今回のブログ記事はダイワ上場投信・TOPIX-17 医薬品の私的評価を記載して行きます。
以下より内容を記載していきます。なお、本記事の情報は2019年3月15日時点での情報となります。
基本情報
対象インデックス | TOPIX-17 医薬品 |
コード | 1638 |
構成銘柄数 | 40 |
分配金利回り | 約1.7% |
純資産 | 6億円 |
信託報酬 | 0.1944% |
分配頻度(確定月) | 年2回(1、7) |
使用するインデックスはTOPIX-17 医薬品であり、これは東証一部で構成されるTOPIXの中から、最終的に17業種に分類したシリーズです。また浮動株調整済時価総額加重型を用いています。
信託報酬としては、TOPIX-17医薬品インデックスを使用するETFでは十分に安いと言える程であり、記事記載時点では最安値となっています。
なお純資産については6億円とまだまだ低い状態であり、また長期的に見ても資産流入が少ないことから、ここは不安が残るところです。
分配金利回りについては約1.7%とあまり高くはありません。なお分配頻度は年2回であり、1月・7月に設定されています。
上位10銘柄
銘柄 | 比率 |
武田製薬 | 28.3% |
アステラス製薬 | 11.5% |
第一三共 | 8.6% |
エーザイ | 8.0% |
塩野義製薬 | 6.7% |
大塚ホールディングス | 6.4% |
中外製薬 | 5.7% |
小野製薬 | 3.9% |
参天製薬 | 2.4% |
協和発酵キリン | 1.9% |
なかなか偏りを感じる比率ではあります。銘柄数としては40銘柄(個別株39・先物1)ではありますが、上位になるにつれて急上昇する構成です。
特に武田製薬の比率が非常に多いことから、価格等の依存度が高くなってしまう印象があります。これはインデックスの特徴とも言える部分ではあり、価格と浮動株の関係から武田製薬の比率が多くなりやすくなってしまうためです。
これは浮動株調整済時価総額加重型を用いている事が理由となっています。少しだけ解説すると、この指数は浮動株と価格によって左右されやすい特徴を持ちます。
この特徴を当てはめて少し情報を辿っていくと、まず武田製薬とアステラス製薬は時価総額に致命的な差はありません。そして浮動株も致命的な差はありません。また参考として営業利益自体も同じく致命的な差はありません。
ただし武田製薬の株価が2.6倍近く高いため、それが尾を引いて武田製薬の比率が高くなっているという事です。つまりアステラス製薬の比率から2.6近くを掛けると、武田製薬の比率に近い値が出るという事です。
セクター構成
業種 | 比率 |
医薬品 | 99.7% |
医薬品の指数だけあって、特に情報を載せる必要が無い位の比率となっています。残りの0.03%はTOPIX先物と現金等です。
分配金の推移
決算日 | 分配金 (1口あたり) |
合計 |
2018年1月20日 | 197 | 399 |
2018年7月20日 | 202 |
大企業の詰め合わせというだけあって、冒頭の通り分配金利回りは2.1%と日本の大企業詰め合わせらしい数値です。分配金が出過ぎず、出なさすぎず、つまりバランスを取っているという事です。
トータルリターン
配当込みのトータルリターンを、同じ日本株に投資するという観点でTOPIXと比較して確認しましょう。なおデータの関係上、両方ともダイワのETFを用いて比較しています。
ETF | リターン(年率) | ||
1年 | 3年 | 5年 | |
ダイワTOPIX | -7.2% | 31.6% | 46.2% |
ダイワTOPIX-17 医薬品 | 2.3% | 20.5% | 68.7% |
1年リターンではTOPIXよりマイナスを緩和しており、ヘルスケアとしての一端を担っている数値とも言えるのですが、3年リターンでは一気にへこむ形となっており、チグハグなリターンとなっています。
ただし5年ではリターンが高くなっていることから、購入する時期によっては妙味があるかもしれません。ただしTOPIX自体がアベノミクス等の異常相場の値が載っているため、ここまでのトータルリターンは特殊であるとの見方が良いでしょう。今後この様なリターンが出ることは難しいと考えます。
総括
武田製薬の依存度が高いところが気になる部分であり、武田製薬の業績がコケた場合はかなり手痛い影響を受けるため、武田製薬の海外企業買収等の推移を含めた戦略が成功することを祈るばかりです。
しかし医薬品はヘルスケアの一端として数えられることもあり、長期的にはそれなりに妙味がある可能性はあると考えます。経済衰退期にも需要は減りにくい可能性が高いでしょう。
また純資産の増加が非常に緩やかで償還などが怖い部分ではありますので、気になる点は多々ありますが、それなりに妙味も出てくる時期も想定されるETFではあります。そのため投資する際は慎重な額を設定した方が良いでしょう。
終わりに
月並みではありますが、投資は政治・経済に大きく左右される先の見通しが極めて困難で混沌とした世界であるため、確証が得られません。そのため投資は自己責任でお願いしてしまうことをご容赦ください。