の2位を見て頂くと、その一端を見ることが可能です。また併せてセクター比率も掲載します。
順位 | 企業名 | 比率 |
1 | ボーイング | 8.5% |
2 | SPDR ダウ投資信託 | 8.0% |
3 | ユナイテッドヘルス | 6.1% |
4 | ゴールドマンサックス | 5.3% |
5 | アップル | 5.2% |
6 | 3M | 4.9% |
7 | ホームデポ | 4.8% |
8 | マクドナルド | 3.9% |
9 | キャタピラー | 3.5% |
10 | IBM | 3.5% |
セクター | 比率 |
資本財・サービス | 20.2% |
情報技術 | 17.1% |
金融 | 13.4% |
ヘルスケア | 12.0% |
一般消費財・サービス | 10.6% |
生活必需品 | 6.9% |
エネルギー | 4.8% |
電気通信サービス | 3.9% |
素材 | 1.5% |
2位にステートストリート社のSPDR投資信託があり、これをポートフォリオの一部に組み込むことによって調整しています。
他の金融商品を使用することは信託報酬が少し増加するという欠点が存在するため、あまり歓迎されるものではありませんが、ただこのiFreeの成績としては次に示すリターン比較において、悪くない事から気にならない範疇であると言えます。
なおセクターについては、NYダウらしくバランス良く設定されています。
NYダウ自体の今までのトータルリターンは
商品名 | 信託報酬 | 年率平均 | ||
1年 | 3年 | 5年 | ||
ダウ・ジョーンズ 工業株30種平均 |
ー | 18.1 | 17.6 | 11.8 |
iFree NYダウ・インデックス | 0.243% | 21 | ー | ー |
たわらノーロード NYダウ | 0.243% | 20.8 | ー | ー |
データについてはmyINDEXより取得しており、2018年9月末時点でのデータとなります。また赤字で示した部分はインデックスそのものの指標です。
iFreeとたわらは、同様に信託報酬が低い商品であるためピックアップしておりますが、両者共に大きな乖離はなく上手く運用できていると言えます。ただ若い商品であるため3年以上の長期データはありません。
そしてNYダウのインデックス自体は配当を考慮していないものであるため、両投資信託共に配当を含めた約2%強の追加リターンを出しています。
上記より、iFreeが先物と他の投資信託を買い付けることによって、劣後しているという事は無さそうと見て良いでしょう。
総括
投資信託でNYダウに投資を試みるのであれば、主に信託報酬的な意味でiFreeか、たわらのどちらかを選択することとなるでしょう。
そしてNYダウに組み込まれた30もの企業については、セクターや業績、株価が高値でないことなど相当に選定されてはいるのですが、米国市場の中でも優れた企業で構成された30社へと投資できることは、それなりにシャープな投資となってしまう欠点はありますが、一興ではあります。
また世界的に超有名な指標へ、低い信託報酬でノーロードでの購入が可能となったことは、投資環境が非常に改善したと喜ぶべきでしょう。かなり恵まれている時代です。
そして最後に、昨今では世界の市場では非常にボラリティの高い局面へと推移しつつあり、今後の展開も厳しいものになる想定で投資をした方が良いと個人的には考えています。ここはお節介となってしまいますが、iFree NYダウ・インデックスは株式100%のハイリスク商品となりますので、購入の際は時間分散を考慮した、積み立て投資をしっかりと実行した方が良いでしょう。
■終わりに
投資信託の評価記事一覧を以下に貼り付けておきますので、お時間がある時に見て頂ければ幸いです。
そして月並みではありますが、投資は政治・経済に大きく左右される先の見通しが極めて困難で混沌とした世界であるため、確証が得られません。そのため投資は自己責任でお願いしてしまうことをご容赦ください。