新興国ETFのiシェアーズ・コア MSCI エマージング・マーケット ETF【IEMG・1658】とVWOの比較評価

米国株

2018年6月26日の段階において、新興国から米国債券へ資金が流出しており、まだ米国の利上げが続くため資金の流出は続く可能性があります。資金は世界を還流すると言いますが、ただ金融緩和の終了も含めてどうなるか難しい所があります。

新興国の資金流出でさらに経済が悪化し、新興国の株価がさらに下落する可能性だって考えられますが、今のうちにVWO以外の新興国ETFについて把握することもまた面白いのでは無いかという個人的な考えから、本記事の作成としました。

もちろん新興国は投資するリスクが高いです。私は現在のところまだまだ新興国への投資はまともにしないと考えていますが、しかし見ておく分は位はタダです。

前置きが長くなりましたが、それではiシェアーズ・コア MSCI エマージング・マーケット ETF【IEMG・1658】の内容に移ります。IEMGは把握されている方も多いとは思いますが、参考程度に見て頂ければ幸いです。

※情報は2018年6月26日時点のものになります




 

■IEMGとは

様々な新興国に投資可能な米国にて販売されているETFであり、実は日本の東証でも1658として販売されています。なお1658はIEMGをただ買い付けるだけのファンドです。

IEMGはVWOと信託報酬や銘柄の組み合わせが多く被っていることから実質ライバルに近いですが、韓国が多く含まれていたり多少の違いがあります。

以上からVWOと比較して紹介することとしましょう。

 

■IEMGとVWOの違い

まず信託報酬などの基本の情報を見て行きましょう。

 

ティッカー インデックス 信託報酬 配当 5年トータル
リターン
保有銘柄数 純資産総額
(10億ドル)
IEMG MSCI エマージング・マーケッツIMI インデックス 0.14% 2.41% 4.95% 1920 $46.7
VWO FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックス 0.14% 2.60% 4.47% 4712 $60.9

信託報酬は同一であり、お互い合わせてきている事が伺えます。また純資産総額を見るとVWOの方が人気のあることが伺えますが、互いに人気のあるETFです。ちなみにS&P500 ETFでおなじみのVOOは上記の表と同一の10億ドル換算で$414.72となります。

トータルリターンについては5年表記としています。1年分で出した場合は去年の異常な上昇相場の価格が乗ってしまうため20%となるため、5年としています。なお10年とすると、IEMGは3.20%くらい、VWOは2.64%となるでしょう。

IEMGの情報はBlackRock公式から取得しておりますが、直近12ヶ月の分配金に関してはさほど差が無いように見受けられます。

また保有銘柄数については、適用するインデックスの関係から圧倒的にVWOの方が多めです。分散されているとも言えますが、分散しすぎとも言えるので、利点でも欠点でもあるでしょう。

次は比較チャートです

出典:Bloomberg

2017年からIEMGの方が多少パフォーマンスが良いように見受けられますが、およそで近いチャートを推移しています。

次は組み入れ上位10銘柄です。

順位 IEMG VWO
1 【4.7%】テンセント・ホールディングス(中国) 【5.1%】テンセント・ホールディングス(中国)
2 【3.8%】アリババ・グループ・ホールディング(中国) 【3.6%】台湾セミコンダクターズ(台湾)
3 【3.3%】SAMSUNG(韓国) 【2.5%】アリババ・グループ・ホールディング(中国)
4 【3.0%】台湾セミコンダクターズ(台湾) 【1.8%】ナスパーズ(南アフリカ)
5 【1.7%】ナスパーズ(南アフリカ) 【1.6%】中国建設銀行(中国)
6 【1.5%】中国建設銀行(中国) 【1.2%】中国工商銀行(中国)
7 【1.1%】百度(中国) 【1.0%】中国平安保険(中国)
8 【0.9%】チャイナモバイル(中国) 【0.9%】イタウ・ウニバンコ・ホールディング(ブラジル)
9 【0.8%】中国工商銀行(中国) 【0.8%】チャイナモバイル(中国)
10 【0.8%】中国平安保険(中国) 【0.8%】ロシア貯蓄銀行(ロシア)

比較して見ると大体似たような構成ではありますが、IEMGはSAMSUNGが3.3%と多めにランクインしています。

SAMSUNGはスマホや半導体を抱えており、勘定で考えて構成に加える分はある程度歓迎ではあるのですが、少し構成が多すぎではないかともとれます。

両ETFですが、テンセントやアリババが多めに入っている分、成長が期待できるグロース株があるという意味で好感はありますが、中国に多くを依存しているとも言えます。

ちなみに上記の表においてIEMG側に記載されていないウニバンコやロシア貯蓄銀行は、IEMGでもきちんと保有しています。その比率はウニバンコ0.55%、ロシア貯蓄銀行は0.61%ほどです。

 

そして次はセクター比率です。

順位 IEMG VWO
1 【27.04%】情報技術 【28.7%】金融
2 【21.1%】金融 【15.5%】情報技術
3 【10.56%】一般消費財・サービス 【11.0%】消費者サービス
4 【8.02%】素材 【10.7%】資本財
5 【6.60%】生活必需品 【8.9%】消費財
6 【6.40%】エネルギー 【7.3%】素材
7 【6.13%】資本財・サービス 【7.3%】石油・ガス
8 【3.88%】ヘルスケア 【4.4%】電気通信
9 【3.79%】電気通信 【3.1%】ヘルスケア
10 【3.61%】不動産 【3.1%】公益事業
11 【2.62%】公益事業
12 【0.27%】キャッシュ等

両ETFで名前が異なりますが、出典がBlackLockとVanguardの公式サイトから取得しているため、分類上の齟齬を避けるためそのまま載せております。

IEMGは情報技術が多めであり、かつ金融も少し多めに割り振っています。個人的に金融は少なめにして生活必需品などに割り振りが欲しいですが、それも良し悪しでしょう。

しかしVWOは金融が多めという点については少々驚きました。今まで情報技術が多めかと妄想していました。

 

続いては国の構成比率です。

順位 IEMG VWO
1 【31.1%】中国 【34.2%】中国
2 【15.0%】韓国 【14.5%】台湾
3 【12.6%】台湾 【10.6%】インド
4 【9.4%】インド 【8.3%】ブラジル
5 【6.0%】南アフリカ 【7.4%】南アフリカ
6 【5.6%】ブラジル 【3.9%】タイ
7 【3.0%】ロシア 【3.8%】ロシア
8 【2.7%】メキシコ 【3.3%】マレーシア
9 【2.4%】マレーシア 【3.2%】メキシコ
10 【2.3%】タイ 【2.2%】インドネシア

比較して特に印象が強いのが韓国の比率15%であり、多すぎるとの印象を受けます。個人的には出来れば8%以下に留めておいて他に割り振って欲しかったです。その理由からか、その他の国の配分が少なめとなっています。

そして中国についてはIEMGが3.1%ほど少ないですが、およそで似たような比率です。IEMGは多少分散しているとも言えますが、比率としては結局のところは両ETF共に成長は中国頼みになる部分があります。

 

両方ETFについては総合的に見て、情報技術、つまりハイテクに力を入れるかという点もありますが、多くは韓国(SAMSUNG)を入れるかどうかが分岐点になりそうです。多く保有しているSAMSUNGは大きな利益を上げており、東芝が絡む賛否のある部分ではありますがSSDなどの優秀な半導体技術を保有しています。そしてスマホやパッド商品、その他の技術も保有しており、また有機ELなどの様々な部品をAppleなどの大企業に提供している事もあって個人的にはアリかな、とも思っています。




 

■IEMGとVWO購入方法の比較

両ETFですが、下記の方法で購入が可能です。

ティッカー 購入時の国 販売形態 信託報酬 購入銘柄
IEMG 日本 ETF 0.23% 1658
米国 ETF 0.14% IEMG
VWO 日本 投資信託 0.2696% 楽天・新興国株式インデックスファンド
米国 ETF 0.14% VWO

日本から購入する場合、IEMGは東証で購入が可能という点では面白い所です。しかしVWOは楽天VWOの投資信託で購入するため、信託報酬に0.04%ほどの小さい違いはありますが配当金の課税を繰り延べに出来るという大きな利点があるため、円貨で保有するという意味だけに限ってはVWOに軍配が上がるでしょう。

 

■終わりに

両ETF共にそれぞれの魅力を兼ね備えている状態ですが、私はIEMGが楽天VWOの様に投資信託として販売していれば購入していた可能性が高いです。理由は優良ハイテク株が多くて金融比率が少ないところに魅力を感じるからです。ただハイテクが多い要因はSAMSUNGの仕業のような気もしますが…

今のところ楽天VWOを非常に少額でコツコツと購入をしていますが、特に配当などに大きな変化が出た場合はIEMGを多く購入するかもしれません。ただ現時点においては、まだ暫くは購入を考えないでしょう。

なお個人的には中国は先進国だと思っており、新興国と名が付くのであればもう少し別の国に比率が上がって欲しい部分もあるのですが、ここは素直に中国の恩恵を受けることが可能であると思うことにします。

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