【日本ETF・1540】純金上場信託(現物国内保管型)の評価-金現物に交換可能なETF

コモディティ

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東証で購入可能な金ETFの中で一風変わった特徴を持つETFが純金上場信託(現物国内保管型)【1540】があり、愛称は金の果実と呼ばれる商品です。

このETFは金の果実シリーズと呼ばれる商品群の一つで、三菱UFJ信託銀行より発売されているものです。なおこのシリーズは4商品存在し、どれもコモデティに投資するETFとなっています。

なお金の果実シリーズは面白い特徴をもっており、それは4つのETF全てが現物に転換が可能というところです。しかし現物にするためには何百万以上という相当な金額でETFを買い付ける必要があり、消費税や各種手数料が存在します。

では以下より内容を記載していきます。なお、本記事の情報は2018年11月19日時点での情報となります。

基本情報

  • 信託報酬(税込み):0.5292%
  • 分配金:なし
  • 価格指標:東京商品取引所における金1グラムあたりの採用先物価格を、金のフォワードレートで現在価値に引き直した理論価格

金というコモデティへの投資のため、信託報酬はそこそこの値段で設定されています。もちろん他に信託報酬の安い商品はありますので、それぞれの特徴を考慮した上で選択すると良いでしょう。

他の金ETFとの信託報酬を比較

銘柄 コード 市場 信託報酬
純金上場信託 1540 日本 年0.45%(税抜き)
SPDRゴールド 1326 日本 年0.40%(税抜き)
SPDRゴールド・トラスト GLD 米国 年0.40%(税抜き)
iシェアーズ ゴールド・トラスト IAU 米国 年0.25%(税抜き)

信託報酬は税抜きでの表示となりますが、最安値ではiシェアーズ ゴールド・トラストとなります。

日本市場においては2商品がありますが、SPDRゴールドの方は信託報酬が安いですが、流動性が低いことが懸念点となるかもしれません。純金上場信託は信託報酬が一番高いという欠点は存在しますが、売買数が多く流動性の高さが利点となるでしょう。

そして日本市場または米国市場で取引するかによって、ドル転や買い付け手数料の問題が発生するため、買い付け額やスタンスなどに応じてETFを選択する必要があります。

転換(交換)の概要

購入した純金上場信託ETFを金に変えることを転換(交換)と呼びますが、これが中々特殊な構成をしており、また転換可能な証券会社も限られている状態です。

その転換については、大枠として以下の通り2種類あります。

  • 小口転換:一回の手続きで1kg~5kgまで(1kg単位)受け取ることが可能
  • 大口転換:30万口以上の口数を保有している日本居住の投資家

本記事は個人投資家にとってまだ現実的と言える、小口転換の方を記載して行きます。

小口転換可能な証券会社

まず小口転換可能な証券会社は以下の3つとなります。

  • カブドットコム証券
  • 三菱UFJモルガン・スタンレー証券
  • SBI証券

カブドットコムと三菱UFJモルガン・スタンレーは三菱UFJグループとなりますので、小口転換可能となる理由が頷けます。ですがSBI証券にて小口転換が出来るのはその手広さに驚嘆します。

なおその他の証券会社からも、上記3つの証券会社を経由して転換が可能となるところもあります。

小口転換に必要な口数(2018年11月16日時点)

1kg 2kg 3kg 4kg 5kg
1,038口 2,075口 3,113口 4,150口 5,188口

上記の基準は2018年11月16日時点での情報となりますので、市場の価格動向によってもちろん変化します。ですが一口の価格が4280で計算すると、ETFの買い付けのみで445万近く必要になるということです。

転換の手数料

以下の手数料と売却益によって算出されます。

  1. 消費税
  2. 転換取扱手数料
  3. 貴金属地金送料
  4. 改鋳費用
  5. 証券会社への支払手数料
  6. 1g未満端数売却金額

1~5は各種手数料となりますが、6は余ったグラムを売却益としてくれます。

なお5の証券会社への支払手数料については各証券会社によって異なり、無料の所もあれば、5250円など掛かるところもあります。

そしてざっくりとした費用を例として表すと、以下の様になります。

出典:三菱UFJ信託銀行

2017年4月28日付の数値を元に試算しており、現在の価格とはもちろん異なります。そして証券会社への手数料は含まれていません。

金そのものを購入した価格として消費税が掛かるため、それだけで8%計算で36万近くの消費税の負担が掛かります。そのため気軽に転換することは難しい金額となっています。

小口転換の流れ

個人投資家の視点で、かなりざっくりとした流れを示すと以下の通りとなります。

  1. 証券会社へ転換を申し込み、料金を支払う
  2. 三菱UFJ信託銀行側より宅配で届く

転換の申し込みが手間を取りますが、それが終われば金塊が自宅へ配送されます。

現物の金に変換可能な面白いETF。流動性も高い

現物の金へと転換するには手数料が掛かるため気軽には出来ませんが、そのような手法が存在する面白いETFです。

そのような利点もあるためか市場での板が厚く、売買も安心できるほど流動性の高さがあります。

信託報酬については最安値ではなく、米国ETFのIAUなどを購入した方が良い場合もあります。ですがドル転の手間と、米国ETFの買い付けに掛かる高い手数料との相談になるでしょう。

ですが純金上場信託(現物国内保管型)は東証で売買でき、SBI証券や楽天証券などのアクティブプラン等を活用して手数料を無くすこともできますし、それなりの利点のあるETFだと思います。なお私は金投資において、このETFを買い付けています。

終わりに

月並みではありますが、投資は政治・経済に大きく左右される先の見通しが極めて困難で混沌とした世界であるため、確証が得られません。そのため投資は自己責任でお願いしてしまうことをご容赦ください。

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