【日本ETF・1566】上場インデックスファンド新興国債券の評価-分配金利回りは6%近くですが・・・

2020年4月20日

今回のブログ記事は上場インデックスファンド新興国債券 (1566)を記載して行きます。

分配金利回り(配当利回り)としては6%付近と高いのですが、新興国債券特有のリスクを保有したETF商品となります。勿論この利回りの高さには非常に高いリスクが存在するため、注意する必要がある銘柄です。

では以下より内容を記載していきます。なお、本記事の情報は2018年10月29日時点での情報となります。

基本情報

対象インデックス ブルームバーグ・バークレイズ自国通貨建て
新興市場国債・10%国キャップ・インデックス
(円換算)
コード 1566
構成銘柄数 172
分配金利回り 6.2%
純資産 170億円
信託報酬 0.378%
実質負担 0.486%
分配頻度(権利月) 年6回(奇数月)

もともとの信託報酬は0.378%ですが、このETFが購入する投資信託が0.108%の信託報酬であるため、実質的な負担としては0.486%となります。

そして分配金利回りは約6.2%と非常に高く、これは新興国債券という高リスクを持つ商品を保有している事から、この高い利回りを確保しています。

純資産は170億円とそこそこに人気のある商品ということが伺えます。恐らくこの分配金利回りに魅力を感じて購入した方が多いのではないでしょうか。実は私もその中の一人です。

そしてこのETFは年に6回の分配金が支払われます。権利月が奇数月の1月、3月、5月、7月、9月、11月になるため、大体その翌月に口座に分配金が届くでしょう。

次に上位10ヵ国を確認しましょう。

銘柄 比率
ブラジル 10.20%
メキシコ 9.87%
韓国 9.75%
マレーシア 9.61%
タイ 8.56%
インドネシア 8.22%
ポーランド 7.16%
南アフリカ 6.40%
ロシア 4.31%
コロンビア 4.30%
その他 21.63%

現地通貨で7%の利回りを持つブラジル、6%のメキシコ、4%のマレーシアなど、高い利回りの新興国が並んでいます。

どれも貨幣の基盤が比較的に弱い新興国で固められていますので、ハイリスクな国で構成されている印象です。また分散性で考えると、10%以下で様々な国へと割り振られていることから、ここは問題ないと言えます。

最終利回りは高いが、デュレーションは高め

平均クーポン 5.96%
平均直接利回り 5.91%
平均最終利回り 5.96%
平均デュレーション 5.53年
平均残存期間 8.15年

上記の数値で一番注目すべきと考えている所は平均デュレーションかと考えます。5.53年と以外に長く、ここから平均最終利回りを参照して計算すると修正デュレーションは約5.2%となります。

要は保有している債券が全体的に金利が1%上がれば、単純計算で5.2%近くのETF価格が下落するという事になるため、これは昨今の金利事情を考慮すると相当な変動が生じるという事を意味します。

なぜなら米国金利が上昇している昨今では、信用の度合いが高い米国債の利回りが上昇して徐々に魅力的になることから、高いリスクを保有している新興国債券は魅力が乏しくなり、新興国から米国債への資金流出が発生します。

それを防ぐことを目的として新興国も金利を上げる必要があるため、結果としてこのETFも価格が下がる傾向に陥ります。以上により新興国国債としてはこのようなリスクにさらされている現状を把握しておく必要があるでしょう。

ただこのETF自体は様々な国の債券をミックスしたものになるため、修正デュレーションで推し量ることは困難であったります。なぜなら金利を上げる国もあれば、何もしない国もあるからです。

トータルリターンは利上げ傾向にあるため低い

配当込みのトータルリターンを見て行きましょう。データについてはmyINDEXより取得しており、2018年9月末時点でのデータとなります。

リターン(年率)
1年 3年 5年
-5.6 2 1.3

2018年は米国金利が3%を超えたことによりこのETFは大きく下落しました。そのためリターンが急激に下がったという現状があります。6%という分配金利回りを考慮すると、かなり難しいリターンとなっているのが現状です。

ちなみに10年リターンに換算するとプラス側に推移する数値になりますが、ただ分配金利回り6%に見合うものでは無い状態です。

総括-債券投資は難しい。その中で新興国は特に。

先進国国債は価格がマイルドになりやすいですが、新興国国債は信用が低いため投資が非常に難しいです。そして為替のリスクも背負ってしまうということも問題として挙げられ、また新興国は基本的に高インフレのため、貨幣価値が直ぐに薄くなります。

ただ直近の債券市場を考えると、先進・新興問わず国債全般の投資がリスクをそれなりに抱えていることから、結果として債券投資そのものがリスクの高い状態です。

なお新興国国債にETFで投資を試みるのであれば、他には野村証券より販売されている「新興国債券(為替ヘッジなし)ETF(2519)」が信託報酬と0.2052%と低い状態です。

こちらは2018年7月に販売を開始したものであり、もちろん組み入れられている新興国債券もかなり異なります。特にトルコ債券が11%となっているなど気になる構成となっているため、双方のリターンを長期で比較していく必要があります。

そして最後に、上場インデックスファンド新興国債券 (1566)は6%と非常に高い分配金利回りで、投資する上では購入しやすい商品ではありますが、新興国債券は高いリスクが存在します。基本的には投資をあまりお勧めしませんが、もしどうしても高い分配金が欲しいという観点で投資するのであれば、投資比率を0~数%と非常に低い比率で絞って、資金の投入をお勧めします。

終わりに

月並みではありますが、投資は政治・経済に大きく左右される先の見通しが極めて困難で混沌とした世界であるため、確証が得られません。そのため投資は自己責任でお願いしてしまうことをご容赦ください。