日本株で高配当ETFと言えば数銘柄がありますが、今回のブログ記事はiシェアーズ MSCIジャパン高配当利回りETF (1478)を記載していきます。
このETFは分配金利回り(配当利回り)としては2.4%付近であり、ETFにしてはそこそこ高い部類の商品と言えます。
以下より内容を記載していきます。なお、本記事の情報は2018年10月9日時点での情報となります。
基本情報
対象インデックス | MSCIジャパン高配当利回り |
コード | 1478 |
構成銘柄数 | 40 |
分配金利回り | 2.47% |
純資産 | 396億円 |
信託報酬 | 0.2052% |
分配頻度 | 年2回(2、8) |
純資産については396億円と結構な資金が流入しており、ある程度ユーザが付いている中々の人気商品のあることが伺えます。
信託報酬は0.2052%であり、銘柄をある程度制限した高配当ETFの中では抑えられている方です。販売会社であるBLACKLOCKの上手い運用によってコスト削減が行われている印象と言えます。
分配金利回りは2.47%であり、同じ日本株高配当ETFである日経高配当株50ETFと比較すると少々利回りは低くはなってしまいます。そしてこのETFは年に2回の分配金が支払われます。
そしてベンチマークとなるMSCIの高配当利回り系には特徴がありますが、その中で一部をピックアップすると以下の通りとなります。
- 銘柄数ベースで配当性向トップ5%は除外。収益と配当のバランスを確保(配当金下落リスク大)。
- 5年間で1株当配当金が減少している銘柄を除外。
- 1年間の株価パフォーマンスがマイナスである銘柄群の下位5%を除外
- 構成銘柄数は固定されておらず、年2回のリバランス時に決定。
結構厳しい基準が設けられていますが、特に1年間の株価がマイナスの場合は除外されるというのは、日本株的には厳しい基準です。要は企業の業績悪化や、株主を軽視すると除外するということに他なりません。
次に、少々長くなってしまうため大変恐縮ですが40銘柄の全てと、セクター比率を一気に確認しましょう。
No | コード | 銘柄名 | 比率 |
1 | 8001 | 伊 藤 忠 | 5.5 |
2 | 9437 | NTTドコモ | 5.27 |
3 | 9433 | KDDI | 5.1 |
4 | 2914 | 日本たばこ産業 | 5.09 |
5 | 9432 | 日本電信電話 | 4.93 |
6 | 7751 | キヤノン | 4.91 |
7 | 5108 | ブリヂストン | 4.87 |
8 | 7203 | トヨタ自動車 | 4.78 |
9 | 7201 | 日産自動車 | 4.68 |
10 | 7267 | 本田技研 | 4.66 |
11 | 6301 | 小松製作所 | 4.63 |
12 | 7270 | SUBARU | 4.56 |
13 | 8725 | MS&AD | 3.89 |
14 | 8035 | 東京エレクトロン | 3.77 |
15 | 8002 | 丸 紅 | 3.5 |
16 | 4188 | 三菱ケミカルHLDGS | 2.92 |
17 | 1878 | 大東建託 | 2.29 |
18 | 1928 | 積水ハウス | 2.25 |
19 | 8697 | 日本取引所グループ | 2.18 |
20 | 4005 | 住友化学 | 2.05 |
21 | 7272 | ヤマハ発動機 | 1.87 |
22 | 4704 | トレンドマイクロ | 1.79 |
23 | 4902 | コニカミノルタ | 1.19 |
24 | 8304 | あおぞら銀行 | 1.02 |
25 | 4508 | 田辺三菱製薬 | 1.02 |
26 | 6471 | 日本精工 | 1.00 |
27 | 9201 | 日本航空 | 0.99 |
28 | 8729 | SONY FH | 0.97 |
29 | 6113 | アマダホールディングス | 0.85 |
30 | 4185 | JSR | 0.85 |
31 | 3401 | 帝 人 | 0.83 |
32 | 2651 | ローソン | 0.78 |
33 | 4202 | ダイセル | 0.76 |
34 | 先物 | ミニTPX 先物 | 0.76 |
35 | 先物 | TOPIX 先物 | 0.72 |
36 | 3291 | 飯田GHD | 0.63 |
37 | 5101 | 横浜ゴム | 0.61 |
38 | 5110 | 住友ゴム | 0.61 |
39 | 5463 | 丸一鋼管 | 0.44 |
40 | 8410 | セブン銀行 | 0.43 |
出典:BLACKLOCK 公式サイト
全体的に見ると、大型株だけでなく様々なサイズの高配当株が選定されています。また恐らく調整用として割り当てていることとは思いますが、一部にTOPIXの先物が少しばかり含まれていることも注目するところでしょう。
そしてセクター比率は輸送機器関連が1位であり、これは見ても分かる通り、自動車関連の銘柄が複数と含まれている事が理由となります。
トータルリターンは・・・
類似商品として挙げられる日経高配当株50ETFとの比較を行う事を目的として、配当込みのトータルリターンを見て行きましょう。データについてはmyINDEXより取得しており、8月末時点でのデータとなります。
インデックス | リターン(年率) | |||
1か月 | 3か月 | 6か月 | 1年 | |
iシェアーズ MSCI ジャパン 高配当利回りETF |
-2.3% | -2.3% | -4.3% | 3.6% |
日経高配当株50ETF | -0.7% | 0.7% | -1.8% | 10% |
両方の商品は発売されてからそこまで期間が経過しておらず、1年から先のデータが存在しないため短期での比較となります。
ただ1年リターンで見て日経高配当50の方が圧倒的に高く、この差はかなり大きい状態ではあります。これはiシェアーズの方は値の動きがマイルドであったため、この様な結果になっています。
総括
日経高配当株50ETFと比較した場合は購入をためらう部分はありますが、ただ1年までのデータしかまだないため現状で評価を出すことは難しい部分があり、今後は逆転する可能性だってあるETFとも言えます。
高配当株式に関するETFは、ベンチマークとなる指数が異なればセクター比率も変化が出てきますが、私がiシェアーズ MSCIジャパン高配当利回りETFに魅力を感じる所は、そのセクター比率の違いです。
自動車関連株が多すぎるのは難点ですが、特に景気敏感株である金融関連銘柄が少ないことが良いところとは考えています。他の高配当ETFとミックスしての保有も面白いかもしれません。
そして最後に、分配金利回りはそこそこですが、個別株に投資するリスクを減らして、大型株とその他でミックスした40銘柄に分散して投資可能である利点を生かし、配当金を受領し続けることは中々魅力的でありますが、ただ購入する量は制御することを考えて選択する方が良いでしょう。
終わりに
他の高配当系ETFの記事もありますので、以下に一覧ページを貼り付けておきます。お時間のある時に閲覧して頂ければ幸いです。
また月並みではありますが、投資は政治・経済に大きく左右される先の見通しが極めて困難で混沌とした世界であるため、確証が得られません。そのため投資は自己責任でお願いしてしまうことをご容赦ください。