【米国株ETF・VDC】バンガード 米国生活必需品セクターETFの評価

2020年4月20日

今回のブログ記事は、ディフェンシブ系のETFという声が一部で存在する、バンガード 米国生活必需品セクターETF(VDC)を記載していきます。

ディフェンシブ系という名が付いてはいますが、良い所もあれば悪い所もあるETFであり、その点を踏まえて紹介していきます。なお、本記事の情報は2018年10月11日時点での情報となります。

概要

米国企業の中でも日用品、飲料、食品、小売業などの生活必需品系のセクターで構成されたETFであり、構成銘柄の中で有名な企業はP&Gやコカ・コーラ、そしてペプシコーラなどが挙げられます。

生活必需品は経済的に落ち込む時期があっても必ず買い付けるものです。洗剤なしでは洗濯が出来ないことをイメージして頂ければ分かりやすいと思います。コーラなどの飲料や食品に関しても同様とは言えるところはありますが、ただ経済的に苦しくなれば購入の頻度が下がることもあるのは事実です。

そのため生活必需品の銘柄は、暴落などの局面において値下がりが多少緩和されてきた実績があることから、ディフェンシブ株と呼ばれることもあります。ただ利上げ局面においてはリターンを含めた魅力が債券に劣ってしまうことから、期間によってはマイナスとなることがあります。

ちなみにS&P500に投資するVOOと、このVDCの純資産を評価すると、その差は100倍となっていることから、そこまで人気はないETFと言えるのかもしれません。

基本情報

対象インデックス MSCI USインベスタブル・マーケット・生活必需品25/50
構成銘柄数 92
分配金利回り 2.38%
経費率(信託報酬) 0.10%
分配頻度(基準月) 3月、6月、9月、12月
投資対象 米国

分配金利回りは2.38%とそこそこであり、直近での米国のインフレ率に近いことから、外貨は受け取れるという利点はありますがインフレによって実際の貨幣価値は薄いことを裏では考えておいた方が良いでしょう。

信託報酬は0.10%と低く、セクター特化系のETFとしては申し分ない低さと言えるでしょう。なおS&P500に投資可能なVOOの信託報酬は0.04%であるため、流石に超人気商品と比べると劣りますが十分な程です。

次に、このETFでは上位25銘柄を見て行きましょう。

順位 保有銘柄 シンボル 構成比
1 Procter & Gamble Co. PG 11.22%
2 Coca-Cola Co. KO 9.65%
3 PepsiCo Inc. PEP 8.46%
4 Walmart Inc. WMT 7.50%
5 Philip Morris International Inc. PM 6.38%
6 Costco Wholesale Corp. COST 4.57%
7 Altria Group Inc. MO 4.47%
8 Mondelez International Inc. MDLZ 3.65%
9 Walgreens Boots Alliance Inc. WBA 3.31%
10 Colgate-Palmolive Co. CL 3.10%
11 Kimberly-Clark Corp. KMB 2.30%
12 Sysco Corp. SYY 2.22%
13 Constellation Brands Inc. STZ 1.99%
14 Kraft Heinz Co. KHC 1.91%
15 Estee Lauder Cos. Inc. EL 1.78%
16 Archer-Daniels-Midland Co. ADM 1.67%
17 Kroger Co. KR 1.61%
18 General Mills Inc. GIS 1.52%
19 Monster Beverage Corp. MNST 1.37%
20 Tyson Foods Inc. TSN 1.08%
21 Kellogg Co. K 1.07%
22 Clorox Co. CLX 1.05%
23 Conagra Brands Inc. CAG 0.88%
24 Brown-Forman Corp. BF.B 0.87%
25 Hershey Co. HSY 0.86%

1位~6位の辺りは多くの方がご存知の企業が多いのではないでしょうか。日用品のP&G、清涼飲料のコカ・コーラ、日本ではペプシが有名なペプシコ、西友などでお馴染みのウォルマート、タバコのフィリップモリス、巨大倉庫で商品選べば大容量でコスパ良しのコストコなどです。

ただアメリカの企業詰め合わせというだけあって、日本では全く聞くことの無い企業から、普段からスーパーなどに並ぶ商品を意識して見なければ分からないものばかりです。

なお構成比率としてはP&Gなど上位の比率が高く固められており、大企業が多く占めているという、少々偏りのある状態です。

続いてセクター比率を確認していきましょう。

セクター 比率
家庭用品 19.7 %
清涼飲料 19.6 %
包装食品・肉 17.4 %
スーパーマーケット 12.2 %
タバコ 11.1 %
パーソナル用品 4.1 %
薬品小売 3.4 %
農産物 3.1 %
食品流通 3.1 %
蒸留酒・ワイン 2.9 %
食品小売 2.5 %
醸造 0.9 %

セクター比率としては当然ながら日用品で埋め尽くされており、製造業や工業などと比較すると、多少という表現が良いかもしれませんが消費の落ちづらいセクターで構成されています。

リターンはそこそこ大きい

出典:バンガード公式

上図は100万円をリーマンショックを含む10年間という長い期間で投資した際のリターンになりますが、10年後には250万近くとなっていることから150%のリターンとなるデータが存在します。

ただ世界市場が混沌を極めつつある現状があるため、数年間の内にはリターンが道中で大きく下がる可能性があると覚悟するくらいが良いでしょう。

なおリーマンショック時には最大マイナス32%近くの下落となっており、S&Pなどが47~50%近い下落となっていることを考えると多少なりにも下落は抑えられている部分はあります。ただやはりそれなりに下がるということは事実です。

トータルリターンはそこそこ高いが、S&P500と比べると・・・

今までの実績を確認することを目的として、セクターは違いますが同じく米国企業に投資可能なS&P500と、VDCのトータルリターンを確認していきましょう。なおデータはmyINDEXより取得しております。

ETF 年率平均
1年 3年 5年 10年
VDC 4.8% 7.6% 9.1% 10%
S&P500(VOO) 19.7% 16.1% 14.5% 10.9%

1~5年の期間では圧倒的にS&P500が勝っておりその強さが伺えます。これは以下の2つの要因が挙げられます。

  • リーマンショック後はS&P500の値上がりが激しかった
  • 米国債の金利上昇によって2018年の初期からVDCなどのディフェンシブセクターは下落した

このため、実際には1~9年のリターンが激しく差が付いている状態です。

ですが10年という長期になると急に収束する年率平均となっています。10年となるとリーマンショックを含む期間になりますが、この収束要因の多くは、リーマンショックでの下落においてS&P500が大きく下落しましたが、VDCはある程度緩和したことが挙げられます。

そして上記の通り、2018年の初期には米国債の金利上昇によってディフェンシブセクターは魅力が剥がれ落ち、その結果としてVDCの価格下落に繋がりましたが、その期間とリーマンショックとの2要因を統合しても、長期で見るとこの値に収束しているという事実があります。

要は基準点によってかなり差が出てしまう、不思議なETFということを書きたかっただけですので、心の片隅に留めて置いていつか思い出していただけますと幸いです。

総括

まず米国は金利上昇政策を取っているため、ディフェンシブセクターのVDCはしばらく逆境に立たされることと考えます。そのため保有するときは値下がりの圧力に耐えつつ進むことになるでしょう。

またS&P500とVDCにおいて、両者共にPERは20付近であることから高い値に推移していると言えるため、共に剥がれる危険性があるとも言えます。

ただ何かがあった際はある程度の下落に耐えた実績があるのは事実として存在します。ただ今後の厳しい市場展開ではどの様に推移するか、未知数ではあるでしょう。

以上により、購入する期間はそれなりに気を使う必要があると言えますが、もしこのETFが10年など長期間の間に下落し続けるようであれば、日用品や食べ物すら買えない世界経済の終焉に近い状態とも言えるでしょう。

私の来年におけるNISA口座での買い付けは、今の所このVDCを検討対象として入れている状態です。ただ来年までに相場も様変わりする可能性もありますので、適宜市場の流れを感じつつ考えたいと思います。

終わりに

投稿した全ての米国株・ETFの評価記事を以下に貼り付けておきますので、お時間がある時にご確認を頂ければ幸いです。

・米国株・ETF 評価記事一覧

また月並みではありますが、投資は政治・経済に大きく左右される先の見通しが極めて困難で混沌とした世界であるため、確証が得られません。そのため投資は自己責任でお願いしてしまうことをご容赦ください。