米国は力強い政策や企業の能力によって、大きく経済的な成長を続けてきました。しかしその経済成長においては、大きな借金によって経済が成長した背景もあるし、それによって経済危機をもたらしたという事実があります。
その経済危機の一つとしては、有名なリーマンショックがあります。このリーマンショックの発端となったサブプライムローンについては、住宅の借金を証券化してデリバティブとして販売した、という過去があります。しかも格付けを最高にしてという背景もあります。
そして私が最も注目しているのは、プラザ合意に至った背景です。これも米国の借金体質によって自国の経済がボロボロになっていたという背景もあり、
プラザ合意とは、米国、イギリス、ドイツ、フランス、日本の5ヵ国によって行われた会議で、ドル高を是正するための合意をとるようなものでした。
この後、各国の協調介入によってドル高は是正され、日本円は対ドルレートが一気に円高となり、直近の高値から見ると250円→150円くらい変動するという、凄まじく極端な為替レートの変動が発生しました。
今や円のレートは更にその下へと行っており、これによって日本経済は大きなダメージを受けたという背景があるのですが、そもそものこのプラザ合意に至った背景の一つに、米国の借金体質によって経済がボロボロになっていたという事がありました。
この米国の借金体質によって各国は利益を享受したという背景もあり、これについては少しだけ口ごもる部分はあるのですが、しかし借金という一つの要因によってプラザ合意に至るまでの他国にの経済まで大きく影響を及ぼしたという事実があります。
実際は資金流入が過熱したという背景や、その他の要因もあって、このプラザ合意に至っては借金が完全悪ということではありませんが、米国というものは借金という要素によって経済的な危機を迎えてきたという事実が昔からあるのです。
そして昨今の米国を見ていると、相変わらず借金は増大している様に見受けられます。これは米国政府もそうですが、米国企業についても同様に言える事です。ここからは、もしかすると再び歴史は形を変えて繰り返しているのではないか、と思うように見受けられることもあって、ちょっと米国の投資については慎重になる必要があるのではないか、と思う所があるのです。
ただ日本政府の借金を見ると、人の事を言えたものではないこともあって難しい領域ではあるのですが、しかし歴史としてそういうのを繰り返している可能性があるという事実を見なければならない、ということを述べたいのが、本記事の要旨です。
再び危機が発生しても、そこから長期で先を見ると、とある時点では米国が再び隆盛するという歴史を繰り返す可能性もあるのですが、それは幾ら先の話なのか分かったものではない。
そして、今はNYダウ等の米国の状況に左右されやすい市場環境であるため、米国が落ちれば全ての国が落ちるという可能性もありますが、それがこの先も継続するということだって分からない。
このため米国一辺倒で全力投資というよりは、全世界に投資するくらいの分散が効いた商品を、ポートフォリオの一部に持つことも重要なのではないか、と考える所があります。
米国がとある時期に没落した場合、周りに米国へ投資しているなんて言えなくなってしまいそうですが、分散の利いた金融商品であれば、「米国入っているからちょっとリターンは低いんですよね」くらいは言えるのかなと想像しています。そんな状況が起こらない事を祈りますが、何が起こるか分からないのが市場というモンスターでもあるのですから、慎重に越したことはないでしょう。
こういった意味では、米国一辺倒で投資して大きなリターンを得るというのは、米国に全てを賭けるというリスクを負っているため、リターンを享受するのは、ある意味で当然なのかもしれません。