【投資信託】iFree S&P500インデックスの評価-ETFや先物が含まれるがリターンへの差異は

投資信託

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今回のブログ記事はiFree S&P500インデックスの私的評価を記載していきます。

日本円でS&P500に投資可能な商品としては様々なETFや投資信託があります。その中で投資信託においては2商品が存在し、その内の一つがこのiFreeです。

早速内容を記載していきますが、本記事のデータは2018年10月30日時点でのものとなります。

iFree S&P500インデックスの商品概要

対象インデックス S&P500指数(円換算)
信託報酬 0.243%
実質コスト 不明(近々に判明する見込み)
販売手数料 ノーロード
投資信託の分配金 今のところなし
インデックスの配当利回り 2.1%
投資対象 米国
構成銘柄 507
純資産 60億円

信託報酬は0.243%であり、これは投資信託においてS&P500を指標とする商品の中では2位となる商品です。実質コストについては今のところ不明ですが、2018年11月頃にはその額が判明することでしょう。純資産は60億円と十分な程に流入しており、償還の危険性は今のところありません。

構成銘柄としては507となっており、500からは少々端数が出ています。これはS&P500自体が505銘柄で構成されていること、そして先物1つと、iSharesのS&P500ETFとなるIVVが組み入れられていることから、これらを合計して507銘柄となっています。

先物と他のETFなどを組み入れて調整するのは、iFree NYダウを含めてiFreeの特徴と言うべきところになります。これは構成の一部に他の金融商品を組み込ませ、商品を成り立たせている形式を取っています。

これは次に示す上位10銘柄の2位を見て頂くと、その一端を見ることが可能です。また併せてセクター比率も掲載します。

順位 企業名 比率
1 IVV (iShares ETF) 7.4%
2 アップル 3.8%
3 マイクロソフト 3.3%
4 アマゾン 3.1%
5 S&P500先物 1.9%
6 バークシャーハサウェイ 1.6%
7 フェイスブック 1.5%
8 JPモルガン・チェース 1.4%
9 ジョンソン&ジョンソン 1.4%
10 アルファベット(グーグル) 1.4%
セクター 比率
情報技術 23.9%
ヘルスケア 13.6%
金融 12.2%
一般消費財・サービス 11.9%
資本財・サービス 8.8%
生活必需品 6.4%
エネルギー 5.5%
公共事業 2.5%
素材 2.2%
電気通信サービス、他 1.9%

1位がETF、5位が先物となります。特に他の金融商品を使用することは信託報酬が少し増加するという欠点が存在するため歓迎されるものではありませんが、ただIVV自体は信託報酬が非常に安いことから、どの様に作用するか注意する必要があります。

しかし素人の所感として、個別株よりETFの方が、純資産の急激な増減があった際に調整が効きやすいとも考えられるので、将来的にとある局面で実質コストを如何に抑えられるかがカギとなりそうです。

なおセクターについては情報セクターが非常に高いことから、S&P500らしい構成となっています。

S&P500自体との気になる差異はない。そしてeMAXIS Slimとのトータルリターン比較はまだ不明

データについてはmyINDEXより取得しており、2018年9月末時点でのデータとなります。また赤字で示した部分はインデックスそのものの指標です。

商品名 信託報酬 年率平均
1か月 1年 3年
S&P500指数(円換算) 17.9 17.3
iFree S&P500インデックス 0.243% 2.8 18.5
eMAXIS Slim
米国株式(S&P500)
0.1728% 2.8

まず題名の結論を今更ここで1行で書くと、S&P500そのものの指標とiFreeとを比較しても気になる差異はありません。上手く運用されています。

そしてeMAXIS Slimとの比較では1ヶ月というかなり短期のキワモノデータしかありませんが、成績としては同一です。また楽天証券のデータでも確認しましたが、この3ヶ月においては差がほとんど出ていません。

iFreeの方が0.1~0.8%と僅かに高く推移することもあるため、かなり長期が経過した後にリターンを比較する必要がありそうです。それによって先物とETF使用の影響が出るかどうかが分かれてくる可能性もあります。

また信託報酬にはそれなりの差があり、少々気になるところではありますが致命的と言える程ではありません。問題なのは今後の実質コストです。今後はiFreeが何処まで抑えることが出来るかが争点となりそうです。

eMAXIS Slimは純資産の流入が異常に多いため、これは売買回転率の上昇により実質コストが上がる可能性があります。なお他の商品のiFree NYダウでは、2年目でかなり実質コストを抑えられた実績があるため、iFree S&P500も0.28%前後に抑えることが出来るのを祈るばかりです。

総括

投資信託でS&P500に投資を試みるのであれば、主に信託報酬的な意味でiFreeか、eMAXIS Slimのどちらかを選択することとなるでしょう。

リターンについては短期のデータしかないため結論を出すことは出来ませんが、今のところあまり差がないことから甲乙が付け難い状態ですが、実質コストを考慮しなければ信託報酬の僅かな安さからeMAXIS Slimに軍配が上がってしまいます。

ただiFreeを過去に購入した方であれば、eMAXIS Slim乗り換えてしまうと売却による課税によって逆に損となる可能性もあるため、状況によって急いで変更する必要はないと考えます。

そして最後に、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)とどちらが良いかと尋ねられたら、信託報酬的な意味でeMAXIS Slimの方をとりあえず購入してみて様子を見た方が良いかもしれないと言うでしょう。ただS&P500に投資可能であるiFree S&P500インデックスは現在のところ優秀な投資信託です。

またeMAXIS Slimに乗り換えず、iFreeに残っている方々のほうが過去から保有しているケースが当然ながら多く、これは乗り換えによる売却課税に伴う損を理解しており、長期保有のスタンスを崩さない方々が多いのではと妄想しています。またその時代を跨いで見なければ分からないところで確証はありませんが、ETFと先物の使用には欠点だけでなく、相場に大きな変化があった際には流動性などの利点があるかもしれません。

■終わりに

全投資信託の評価記事一覧を以下に貼り付けておきますので、お時間がある時に見て頂ければ幸いです。

・投資信託 評価記事一覧

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