生存性バイアスを簡易に説明すると、生き残った物のみを見ることにより誤った判断を下してしまう、と言うものです。
これを投資の一部の世界に当てはめてみると、投資にて儲けた勝者のみに注目をしてしまい、その裏に潜む凄まじい数の敗者の存在を忘れてしまう、という状態が一つ挙げられる事でしょう。
そしてこの状況においては、勝者のみを見て投資は儲ける事が出来ると誤認知してしまうという点が難しい部分として挙げられてしまう事になりますが、この勝者のみを見るというのが非常に厄介で、投資の世界ではこの症状に掛かりやすい傾向にあると私は認識しています。
勝者からの情報発信が多くなる。こと投資ではそれが顕著に
今回の記事では「勝者」という単語を用いていますが、これは勝負事の世界で多く使用されるものです。そこで投資自体は勝負事に分類されるのかというと、当然ながら両方になり得ると思っています。つまり投資はギャンブルにもなるし、逆にギャンブルにならないという事です。
投資はお金のやり取りが絡む以上、必ず勝ち負けという概念が付きまといやすい性質を持ちます。これは個人の心情による部分もそうですが、またリテラシーの問題もあります。
そして勝者は生存するという特徴を持ち、逆に敗者は音少なく去ることが一般的だと考えます。これを例として私の行動原理に当てはめると、投資で大成功した場合は「高配当投資でトータル〇〇○万の資産を稼ぎました!」と書く事でしょう。
逆に大失敗をしてしまった場合は音もなくブログを閉鎖し、ネットの藻屑と消えてしまうことが想像できます。だって資産を一気に溶かすような大失敗したら、ブログなんて書ける精神的余裕はありませんから…
とはいえ、これはあくまで私の例ですが、一般的にこの様な事が起こっているのが現状だと思っています。
この通り成功したか・しないかで、情報を出すか・出さないかが決定されやすい事が非常に難点だということです。つまり生存する勝者からの情報が出やすい傾向にあるのが、この情報社会の投資界隈における傾向だと認識しています。
この世は勝者の方がピックアップされやすい
どうにも勝者がピックアップされやすい傾向があるのが世の常です。もしスポーツに当てはめるとすれば、輝かしい成績を上げている選手に注目が集まる傾向にあり、その選手の情報が新聞やネットで配信されるのが良くある話です。
例として、この選手が活躍した、この選手の成績が凄いなどの情報発信があります。ですが実際には生き残った勝者の裏に、凄まじい数の敗者がいるわけです。
つまり勝者に近い方々にどうにもフォーカスされやすく、その方々の情報発信が主体となります。ですがそもそもの心情としては、闇を見るよりは光を見る方が絶対的に気持ちいいワケですから、感情による根本的な問題もあります。
そして投資に当てはめて考えれば、投資に成功した本と、投資に失敗した本があった場合、手に取るのは成功した本になるでしょう。だって勝ちに直結しやすいノウハウが載っている可能性が高いのですから。
また実績や情報を持たない状態では、受け取る情報に惑わされやすい
自身のブログの欠点についてダイレクトに刺さる内容ではありますが、私は配当を受け取った旨の記事を月に一回出しており、これだけを見ると配当によって輝かしく資産が増加しているように見えるでしょう。
ですが含み損によって実際のところは可もなく不可もなくの状態であり、結局のところ大したリターンではありません。高配当株投資で上手く儲けているという訳では無いのです。
ただし投資においては、短期・中期・長期で見るか、この様なスタンスによって変わってくる話でもあるので、一概にリターンが低いですと言うことは出来ませんが、裏にはそういった事情があるという内容です。
ただこの様な背景については、同じ高配当株投資をしている方は察しが付く部分だと考えます。つまり高配当株投資をしているという実績を持っている方や、その情報を持っている方は高配当株投資のリターンについて考える部分も出てくることでしょう。
そのため私は実績をかなり重要視しているフシがあります。これは仕事の影響を受けている部分ではあるのですが、実際にどの様な投資をすれば、どの様な手順を踏む必要があり、どの様なリターンが、どの様な形でもたらされるのかという、このフローが理解できるからです。
そうすることによって投資それぞれの利点・欠点が分かるのですが、ただ一部の投資は実践が出来ていない事もあり、口を大きくすることは出来ない事情があることはナイショの話です。
ただこと投資においては、実際にやってみると変な手順・仕組み・経費があって、最終的には訳の分からない状態になるなんてザラです。
最後に
この通り、輝かしい情報が多く溢れている昨今では、その背景を注意する必要があります。その片方だけの方向性に偏った情報を集める事も重要ですが、その後ろにはどの様なリスクが存在しているか、という事です。
生存性バイアスという言葉を常に忘れないように、心に留めておくことが必要です。投資でも、それ以外でも。