今回のブログ記事は、一般消費財セレクト・セクターSPDRファンド(XLY)の私的評価を記載していきます。
早速内容を記載して行きますが、本記事の情報は2019年1月8日時点での情報となります。
概要
ステートストリート・グローバル・アドバイザーズ社(以下SSGA)より販売されている一般消費財セクター特化型ETFです。
一般消費財は小売業、ホテル、アパレル業、レジャー、自動車などを含むセクターであり、景気に左右されやすい側面を持っています。
そしてこのXLYを含む、各セレクト・セクター指数を9種類全て合わせると、S&P500指数の全銘柄が揃うという面白い構成をしています。そのためXLYはS&P500に含まれる企業群で構成されているという特徴があります。
なおXLYはアマゾンやマクドナルド、スターバックス、ナイキなど、日本人にもなじみ深い企業が揃っており、ことイメージの付きやすい企業に投資することが出来るのではないでしょうか。
基本情報
対象インデックス | 一般消費財セレクト・セクター指数 |
構成銘柄数 | 65 |
分配金利回り | 1.46% |
経費率(信託報酬) | 0.13% |
分配頻度(基準月) | 3月、6月、9月、12月 |
投資対象 | 米国 |
信託報酬は0.13%ではありますが、セクター特化系のETFとしては申し分ない低さと言えるでしょう。
分配金利回りは低く設定されています。この主要因としては、配当を出さないアマゾンを多い比率で保有している事が理由です。
そして構成銘柄は65と、SSGAのセレクトセクターのシリーズにおいては比較的に多い方と言えるでしょう。
上位10銘柄
順位 | 保有銘柄 | 構成比 |
1 | アマゾン | 22.99% |
2 | ホーム・デポ | 10.12% |
3 | マクドナルド | 7.09% |
4 | ナイキ | 4.90% |
5 | ブッキング・ホールディングス | 4.11% |
6 | スターバックス | 4.07% |
7 | ロウズ | 3.89% |
8 | TJX | 2.90% |
9 | ゼネラルモーター | 2.26% |
10 | ターゲット | 1.79% |
アマゾン、マクドナルド、ナイキ、スターバックスは日本人にもなじみ深いですよね。DIYに強いホーム・デポも日本に店舗は幾つかありますので、活用されている方も居るかと思います。
それ以外だと世界最大オンライン旅行会社のブッキング・ホールディングス、住宅リフォームや生活家電のロウズなど、近所にあればとても便利な企業で構成されています。
そしてアマゾンの比率を確認してみると脅威の22%となっており、かなり依存度の高いことが分かります。これはグロース株となったアマゾンの値上がりが異常であったことから、非常に高い比率になったと推測します。
産業比率
産業別構成 | 比率 |
インターネット販売・通信販売 | 29.19% |
専門小売り | 25.56% |
ホテル・レストラン・レジャー | 20.15% |
繊維・アパレル・贅沢品 | 8.18% |
複合小売り | 5.72% |
自動車 | 4.19% |
家庭用耐久財 | 3.48% |
自動車部品 | 1.49% |
販売 | 1.10% |
レジャー用品 | 0.67% |
各種消費者サービス | 0.27% |
インターネット販売が高いですが、これはアマゾンの影響が強いです。全体的に一般の消費者に対するサービスが多く見受けられます。
トータルリターンは高いが、アマゾンの貢献が強い
今までの実績を確認することを目的として、XLYと、S&P500とのトータルリターンを確認していきましょう。なおデータはmyINDEXより取得しており、2018年11月末時点でのデータとなります。
ETF | 年率平均 | |||
1年 | 3年 | 5年 | 10年 | |
XLY | 9.1% | 10.3% | 11.2% | 19.4% |
S&P500 | 6.3% | 12.2% | 11.1% | 14.3% |
上記のデータは下落も上昇も含まれる期間となりますので、実際はマイナスとなる年もあります。
また注意事項として、これは2018年12月25日付近の急落データ含まないため、実のところは特に1年リターンが低い状態です。
S&P500に至ってはマイナスとなっていますので、そのため1年リターンについては、上記の2つとも7%ほど引いて計算するのが正しい値に近づくと考えて下さい。(S&P 500の1年リターンは-0.7%など)
そしてまず3年を除いて、全体的にS&P500よりパフォーマンスが良い傾向にありますが、当然ながらアマゾンによる貢献が強い所はあります。
ただ比率の多いホーム・デポやマクドナルドなども好調であったため、そのリターンをけん引していたという事実もあります。
総括
その比率の高さも含め、良くも悪くもアマゾンが目立つセクターETFと言えます。
ターゲットやゼネラルモーターなど、上位10銘柄に業績の難しい企業も見受けられますが、優良企業が多いことは事実です。また分配金が少ないという事はありますが、これはアマゾンの値上がりを求める部分があるETFと考えましょう。
そして最後に、アマゾンを2割ほど保有しつつその将来性を期待し、併せて他の企業もパックして持つようなイメージのXLYですが、消費者の景気に過敏であるセクターとなりますので、保有する際はその点を含んだ上で、数を制御して保有すべきでしょう。
終わりに
投稿した全ての米国株・ETFの評価記事を以下に貼り付けておきますので、お時間がある時にご確認を頂ければ幸いです。
また月並みではありますが、投資は政治・経済に大きく左右される先の見通しが極めて困難で混沌とした世界であるため、確証が得られません。そのため投資は自己責任でお願いしてしまうことをご容赦ください。