日本株の高配当銘柄を詰め合わせたETFにおいて、アセットマネジメントOne社がリリースしている商品のOne ETF高配当日本株【1494】を記載して行きます。(別名:One高配当)
以下より内容を記載していきます。なお、本記事の情報は2019年2月22日時点での情報となります。
基本情報
対象インデックス | S&P/JPX 配当貴族指数 |
コード | 1494 |
構成銘柄数 | 48 |
分配金利回り | 約2.17% |
純資産 | 108億円 |
信託報酬 | 0.3024% |
分配頻度(決算日) | 年2回(4、10) |
信託報酬は0.3024%とそこそこの額に設定されています。また純資産については108億円とそれなりに資金は流入しています。
分配金利回りについては高いという印象は無く、約2.17%と抑えられている状態です。この1年間はおおよそ2%台の前半を推移している状態です。
なお分配頻度は年2回であり、企業の決算が多く重なる3・9月を考慮して、One高配当は分配金の権利月を4月・10月に設定しています。
上位10銘柄
順位 | 銘柄 | 比率 |
1 | 奥村組 | 4.17% |
2 | JT | 3.55% |
3 | ローソン | 3.06% |
4 | 武田薬品工業 | 2.93% |
5 | 中国電力 | 2.92% |
6 | NTTドコモ | 2.64% |
7 | 東京海上HLDGS | 2.60% |
8 | りそなHLDGS | 2.54% |
9 | セブン銀行 | 2.34% |
10 | ソニーフィナンシャルHLDGS | 2.29% |
他の高配当ETFに無い特徴として、建設業の奥村組を1位の比率で組み入れている所が面白い部分です。またローソンを高い比率で組み入れているのも珍しく、この2銘柄については他の日本株高配当ETFには無い特徴です。
ちなみに奥村組も東京オリンピックの施工に関わっているため、オリンピック開催前より後の業績には注視する必要があります。
セクター構成
業種 | 比率 |
建設業 | 11.5% |
医薬品 | 10.9% |
情報・通信業 | 10.6% |
銀行業 | 10.4% |
小売業 | 9.1% |
電気・ガス業 | 8.1% |
化学 | 7.9% |
保険業 | 4.9% |
その他金融業 | 4.0% |
卸売業 | 3.6% |
その他 | 19.0% |
奥村組の比率の影響もあり建設業が首位となっていますが、全体的に平坦化されているイメージです。
上記のデータはOne高配当のマンスリーレポートから取得していますが、その他金融業という小さく分別されたものもあるため、米国のセクター形式で3位までを表すと、
- 1位:資本財=21%
- 2位:金融=19%
- 3位:一般消費財=14%
となっており、景気敏感株という意味でセクターとしては、攻めの強い構成となっています。
この指数の銘柄選択方針
このETFで使用する指数には、銘柄選択方針が以下の通りに示されています。
この指数は、東証株価指数(TOPIX)内において、10年以上にわたり毎年増配をしているか、または安定して配当を行っている最も配当利回りの高い企業のパフォーマンスを測定するように設計されています。
引用:S&P Dow Jones Indices S&P/JPX 配当貴族指数
上記の引用は要約する必要の無いくらい綺麗に纏められていますが、つまりTOPIXの銘柄で、10年以上と長く毎年増配をしているか、安定して配当を出している高い配当利回りの企業が算出されるという事になります。
一番の特徴としてはやはり10年以上の毎年増配という所になるでしょう。これは分配金利回りはともかくとして、配当が増加し続けている、つまり業績が成長している可能性が高い企業に投資するという視点が強いです。
つまりこの指数の所感としては、配当の安定性と、配当の成長を求める指数という印象があります。
そして配当の成長という思想がある以上、配当利回りが2%台と低めであることも頷けます。
分配金の推移
決算日 | 1口あたり 分配金額 |
2018年10月8日 | 213円 |
2018年04月8日 | 212円 |
企業の決算月に近いだけあって、分配金はの金額は10月のみ大きくなるという動きではなく、4月・10月という1年間では値が平坦化されています。
また他の高配当ETFで書いている真逆の事を記載しますと、分配金の頻度を下げれば、分配金の通知書に関わる管理・作成・郵送などのコスト削減にもなるため、少ない方が良い面もあります。
日本株特化型の高配当系ETFとはデータ無しのため比較不可
配当込みのトータルリターンを見て行きたいのですが、設定日が2017年5月22日と若く、1年リターンのデータがmyINDEXには無かったため、今回は無しとします。
ただ参考情報として、指数自体の10年リターンは年次11.91%となっており、日経平均も似たような値で推移している事から、アベノミクス相場に上手く乗る事が出来ていた印象があります。
総括
高配当ETFの中では分配金がさほど高くはありませんが、やはり注目するところは配当成長という部分だと考えます。
配当が成長する=企業の成長という事になりますから、そこに焦点を当てることは、基準価格の上昇と、将来の配当増加も目論むという事になります。
私としては、購入するにあたって十分に検討したい商品ではありますが、今後は信託報酬が他のETFに追随する低さに設定されれば、日本株高配当系のETFにおいて、おすすめしたいレベルになります。
ただ高配当系ETFは実績の浅いものが幾つかあり、One高配当もそれに該当します。One高配当が使用する指数自体は過去からのデータがありますが、このETF自体は若い商品であるため、かなりの長期で見る必要があるでしょう。
終わりに
他の高配当系ETFの記事もありますので、以下に一覧ページを貼り付けておきます。お時間のある時に閲覧して頂ければ幸いです。
また月並みではありますが、投資は政治・経済に大きく左右される先の見通しが極めて困難で混沌とした世界であるため、確証が得られません。そのため投資は自己責任でお願いしてしまうことをご容赦ください。