【米国ETF・VDE】バンガード・米国エネルギーセクターETFの評価-米国の石油・ガス関連企業への投資

2020年4月20日

今回は、バンガード・米国エネルギーセクターETF(VDE)の私的評価を記載していきます。

早速内容を記載して行きますが、本記事の情報は2020年2月16日時点での情報となります。

基本情報

対象インデックス MSCI USインベスタブル・マーケット・エネルギー25/50インデックス
構成銘柄数 132
分配金利回り 3.87%
経費率(信託報酬) 0.10%
分配頻度(基準月) 3月、6月、9月、12月
投資対象 米国

信託報酬は0.10%ではありますが、セクター特化系のETFとしては申し分ない低さと言えるでしょう。

分配金利回りはETFの中では非常に高い分類です。このセクターに含まれる企業はコスト削減などの企業努力にて減配を回避していますが、しかし原油価格が上昇しないという非常に厳しい環境に置かれているため、利益が上がらず株価も上がらないというジレンマを抱えています。

そのため株価は下がるか横ばいかを続け、配当金を少しづつ上げるという事をしているため、結果として配当金利回りが高くなる傾向となっています。

そして構成銘柄は132となっており、米国が原油・ガス関連の資源系に多くの企業が存在している事が伺えます。

ちなみに日本では資源の少なさから原油採掘の企業は少なく、一つだけ挙げるとすれば国際石油開発帝石(INPEX)などでしょうか。

上位10銘柄

順位 保有銘柄 構成比
1 エクソン・モービル 22.05%
2 シェブロン 17.66%
3 コノコフィリップス 5.04%
4 シュルンベルジェ 4.02%
5 EOGリソース 3.66%
6 フィリップス66 3.58%
7 キンダー・モルガン 3.26%
8 マラソン石油 3.15%
9 バレロ・エナジー 3.07%
10 オクシデンタル・ペトロリウム 2.78%

日本人には馴染みのない企業ばかりですね。唯一知られている企業と言えばエクソンモービルくらいでしょうか。

シェール革命によって原油関連の米国企業は、米国での採掘が主体となってきており、この背景から米国は原油を中東にさほど頼らなくても良いという事情もありますが、しかし原油価格自体は国際的な需要・供給が関連しているため、結局は中東との関連性が強いという環境があります。

産業比率

産業別構成 比率
総合石油・ガス 42.9%
石油・ガス探査・開発 23.0%
石油・ガス精製・販売 11.7%
石油・ガス貯蔵・輸送 11.1%
石油・ガス装置・サービス 10.1%
石油・ガス掘削 1.0%
石炭・消耗燃料 0.2%

石油、ガスの採掘から販売までの全てが網羅されている状態です。このため業績は原油・ガスの価格に握られているといっても過言ではありません。

有名どころの指標で言えば、原油価格の指標とされるWTI原油先物価格による影響を非常に強く受けるという事ですね。

トータルリターンは低い

今までの実績を確認することを目的として、VDEと、VOO(S&P500)とのトータルリターンを確認していきましょう。なおデータは2020年1月末時点でのデータとなります。

ETF 年率平均
1年 3年 5年 10年
VDE -13.72 -7.99 -4.77 1.28
VOO(S&P500) 21.58 14.49 12.33

上記のデータは下落も上昇も含まれる期間となりますので、実際はマイナスとなる年もあります。

VDEの数値を見ると、そのリターンの低さに狼狽するのではないでしょうか。エネルギー(原油・ガス)関連の企業は、業績が難しい状態であるということが読み取れます。

今後はシェール革命によって米国の原油は増産が予想され、それによって利益も期待できるところはあるのですが、反面として原油の価格が低ければ採算が取れなくなることから泥沼となる危険性もあり、中東との情勢、そして世界的な需要と経済環境によって価格が変動することも含めて、今後はどの様なリターンへと推移するのか全くもって分かりません。

総括

今までのリターンは非常に悪く、今後も注意すべきセクターです。そしてこれはかなり難しいところですが、新エネルギー(再生エネルギー、核融合やその他)の動向にも注意が必要であると考えます。

このセクターに関しては現時点で利益を得る事が難しいです。何故ならこの10年間近くは原油価格が上手く上昇していない状態であり、これは販売による利益が限られてしまっていることが要因としてあります。

これはリーマンショック、採掘技術の向上や中東情勢など様々な要因がありますが、その中で1点だけ挙げると、シェール革命の影響を受けているという見方があります。これによって今後も採掘量が劇的に増加する見込みもあるため、価格が上昇するかどうかは難しい状態です。

つまり現状としては、リスクが高すぎる投資先とも言えてしまうのが困ったところ。これは不可能に近いですが、将来的に何らかの要因によって原油価格が上昇する見通しが付いた上で、投資するくらいの慎重さが必要なのではないでしょうか。

もし保有するのであれば、現状は高い分配金利回りからインカムを受けるという目的で、超長期で保有するくらいの覚悟が必要だと考える所があります。

以上から、原油・ガス関連企業に特化したVDEは、現状としてリターンに難を持つセクターで構成されており、かつ情勢や原油価格にダイレクトな影響を受ける難しい特徴をもっているため、保有する際はその比率をかなり制御して保有すべきでしょう。

終わりに

投稿した全ての米国株・ETFの評価記事を以下に貼り付けておきますので、お時間がある時にご確認を頂ければ幸いです。

・米国株・ETF 評価記事一覧

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