【REIT・3292】イオンリート投資法人の評価-モール主体に物件を保有!

2020年4月20日

今回のブログ記事は配当(分配金)の利回りは4~5%台で推移する、大型寄りのリートであるイオンリート投資法人を記載していきます。イオンは知名度も非常に高く、なじみ深いものだと思います。

では早速内容を記載していきますが、情報については2019年1月15日時点でのデータとなります。

■概要

イオングループをスポンサーとするJ-REITです。このリートの一番の特徴は、保有する物件がイオンに関するもので固められている所です。

物件としては主体をモールで固めており、次点でショッピングセンターとなっています。なお実際には物流施設なども存在していますが、その比率は少なく抑えられています。

また逐次イオン関係の物件を取得しており、そのポートフォリオを拡大させています。今後も公募増資などで新株を発行し、イオンショッピングセンターやモールなどの保有していくことでしょう。

ちなみにこのリートから見えるイメージとしては、イオンの物件を保有したらホールドするようなイメージが見えるかもしれませんが、実はイオンモール熊本を一度取得し、その後に含み損を抱えていたため売却するなど、2018年に少々驚きの動きをしました。

またマレーシアにもイオンモールを2件保有しており、J-REITで唯一、海外に物件を保有しているリートになります。

■イオンリート投資法人の状態

少しだけ各情報の補足すると、NOIに関しては賃料収入であり、これは収入から実際に発生した管理費や固定資産税などの経費のみを控除したものです。つまり、純利益率のようなものと考えて下さい。

NAV倍率は純資産価値に対する投資口価格(株価)の割安度であり、 株式のPBRに近いものです。
それでは基本的な情報を見て行きましょう。

項目 情報
投資口価格 126,700円
決算月 1月 / 7月
分配金利回り 4.73%
物件取得額合計 3,633億円
物件数 39棟
NAV倍率 0.94
NOI利回り 6.51%
有利子負債比率(LTV) 41.35%
含み損益率 6.54%
構成 商業施設主体型
格付 JCR:AA-
築年数 14.28年
前期平均稼働率 100%

分配金は4.73%であり、過去より4~5%の範囲で推移するリートです。

そして物件取得額は圧巻の3633億円で、大型リートに分類されます。ここまで大きい理由としては物件数の多さというのもありますが、保有する物件がショッピングセンターやモールになり、地方の安い物件であったとしてもその土地の広さで価値が高くなるためです。

そしてNAV倍率は0.94であり、投資口価格としては通常より少しだけ低い値で推移しています。

またNOI利回りは6.51%であり、初期の8%と比べると減少してしまいましたが、利益は問題なく出ている状態を維持しています。

含み損益率は6.54%と少し低めかもしれませんが、過去と比べて横ばいではあるが少しづつ上昇はしています。

そして有利子負債比率については41.35%となっており、負債コントロールは上手くされている状態です。

ちなみに築年数は右肩上がりで上昇しています。イオン自体がここ十数年で一気に建築されたという事もあり、その施設が並列して年数を重ねているという証拠でもあります。今後も基本的には右肩上がりで推移するでしょう。ここは現在は問題ありませんが、10年以上経過した際には懸念事項として挙げられる時代が来るでしょう。

なお稼働率は100%となっておりますが、これは当然ながら常にイオンなどの店舗は入ったまま営業しているため、この数値になっているのだと推測します。実際の所は撤退するテナントなどもありますので、僅かの誤差は出るでしょう。

■各決算データと地域別の分散状態

第8期
(2016年1月)
第9期
(2017年7月)
第10期
(2017年1月)
第11期
(2018年7月)
営業収益(百万円) 11974 14642 15780 16201
営業利益(百万円) 4671 5624 6276 6182
経常利益(百万円) 3958 4773 5389 5297
当期純利益(百万円) 3954 5306 5383 5254
純資産額(百万円) 143424 182334 198077 197947
総資産額(百万円) 278328 345017 362698 362753
自己資本比率(%) 51.5 52.8 54.6 54.6
1口当たり分配金(円) 3019 2926 3029 2956

基本的には右肩上がりの推移ですが、分配金などの一部の数値については公募増資などを行っているため、横ばいで推移しています。

少々気になるのが、営業収益が上がっている状態ではあるが、純利益に変動があるという事です。増改築やリニューアルの費用等があったためとは思いますが、今後はどの様にコントロールしていくのかを注視する所です。

上位物件

順位 物件名称 取得価格 比率 用途
1位 イオンモールKYOTO 215億円 6.01% 郊外型商業施設
2位 イオンレイクタウンmori 212億円 5.93% 郊外型商業施設
3位 イオンモール倉敷 179億円 5.01% 郊外型商業施設
4位 イオンモール伊丹昆陽 169億円 4.72% 郊外型商業施設
5位 イオンモール水戸内原 166億円 4.64% 郊外型商業施設

地域別

関東地区 35.3%
中部・近畿地区 36.4%
その他 28.3%

イオンリートで良い部分だと言われているところは、それは地域分散されているという事です。

ほぼモールという商業施設特化であるという事は事実ですが、ただ全国に分散して建設されているため、一極集中の被害が少ないことは事実です。

自然災害があった際に、テレビなどで「イオン〇○店では被害が~」と名前の出る時があります。これは様々な地域にイオンが出店されているため、結果として日本に自然災害が発生すると高確率でイオンが被害を受けることが多いという証になります。つまり良く言えば地域分散、悪く言えば災害で被害を受けやすい、という事です。

ちなみに面積最大のイオンモールは、イオンレイクタウンmoriとなります。厳密にはイオンレイクタウンkazeなども隣接して繋がっているため、それを合わせると広大な面積となります。

関東圏にお住いの方は、お暇があればイオンレイクタウンへ一度は足を運ぶのはいかがでしょうか。あまりの広さに脱帽するでしょう。ちなみに私はその広に困惑して道に迷いました。

■分配金利回りは平均的でも魅力はある。しかしイオンモールなどの動向に注意

インカムを主体とするならば投資するに至って問題ないリートだと考えていますが、その動向は注意しなければなりません。

まずモールという観点で見ると、他に強力で圧倒できる資本をもって、イオン以上に良いモールを全国各地に建てて、運営することの出来る企業が現状では少なく、また攻勢に出ていないと見ているからです。

ただこれは関東圏に住む私がイオンモール以外の資本が弱く、現状はモールとしてほぼ一強に近いと見ている観点がありますので、そこから離れた地域で見ている方となると、評価は変わると考えます。

そして今後は強力な資本を持った競合他社が潰しに掛かった場合、イオンモールの近くに巨大優良モールを立てるなど、リスクも存在します。これは通常のイオンショッピングセンターも同様です。

また前述の通り、イオン自体がこの十数年という短い年数で様々な地域に一気に建てたという事があり、今後はそれらの建築物が並列で経年劣化してきますので、10年以上の長期で見た場合に、景観や内装が耐えることが出来るのか、それを保守管理することが出来るのか、その点が注視しなければなりません。顧客はその部分に敏感です。

REITと言うのは不動産に属しますが、それは施設管理と維持も含まれます。つまり設備改装となるリノベーションなども該当するという事です。つまりREITが仕事を怠った場合、その設備がボロボロで放置されるということも当然あります。

私個人としてはイオンが好きなので、衰退して欲しくないREITの一つです。そのためイオンリート投資法人は、今後も継続して地域と顧客と共にあることを願うばかりです。

■終わりに

投稿した全てのJ-REIT評価記事を以下に貼り付けておきますので、お時間がある時にご確認を頂ければ幸いです。

・J-REIT 評価記事一覧

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Posted by mortinvs