最近は円安方向で推移しており、ドル建てで米国株を保有している私としては、このままずっと為替が安定してくれれば何よりと思っている毎日です。
しかし当然ながらそんなことは起こるわけもなく、いずれ必ず変化が起こるのが為替の世界。その際に生じるリスクも常に考えておかなければなりません。
しかし為替の変化は様々な要因が考えられるため、今回は米国金利の話だけピックアップして記載します。
金利の推移によっても為替リスクが生じる
米国債の10年金利において、2006年には5%というかなり高い利回りとなっていた時期がありました。ちなみに1982年には14%であり、今では考えられない利回りの高さです。
しかしリーマンショックによって米国は金利を下げる政策を取りました。それに伴い、2009年より米国の借金は中々の勢いで増加しています。
まずその米国政府の国債発行額の推移を確認していきましょう。
これは1年間の米国債発行額をグラフ化したものになります。
まず下の方にある黄色い線がリーマンショック時の2008年となります。その線を起点として上の方を見て行くと、グラフとグラフの間が離れている事が分かります。これは数年の間に発行額が急激に増加したためです。
この通り米国債は急激に増加した期間があり、少し落ち着いた時期もありますが、2018年は再び国債の発行額が増加傾向に陥っています。
そのため今も継続して財政状況は悪化している状態です。ただこれはGDPの増加によって国の税収が上がると緩和できる部分でもあります。
しかし税金の政策によって変わる部分でもあり、2017年に発動した法人税減税とレパトリ減税などによってその推移も変わってしまうことが、難しい状況を作り上げてはいます。
ただ今はその税金の政策は置くこととして、続いて米国のGDPと政府債務残高の推移を確認して行きましょう。
出典:世界のネタ帳様
当然ながらリーマンショックを起点とする2008年~2012年以降に急激に増加していることが分かります。
今の米国政府の政府総債務残高(GDP比)は2012年で頭打ちで推移してはいますが、GDP比で100%を推移している状態であり、これが上昇し続けると悠長に金利を上げることが出来ません。
少々構造は異なる部分がありますが、金利を上げにくい理由は「金利上昇=債券そのものを発行する際の価格が下がる」という事になるため、国債を出し続ける国は高い金利で推移させることが難しくなってしまいます。
そのため今後、米国も債券の発行状況が悪化すれば、過去の様に高い金利へと上げることは難しくなるでしょう。
そして「米国債金利が高い≒ドル高」という為替の図式が一つありますので、債券の状況を見ると今後はドル高が継続する可能性も、懐疑的に見ることも必要かもしれません。
米国の金利が下がると、その資金は日本円という選択肢もある
そもそもの米国金利が下がる条件は様々あると思いますが、一点挙げるとすれば米国の経済状況が悪化した時になります。
その状況に陥った場合、資金が向かう先の選択肢として日本円というものが存在しています。日本円は安全資産という側面を持つため、お金が集まりやすい傾向があります。
しかしこの日本円には、過去には利回りが良かった日本国債という変換先が存在していました。過去には日本国債だけ買っていれば銀行はそれなりに利益を上げれるというほどの時代がある位です。
このため日本国債の利回りは円高の要因の一つとして存在していましたが、しかし現在は利回りはかなり低いため、ここは過去の様に円高の引き金となりづらい部分になっているため、この部分は現在と少々異なる所です。
そのため過去と比較しても、現在の経済構造はかなり異なっている部分があります。ここまで引っ張っておいてアレですが、つまりドル高が安定して続く可能性もありますし、超絶円高となる可能性もあります。
要は為替リスクを考慮してアセットを組みましょうという事です
スタンスによってかなり変わってくる部分ではありますが、今日の内容で言いたいことを纏めると、為替リスクは様々な要因からが潜在しているが金利だけでもリスクが大きいため、常々アセットを組み分けて投資をしましょうと言いたいだけのお話でございます。
特に円高となった場合、ドル資産は日本円に変換する機会が失われて長期間と捕まってしまうことが考えられます。
例えば1000万で米国株100%の投資をしていた場合、為替によって800万となる可能性もあり、それが長期間に渡って継続することもあるでしょう。ましてや10~20年という期間か、又は死ぬまでに為替が元に戻らない可能性もあります。
そして日本で生活する上での前提として日本円が必要になることから、ドル建て資産の投資においては、必ずに円転することが最終的な目標の一つとなります。
つまり米国株などを長い間で保有する場合は、円高からドル高のサイクルを想像した上で、為替リスクによって長期、又は超長期を見越してドル資産などを保有する覚悟が必要という事です。