【日本株・4755】楽天の評価-営業利益は高いが今後のサービス展開を期待

日本株

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このブログ記事では株式における楽天の評価を記載していきます。楽天と言えば多くの方が楽天市場が思い浮かべると思いますが、他に様々なサービスを抱えている面白い企業です。

また株主優待もありますが、改悪が多いですが改善もあり、かつ保有する方の状況によって恩恵が限られる状態です。

そんな楽天の記事を記載していきますが、情報は2018年10月1日時点での情報となります。

概要-EC事業やフィンテックを主体とする企業

楽天市場などのEC事業やフィンテックを持つ企業であり、ネット関連の事業が多いですがその内容は非常に多岐に渡ります。

銀行の楽天銀行、証券の楽天証券、旅行サービスの楽天トラベル、電子書籍のcobo、保険、MVNOなど例を挙げるとキリがない位であり、そのため抱える事業はそれなりに多角化されているとも言えます。

そしてMVNOを脱却すべく、MNOとして通信事業者になることを目論んでおり、2019年には東京、名古屋、大阪と最初は地域を限定し、徐々に拡大させていく計画となっています。ここはその事業コストがかなり注目されていますが、今後の展開に左右されるため、かなりの要注意とする必要があります。

なお適宜M&Aを行っており、今まで様々な企業を買収してきました。直近では仮想通貨関連である、みんなのビットコイン社を買収しています。元々、楽天ブロックチェーン・ラボという研究機関を英国に設立して研究開発を行ってはいたのですが、買収により本格的に仮想通貨技術への参入の道を辿っています。

2014年にはViber Mediaというベラルーシに開発拠点をもつ会社を買収し、その企業が持つ通話サービスを楽天の名を付けてrakuten viberというものを展開しています。Lineに酷似しているアプリですが、その登録ID数はなんと1030百万。毎年100万近く増えており、利益としても上昇傾向となっています。なおviberはどちらかというと海外にユーザの多いサービスです。

その他同年の2014年には米国のEbatesというEC関連の企業を買収し、米国での展開を図りつつあります。

またスポーツにも多くの資金を投じており、楽天イーグルス、ヴィッセル神戸、バルセロナへのスポンサーとなりました。そして2018年にはイニエスタさんをヴィッセル神戸に迎えるという凄まじい判断を行うほど力を入れています。これらの多くは株価にマイナスの影響を与えたため株主的にはマイナスの評価が付きまといますが、どれも楽天の知名度が大きく上昇したことは事実でしょう。

また事業による利益の比率としては以下の通りとなり、インターネットサービスが大きく、フィンテック系は3分の1近くとなっています。フィンテックは利益の増加が緩やかであるため、今後もインターネットサービスが牽引していく事でしょう。




楽天の業績

※単位:100万円

決算期 売上高 営業利益 経常利益 純利益 営業
利益率
2015年12月 713555 94689 91987 44436 13.27%
2016年12月 781916 78512 74458 38429 10.04%
2017年12月 944474 149344 138082 110585 15.81%

楽天の営業利益率は高く、直近では10%以上をコンスタントに叩き出すくらいであるため、かなり利益を上手く上げている印象です。

2017年は前年度と比較して約160億円の売り上げが増加したため、その結果非常に高い営業利益率となりました。全体的な事業としては上手くいっているようですが、今後のMNOの事業展開では総務省発表の6000億円の設備投資を予定していることもありコスト圧迫が懸念されます。その額があれば全国に展開できるとの見通しが発表されていること、また実際はそれ以下となる可能性もあるとの試算もありますが、今後の展開を注意する必要があります。

次は財務やその他データです。

年間
配当
配当
性向
EPS ROE
2015年 4.5 13.9% 32.33円 8.20%
2016年 4.5 16.7% 26.65円 5.66%
2017年 4.5 5.6% 80.03円 16.22%
決算期 剰余金 有利子負債 有利子
負債倍率
自己資本
2015年12月 176834 649195 1.04 15.5%
2016年12月 210554 711104 1.49 14.8%
2017年12月 320397 1015781 1.63 11.0%

流動比率については、2017年12月の決算短信より関連するデータが非掲載となったため、記載しておりません。

会社の利益は上昇しているのですが、増配しないため年々と配当性向は非常に低くなっています。余剰金も増加していますが、それ以上に有利子負債も増加しているため財務は悪化しつつあるとも言えます。

ただ利益が上昇傾向であるため、ひたすら借金をして投資を行い、将来の利益に繋げるという点と勘案すると、ここは経営判断を信じる他ないでしょう。

続いて主要指標です。

PER PBR 配当利回り
12.75倍 1.72 0.52%

元々低い配当から増配していないため当然ながら配当利回りは非常に低く、配当を狙う銘柄ではありません。増配するよりひたすら投資を行って利益を増加させるのであれば、このままでも歓迎されると言えるかもしれません。

そして大型株で営業利益率が良いにも関わらずPERについては低いのが楽天です。直近での理由を挙げると、MNO参入コストが懸念されたこと、またイニエスタさんを年俸32.5億円の値段で引き抜いたため、それらの要因が重なって株価が下がり続けたことが原因です。

なおPBRについては、借金が多いことから数値としては高い状態です。




株主優待については利益が限定される

内容 保有株数
楽天市場 200円クーポン 4枚(800円相当) 100株以上
楽天トラベル 国内宿泊クーポン(2,000円相当)
楽天Kobo 対象期間中のコンテンツ購入に対しポイント3倍
抽選で株主限定楽天イーグルスグッズをプレゼント
抽選で株主限定ヴィッセル神戸グッズをプレゼント
ヴィッセル神戸主催公式戦観戦チケットを優待価格で提供
抽選で株主限定FCバルセロナグッズをプレゼント
抽選で株主限定ゴールデンステート・ウォリアーズグッズをプレゼント
楽天証券にて楽天株式を保有する株主限定
・楽天証券における楽天株式購入手数料30%ポイント還元
・マーケットスピード利用料1年間無料

上表では優待は沢山あるように見受けられますが、多くはスポーツ関連の内容となるため興味のない方にとっては利益が限られる形となっています。

多くの投資家に利点があるのは、楽天市場800円分クーポンと、楽天トラベル国内2000円分クーポンになると考えます。ただ楽天市場800円クーポンは1000円以上のお買い物に限定されることを念頭に置く必要があります。

一番下に記載のある楽天証券関連の優待に関しては、楽天証券の口座で楽天株を保有しているという前提です。1つめの内容は楽天株の株式購入手数料は30%であるため利益は限定されます。

2つめのはマーケットスピードの1年間利用料無料ですが、これは楽天証券で別の条件を満たしているとそもそも無料となるため、そこまで利益のあるものではありません。

例を数点あげるのであれば、信用取引口座、先物・オプション取引口座、楽天FX取引口座が開設されていたり、資産残高が30万円以上や、又はマネーブリッジ 自動入出金(スイープ)が設定されているなど、いづれかの条件を満たすという容易な条件となるため、クリアするのは簡単です。

以上により、株主優待はそこまで利益のあるものではありませんので、あくまでオマケとして考えておくと良いかもしれません。

楽天は今後の利益に不確定要素があるため長期の覚悟が必要

配当については期待が薄いため、今後はMNOの設備投資コストが注目されますので、2019年に開始予定である通信サービスを期待通り展開し、そして安定させることが出来るかが、直近では注目されています。その上でインターネットサービスの利益が向上することが楽天株の値上がりにおける目下の条件です。

一応フィンテックを所持していることからキャッシュレスに関連する銘柄でもあり、今後はクレジットカードの普及などで手数料の収益増加を期待したい所です。また楽天ペイの普及もかなり重要な案件であり、諸条件はありますが数%、又は数円の手数料による収益が期待できるものになります。ただ私の周りで楽天ペイを使用しているのは私しかおらず、知名度も低いことから普及されるかどうかが難しいところです。

M&Aも適宜行っているため、買収した企業のサービスを開始・品質向上・連携を期待するところですが、継続して上手く出来なければ利益を上げることも限定される可能性があります。

またスポーツ関連に定期的に投資も行っていることから、その際には株価の下落が予想されます。スポンサーになると比較的長い期間で資金の流出が起こるため、結果として長期で株価の上昇が抑制されます。

次にチャートを示しますが、スポーツ投資関連やMNO関連が重なり直近では下落が続いていた状態となっています。

以上の通り不確定要素が非常に強い銘柄であるため、未来の株価を読むことが非常に難しい銘柄の一つですが、株主利益の向上については長期を覚悟する銘柄であると個人的には考えています。




 

最後に

月並みではありますが、投資は政治・経済に大きく左右される先の見通しが極めて困難で混沌とした世界であるため、確証が得られません。そのため投資は自己責任でお願いしてしまうことをご容赦ください。

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