投資信託のリスクとは、価格変動の幅という意味を持つ

解説

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株式投資でリスクという単語を聞くと、価格が下落して含み損に陥る状況を想像するのではないでしょうか。言葉を変えると、元本割れが生じる可能性があるという表現でも良いかもしれません。

そもそもですが、一般的に認識されているリスクという単語は、基本的に自身にマイナスの悪影響が生じる可能性がある、という認識だと私は思っています。でも、リスクについてはプラス側の影響についても含まれる、という考え方もある位であり、リスクという単語は非常に曖昧な表現を持つのです。

そんな広い意味合いを持つ「リスク」という単語ですが、今回は投資信託で表現されるリスクについての意味を記述していきます。

投資信託のリスクとは、価格変動の幅を示す

投資信託において、目論見書などにはリスクという表現が多用されることがありますが、これを結論から申し上げると、基本的には価格変動の幅を意味します。つまり、直接的に元本割れするという意味ではないのです。

例えば、とある投資信託にてリスクが以下の表現で示されていたとしましょう。

  • 表現1:-20%~+20%
  • 表現2:±20%

上記2つの表現については数値が同一の幅ではありますが、これはとある価格から、プラスにもマイナスにも変動する可能性がある、という事になります。つまり直接的にマイナスとなる可能性があると言っている訳ではなく、この範囲で動くかもしれないですよ、という変動幅を示す表現です。

これを価格の例として挙げると、10000円の投資信託を購入した場合は以下のどちらかの価格なる可能性があるという事です。なお、ここでは分かりやすくするため、口数と基準価格の関係や中央値などは無視します。

  • プラス側の場合:8000円(-20%)
  • マイナス側の場合:12000円(+20%)

上記は8000~12000円の間に推移する可能性がある、という事ですね。

「でもマイナスになっている以上はリスクがあるではないですか」と思う方が居るかもしれません。確かにマイナスとなる可能性があるわけですから、そう考えるのが通常だと思います。そこで表現を一次的、二次的というものに分けてみると、以下の通りになるのです。

  • 一次的表現:価格は±20%で推移する可能性がある
  • 二次的表現:価格が推移した結果、マイナスとなり含み損になる可能性がある

この通り、最初にどの意味を認識するかによって内容がかなり異なってしまうのが、リスクという単語の怖さです。これは価格変動の幅を示すリスクなのか、含み損となるリスクなのか、そのカテゴリがかなり細かく表現できてしまう、という事ですね。

ちなみに、投資信託の目論見書等にある「元本割れのリスクがあります」という表現であれば、マイナスとなりうる危険性があるというストレートな意味にもなるため、こちらの方が親切かもしれません。でも危険性を示す言葉であるので、商品を売る側の金融機関の方としては、製品の概要を示す文書である目論見書に使用頻度は小さくしたいのではないでしょうか。でも元本割れの可能性が無い商品なんてものはごく限られたものしかないため、この表現をどう捉えるかは見る側のリテラシに掛かってくる部分です。

リスクの表現は様々

そもそもですが、リスクという言葉は意味の範囲が凄まじく広いです。これは一般的に使用される場面が多く、使い勝手がよいものであるという事もありますが、他には大分類、小分類など、大きくも細かくも分けられることが出来るためです。

例えば分類などを全く考えずに以下に羅列してみると、どの様なリスクを指しているのかは何にでも受け取れてしまいます。

  • 個別株式はリスクが高い
  • 個別株式は価格が上昇するリスクが高い
  • 個別株式は価格が下落するリスクが高い
  • 個別株式は上場廃止となるリスクが高い
  • 個別株式は減配するリスクが高い
  • 個別株式は増配するリスクが高い

非常に使い勝手が良い言葉ですよね、リスクって。私もこの単語は良く使いますが、「そのリスクって何ですか?」と意味を問われた時に答えられないのであれば、リスクについて理解できていないことであるため、気を遣う言葉の一つです。

「リスク」という言葉の表現には、その裏に潜むつまり多くの意味を含んでしまうことが出来るため、日常でリスクという単語が出てきた場合に、それはどの様な意味を持つのか、常々考えなければなりません。

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