今回のブログ記事はバンガード・米国増配株式ETF(VIG)の私的評価を記載していきます。
早速内容を記載して行きますが、本記事の情報は2019年7月23日時点での情報となります。
基本情報
対象インデックス | NASDAQ USディビデンド・アチーバーズ・セレクト・インデックス |
構成銘柄数 | 184 |
分配金利回り | 1.61% |
経費率(信託報酬) | 0.06% |
分配頻度(基準月) | 3月、6月、9月、12月 |
投資対象 | 米国 |
分配金利回りはさほど高くないように設定されていますが、このETFは高配当ではなく連続増配株が主体となっていることが要因として挙げられます。また信託報酬はVanguardらしく十分安く設定されているため、流石と言えます。
VIGで使用するベンチマークの方針
- 10年以上連続して増配の実績を持つ米国普通株で構成されています。
- 増配の可能性が低い銘柄は除外されています
- REITは除外されています。
出典:バンガード・米国増配株式ETF(VIG)-Fact Sheet
つまり10年以上増配をしていて、かつ将来に渡って増配を続けることができると考えられるほどの、業績が良い企業を選出するという事です。
10年以上の増配は非常にハードルが高いですが、それをこなす程の企業が選出されるため、将来に渡って継続して利益を稼ぐことが可能な企業群で構築される形となるでしょう。
上位10銘柄
順位 | 保有銘柄 | 構成比 |
1 | マイクロソフト | 4.46% |
2 | ビザ | 4.37% |
3 | ウォルマート | 4.16% |
4 | プロクター・アンド・ギャンブル | 4.15% |
5 | ジョンソン&ジョンソン | 3.80% |
6 | コムキャスト | 3.53% |
7 | マクドナルド | 2.94% |
8 | アボットラボラトリー | 2.73% |
9 | メドトロニック | 2.42% |
10 | ユニオンパシフィック | 2.26% |
上位10銘柄はどれも巨大な企業群ですが、特に将来の企業利益の伸びが大きいと考えられる企業を狙って構成している様に見受けられます。
特にマイクロソフト、VISAは業績が右肩上がりに強く増加させているという背景があるため、配当金を出しながらもグロース気質を持つ銘柄でありますが、配当金自体も徐々に積み重ねている状態です。
このため連続増配という視点もそうですが、企業の業績がきちんと増加していることについて重要視されている面も見受けられます。
なお、銘柄については年に数銘柄と入れ替わることがあるため、もっと業績が良くて増配を長く続けている企業が出れば、そちらの銘柄が追加される可能性があります。
セクター比率
産業別構成 | 比率 |
資本財 | 26.9% |
消費者サービス | 20.1% |
ヘルスケア | 12.2% |
金融 | 11.8% |
消費財 | 10.7% |
テクノロジー | 8.6% |
公益 | 5.7% |
素材 | 3.9% |
電気通信 | 0.1% |
資本財が1位となっており、次に消費者サービスが続きます。
個人的な所感としては、経済成長が続いた事もあってこの両者が高くなってきたという印象があります。つまり経済成長と構造に変化が出た場合は、少し大きめに変わる可能性もあるのではないでしょうか。
トータルリターンはそこそこ高い
今までの実績を確認することを目的として、ベンチマークがS&P500のVOOとトータルリターン比較して確認していきましょう。なおデータは2019年6月末時点でのデータとなります。
ETF | 年率平均 | |||
1年 | 3年 | 5年 | 10年 | |
VIG | 15.67% | 13.71% | 10.42% | 13.66% |
VOO | 10.40% | 14.15% | 10.67% | 14.23% |
上記は年率でのリターンとなるため、3年以上の長期期間ではもちろんマイナスとなる年も含まれます。
1年はボラリティの高い期間を出しているため参考にはなりにくい部分ですが、VIGは3~10年では平均しても10%以上であり、リターンとしては高い部類に属します。
しかし結局のところ、VOOと大して変わらない印象です。1年という期間ではVIGが大きくリードしていますが、長期で見れば似たような推移であるため、現時点では甲乙つけがたいとも言えます。
しかしVIGはS&P500に近いリターンの実績があるということは、連続増配株というものの強さが伺えます。いや、正確には連続増配株かつ業績が成長している銘柄、と言った方が良いかもしれません。
総括
もちろん連続増配株という観点で投資をするには持ってこいのETFです。ただしその背景には成長を続ける株式で構成されているため、その点も良い部分ではあります。
ただしセクターが資本財と消費者サービスに偏っている点については、今後S&P500と比較して何らかの変化をもたらす可能性もあります。このため、VIGに極端に偏るようなポートフォリオより、分散を掛けた方が良いかなと思う所はあります。
ですが現時点では強い企業で構成され、かつ配当を出し、配当を増加させ続け、成長を続ける。この様な銘柄で構成されていくことになりますから、かなり面白いETFではあるかなと考えます。個人的にはポートフォリオ中に1~20%のレンジで欲しいと思う程です。
終わりに
投稿した全ての米国株・ETFの評価記事を以下に貼り付けておきますので、お時間がある時にご確認を頂ければ幸いです。
また月並みではありますが、投資は政治・経済に大きく左右される先の見通しが極めて困難で混沌とした世界であるため、確証が得られません。そのため投資は自己責任でお願いしてしまうことをご容赦ください。