【日本株・3082】きちりホールディングスの評価-株主優待が年1回3000円近くの銘柄

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このブログ記事ではきちりホールディングスの評価を記載していきます。飲食店系の企業となりますが、100株を保有していれば12月に3000円の株主優待を貰うことの出来る銘柄です。

早速内容を記載していきますが、情報は2018年10月1日時点での情報となります。

概要-基本は飲食店だが、クラウドサービスも保有

きちりと言えば居酒屋のKICHIRIを思い出す方が多いと考えます。私が訪れた都内の店舗は非常にお洒落な雰囲気であったため、居酒屋というより別の表現が似合うという印象を受けました。

きちりホールディングスで保有する飲食店としては93店舗となっており、適宜数を増加させています。店舗の種類は複数あり、居酒屋だけでなく、いしがまやハンバーグという店舗や、他には1店舗しかない飲食店も多数存在します。

またきちりについては独自で構築したクラウドサービスを保有しており、その利益も存在します。サービスの対象としては物流、商流、労務事務、上場サポート、会計、人材採用、人材教育、ASPシステムとなっています。

飲食店をサポートすることが可能な店舗効率化支援モデルであり、導入店舗としては約400店舗とそれなりのサービス展開がされています。




きちりホールディングスの業績

※単位:100万円

決算期 売上高 営業利益 経常利益 純利益 営業
利益率
2016年6月 8031 423 424 256 5.26%
2017年6月 8845 318 317 170 3.59%
2018年6月 9241 358 355 147 3.87%

売上高は年々増加しているのですが、営業利益が年によって起伏がある状態です。また営業利益率は平均4%近くとは飲食店らしい利益率と言えますが、今後は5%を超える値に復帰して欲しい限りです。

また純利益については年々と減少傾向であり、少々不安を覚えるところがあります。

次は財務やその他データです。

年間
配当
配当
性向
EPS ROE
2016年 7.5 28.8% 25.70円 16.24%
2017年 7.5 44.9% 16.94円 9.96%
2018年 10 69.2% 14.45円 7.88%
決算期 剰余金 有利子負債 有利子
負債倍率
自己資本
比率
流動比率
2016年6月 1100 895 0.64 39.6% 84%
2017年6月 1197 1559 0.89 41.3% 144%
2018年6月 1268 1355 0.73 43.3% 131%

2018年の年間配当は記念配が含まれて10円としているため、2019年の配当は7.5が予想されています。配当性向が年々増加しているため、優待のことも考えると結構財政的には圧迫されているイメージでしょう。また純利益が年々減少している事からEPSが右肩下がりとなっています。

自己資本比率と流動比率は、飲食店の中ではそこまで悪くなく、またその他財務も致命的に悪いという印象ではありません。ただ利益がイマイチ出せていないことから、数値の一部が悪い状態になっている印象です。

また店舗の設備投資なども毎年行っている事から、その規模によっては2017年のように有利子負債が増加する年もあります。

続いて主要指標です。

PER PBR 配当利回り
35.4倍 4.47 0.90%

PERは非常に高めに推移していることから、株価は高すぎる状態です。これは株主優待がそれなりに優秀であるため、高値で推移していることと推測します。配当は当然ながら低い状態であるため、この株の目的は株主優待に依存しがちな所があります。

また株価は大体800付近で推移するきちり株ですが、もし優待が廃止されれば株価は200~300となる可能性があるとは考えています。なおPBRについては株価が高すぎるのことから、数値としては高い状態です。




株主優待は中々魅力的

所有株式数 内容
100 株以上~500 株未満 3,000 円分×1枚(12月のみ)
500株以上 3,000 円分×3枚(12月のみ)

なお権利確定月は12月のみであるため、100株保有すれば1年間で3000円の優待券がいただけるという事になります。6月は配当のみです。

100株持つだけで一人分の美味しいフルコースが食べられることになりますので、十分魅力的と言えます。きちりのPERが異常に高いのはこの優待を見れば理解できることでしょう。

なおつなぎ売りする際は、絶対に制度信用を使用することはオススメしません。なぜなら今までの実績では逆日歩が高確率で付くほどの人気優待の一つであり、かつその逆日歩が優待の何倍もの額となることが多いからです。

そのため、必ず逆日歩の付かない一般信用を使用しましょう。それが出来ない状態となった場合は、素直に優待を諦めた方が無難です。

基本は株主優待銘柄であり、値上がりはかなりナイーブ

居酒屋のKICHIRIだけでなく、様々な方向性の店舗を出店しつつ、その店舗に人気が出るなどの方向性が見えた際には、店舗数を増やしていくタイプの中々手堅い経営も行っています。

株主優待は中々良いので、12月に輝く風物詩のような銘柄ではありますが、今後は店舗数を増やしつつ利益を上乗せすることが出来れば、そこ方向性も変わるかもしれません。

チャートについては、12月の優待権利確定月に近づくにつれて値が上がり、それを跨ぐと値が下がり続ける形式であり、基本は12月を起点にして山を形成する傾向が強いです。

2018年6月に異常に値が上がっていますが、これは株主優待とは関係なく騙し上げをしている酷いチャートであるため、参考にならない値上がりです。

きちりホールディングスは売上高は上がっていますが、現状の利益を考えると優待廃止も視野に入れなければなりません。基本的には株主優待で値を維持している銘柄であるため、もし廃止となれば半値以下となる相当な値下がりの危険性があります。

そのため保有する場合は、覚悟と綿密な出口戦略を描く必要があると言えるでしょう。また現状は淡い希望に近いですが、何らかの要因で利益が上がった場合はそれなりの動きをする可能性もあります。




 

最後に

月並みではありますが、投資は政治・経済に大きく左右される先の見通しが極めて困難で混沌とした世界であるため、確証が得られません。そのため投資は自己責任でお願いしてしまうことをご容赦ください。

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