今回のブログ記事はeMAXIS Slim先進国リートインデックスの私的評価を記載していきます。
では内容を記載して行きましょう。なお、本記事の情報の多くは2019年11月15日時点での情報となります。
eMAXIS Slim先進国リートインデックスの商品概要
対象指数 | S&P先進国REIT指数(除く日本、配当込み、円換算ベース) |
ファンド方式 | ファミリーファンド |
信託報酬 | 0.22% |
実質コスト | 不明 |
信託財産留保額 | なし |
投資信託の分配金 | 今のところ無し |
投資対象 | 先進国REIT |
組⼊銘柄数 | 308(推測) |
純資産 | 55百万円 |
指数としては、日本を除く先進国リートに投資可能な商品となっています。
純資産については55百万円とかなり小さいように見受けられますが、設定日が2019年10月31日とリリースされて間もない商品であるため、今後の増加を期待する必要があります。ただし楽天証券などでは購入できないなど、販路の狭さがあることから今後の展開を注視する必要があります。
信託報酬については最安値と言えます。そして設定されてから若い商品のため、実質コストは不明ですが、初年度については実質コストが少々高くなってしまう可能性も考えられます。
また補足情報として、同じ指数を使用するETFであるNEXT FOUNDS(2515)では分配金利回りが3%付近となっているため、この投資信託ではそれと同等か、または少し低い2%後半の分配金が再投資されることでしょう。
上位10ヵ国(参考値)
国 | 比率 |
アメリカ | 74.3% |
オーストラリア | 6.9% |
イギリス | 5.3% |
フランス | 4.4% |
シンガポール | 3.8% |
香港 | 2.3% |
カナダ | 1.9% |
ベルギー | 0.8% |
スペイン | 0.8% |
ニュージーランド | 0.4% |
月報等の資料がまだ出ていないため上記は参考値となります。
アメリカが70%台となっていることから、一国に対する依存度は非常に高いと言えます。分散性を考えるともう少しアメリカ以外の比率が欲しい所ですが、経済成長が強い国が優先されてしまうことはグローバル気質を持つ指数の特徴といえるため、致し方ない部分です。
上位10銘柄(参考値)
銘柄 | 国 | 比率 |
プロロジス | アメリカ | 4.0% |
エクイニクス | アメリカ | 3.5% |
サイモン・プロパティー・グループ | アメリカ | 3.4% |
ウェルタワー | アメリカ | 2.7% |
パブリック・ストーレッジ | アメリカ | 2.4% |
エクイティ・レジデンシャル | アメリカ | 2.3% |
アバロンベイ・コミュニティーズ | アメリカ | 2.2% |
デジタル・リアルティー・トラスト | アメリカ | 2.0% |
リアリティ・インカム | アメリカ | 1.9% |
ベンタス | アメリカ | 1.8% |
上記ついても月報等の資料がまだ出ていないため参考値となります。
グローバルに物流施設を展開するプロロジス、データセンタなどを手掛けるエクイニクス、モールなどの開発と運営を手掛けるサイモン・プロパティと続きますが、上位10銘柄としては全てアメリカで埋め尽くされている状態です。なお、過去には香港のリンク・リートなどが見受けられた時代もありました。
ただしこのインデックスを使用する他の金融商品については、組み入れ銘柄にバラつきが見受けられるため、eMAXIS Slim先進国リートインデックスについては順位の入れ替わる可能性があります。
インデックスのセクター比率
セクター | 比率 |
リテール | 20.8% |
住居 | 15.4% |
データセンタ等 | 14.7% |
オフィス | 12.4% |
工業 | 11.6% |
各種不動産 | 11.1% |
ヘルスケア | 10.4% |
ホテル&リゾート | 3.6% |
リテール系を主体としていますが、しかし全体的に分散されている印象です。リテールという事は商業施設などを多く含むことになりますが、住居が続いていることから、多少足元を固めて行くという所でしょうか。つまり、オフィス系などを高めてリスクを取っていく行くのではなく、分散して利益を目論むという印象があります。
リターン
この投資信託がベンチマークとするS&P 先進国REIT指数のリターンを見て行きましょう。なおデータについては2019年11月初頭のデータとなります。
指数 | 年率平均 | |||
1年 | 3年 | 5年 | 10年 | |
S&P 先進国REIT指数 (除く日本) (円換算) |
15.6% | 11.4% | 6.3% | 13.4% |
上記のデータは下落・上昇の年を平均した値になりますので、その点はご留意ください。
全体を通してリターンはそれなりに高いと言えるのではないかと考えます。しかし、他の同一インデックスを使用する投資信託等を見るとコストが掛かっているファンドが幾つか散見されるため、実際は1~2%くらい低い値となる可能性を見積もっても良いかもしれません。しかしコストについてはファンドの環境による部分がありますので、ここは腕が試される部分かもしれません。
総括
投資対象が米国主体となる欠点はありますが、幅広い国々のリートに投資可能であることは魅力的であり、また信託報酬も安く設定されていますので、良い方の商品と言えるのではないでしょうか。今後の展開に期待したい新規ファンドという認識です。
なお、このインデックスをポートフォリオに含むのも良いのではないかと考え、私はiDeCo口座にて同一インデックスを使用する「三井住友・DC外国リートインデックスファンド」を保有しています。しかしこちらは実質コストが0.5%付近と高いため、今後の展開が良ければeMAXIS Slim先進国リートインデックスに乗り換えたいとも思う位です。(でも私が買い付けているのはiDeCo口座であるため、乗り換えられないジレンマがあります)
しかし投資対象が海外REITであることから、為替リスクと不動産というリスクも付きまといますので、一辺倒に投資することは危険という認識があります。このため、多くてもポートフォリオの10~20%以下で保有する方が良いかもしれません。
■終わりに
全ての投資信託の評価記事を以下に貼り付けておきますので、お時間がある時に見て頂ければ幸いです。
そして月並みではありますが、投資は政治・経済に大きく左右される先の見通しが極めて困難で混沌とした世界であるため、確証が得られません。そのため投資は自己責任でお願いしてしまうことをご容赦ください。