VanguardのETFでただ単純にトータルリターンが良い商品は【2018年3月31日までのデータ】

米国株

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米国ETFでお馴染みのVanguardですが、トータルリターンはどの様な状態か、そして順位はどうなのかを知りたくなったため、データを集めました。

ETF購入はトータルリターンだけではなく、分散や市場の過熱状況などにも注目して購入することも非常に望ましいのですが、今回はトータルリターンだけを見ることとしましょう。

しかし一点、前置きで注意を促しておかなければならないことがあります。

それはETFのリリースした時期によって1~10年の期間が設定されており、その起点によってリターンが大、小と動きが付いて見えてしまう点です。後に顕著に分かるVDEというETFが出てくるのですが、それを例にとって示しましょう。

引用:google

この通り、2008年のリーマンショック前と、2009年のどちらかを起点に置いた場合においてリターンが異なって表示されます。

もし2009年を起点にした場合については、現在で配当を含めたリターンは20%以上となるでしょう。スパンや基準点を定めるということは非常に難しいのですが、この通りセクターなどによって大きな差が出てしまうことも念頭に置いてください。

それでは内容に移っていきたいと思います。情報は2018年3月31日時点でのものになります。またこの記事の構成としては「株式ETF」と「ETF債券」で説明を分割します。

■株式ETFの順位

ETFが発売された年によって5年間のデータや、10年間のデータが存在します。もちろん市場の荒波に揉まれた期間によってリターンが異なるため、単純に考えて長いデータが好ましいのですが、それも良し悪しです。

しかし今回は5年間、10年間のデータがあるETFと分けて、2パターンで表示していきましょう。

なお例として、「1年間」であれば2017年3月31日頃を起点として比較した、2018年3月31日時点でのリターンとなります。もちろん配当金込みのリターンです。

まず2008年より前に発売された、10年間の比較リターンが可能な商品を示しましょう。赤字の部分を見て頂くと良いでしょう。

順位 名称 ticker 1年間 5年間 10年間
1 米国情報技術セクター VGT 27.50% 20.10% 14.03%
2 米国一般消費財・サービス・セクター VCR 15.95% 14.83% 14.02%
3 米国ヘルスケア・セクター VHT 12.71% 14.55% 12.84%
4 米国スモールキャップ・グロース VBK 17.39% 11.44% 10.97%
5 米国グロース VUG 17.99% 14.31% 10.80%
6 スモールキャップ VB 11.82% 11.67% 10.72%
7 米国ミッドキャップ・バリュー VOE 9.54% 12.39% 10.63%
8 米国エクステンデッド・マーケット VXF 13.11% 11.86% 10.41%
9 米国スモールキャップ・バリュー VBR 7.36% 11.66% 10.28%
10 米国ミッドキャップ VO 12.33% 12.26% 10.14%
11 トータル・ストック・マーケット VTI 13.87% 13.02% 9.74%
12 米国生活必需品セクター VDC -0.91% 8.81% 9.71%
13 米国ラージキャップ VV 14.15% 13.19% 9.58%
14 米国メガキャップ MGC 14.49% 13.36% 9.45%
15 米国ミッドキャップ・グロース VOT 15.58% 11.82% 9.41%
16 米国資本財・サービス・セクター VIS 14.30% 13.71% 9.18%
17 米国高配当株式 VYM 9.46% 11.86% 9.12%
18 米国増配株式 VIG 14.56% 11.30% 9.02%
19 米国バリュー VTV 10.83% 12.21% 8.42%
20 米国公益事業セクター VPU 2.42% 9.34% 7.41%
21 米国通信サービス・セクター VOX -8.35% 6.12% 6.50%
22 米国素材セクター VAW 10.13% 9.91% 6.45%
23 米国金融セクター VFH 16.78% 14.93% 6.39%
24 FTSE・パシフィック VPL 18.70% 7.50% 4.59%
25 FTSE先進国市場(除く米国) VEA 15.96% 7.11% 3.14%
26 FTSE・オールワールド(除く米国) VEU 16.78% 6.33% 3.00%
27 FTSE・エマージング・マーケッツ VWO 20.95% 4.47% 2.62%
28 FTSE・ヨーロッパ VGK 16.19% 6.95% 2.53%
29 米国エネルギー・セクター VDE -1.43% -1.45% 0.67%

ハイテクブームということもあり、VGTが非常に大きいリターンを叩き出しています。そしてVCRも大きく出ていますが、amazonの影響もあるのかな…と思う所です。

そしてVDEが異常にリターンが低く見えますが、正直なところあまり納得はしていません。最初に説明した通りリーマンショックから立ち直れていないセクターとも言えるのですが、購入した期間によっては素晴らしいリターンがあったかもしれません。

そしてVHTは素晴らしいリターンです。12.84%は高いですね。

あとスモールキャップ、つまり小型株のVBK、VB、VBRが10%付近と堅調に推移しているようです。小型株効果というものなのでしょうか。今だとグロースで埋め尽くされるようなイメージがありましたが、小型株には強さがあるようです。

そして次は2010年付近に発売となった商品群で、5年間の比較リターンになります。

順位 名称 ticker 1年間 5年間
1 ラッセル1000グロース株 VONG 21.12% 15.39%
2 S&P500グロース VOOG 19.48% 15.20%
3 S&Pスモールキャップ600グロース VIOG 14.56% 14.13%
4 S&Pスモールキャップ600 VIOO 12.66% 13.46%
5 S&P500 VOO 13.94% 13.26%
6 ラッセル1000 VONE 13.85% 13.01%
7 ラッセル2000グロース株 VTWG 18.58% 12.92%
8 ラッセル3000 VTHR 13.65% 12.86%
9 S&Pスモールキャップ600バリュー VIOV 10.43% 12.52%
10 S&Pミッドキャップ400グロース IVOG 15.47% 12.43%
11 S&Pミッドキャップ400 IVOO 10.83% 11.82%
12 ラッセル2000 VTWO 11.83% 11.49%
13 S&Pミッドキャップ400バリュー IVOV 5.95% 10.82%
14 S&P500バリュー VOOV 7.55% 10.72%
15 ラッセル1000バリュー株 VONV 6.85% 10.63%
16 ラッセル2000バリュー株 VTWV 5.07% 9.82%
17 トータル・ワールド・ストック VT 15.33% 9.65%
18 FTSE・オールワールド(除く米国)スモールキャップ VSS 19.60% 7.78%
19 トータル・インターナショナル・ストック(除く米国) VXUS 17.03% 6.41%

10年モノと比較する際は、青文字の部分を比較すると、5年間を比較することが出来ます。

ラッセル1000関連のVONGは今まで名前しか把握していませんでしたが、15.39%と比較的に良いリターンを出しています。上記の2つの表を比較して、5年のリターン部分を見ると堅調な商品が中々あるようです。

ただ10年モノは全般的にリーマンショックを超えてきた猛者の商品群であるため、比較の難しい所もありそうです。

しかし言い方を変えて言うと、時代を重ねて良い商品の開発が進んだことにより、このような優秀なリターンを持つ商品群が出来上がったと言えるかもしれません。

ただ、ファンド純資産総額においては10億ドル換算で「VONG:$4.80」、「VOO:$414.72」となっております。その他のラッセル1000商品も似たような資産総額であるため、やはり有名なS&P500と比べると人気はあまり無いように見受けられます。

そして次は2つの表から、5年だけを評価して順位付けしたものです。作っておきながらこんな事を言うのもアレですが、これに関してはあまり参考にしない方が…良いかも…しれません…。

順位 名称 ticker 1年間 5年間
1 米国情報技術セクター VGT 27.50% 20.10%
2 ラッセル1000グロース株 VONG 21.12% 15.39%
3 S&P500グロース VOOG 19.48% 15.20%
4 米国金融セクター VFH 16.78% 14.93%
5 米国一般消費財・サービス・セクター VCR 15.95% 14.83%
6 米国ヘルスケア・セクター VHT 12.71% 14.55%
7 米国グロース VUG 17.99% 14.31%
8 S&Pスモールキャップ600グロース VIOG 14.56% 14.13%
9 S&Pスモールキャップ600 VIOO 12.66% 13.46%
10 S&P500 VOO 13.94% 13.26%

もともと分かっていた事ではあるのですが、この表だけでなく全ての表を見て思うのが、高配当系の株より、配当の少ないものや無配当グロース株が含まれるETFがリターンが大きいと感じる部分もあり、一部納得しつつも、配当好きな私としては複雑な気分です。

配当を出さずに新しい利益を求めて設備投資などを行い、未来の利益に繋げるという点においてはリターンは大きく望めることもあります。そして企業の成熟など様々な考え方があるでしょう。

■債券ETFの順位

債券ですが、発売した年がバラバラであるため全てを一斉に載せます。

そしてどの期間を参考にすべきか非常に迷いました。債券は金利や利回りの関係から単純に最長の期間が良いと結論を出すことは難しいです。ファンドで保有している債券によってばらつきも出るでしょう。

ここは大体期間を平均して5年とした部分のセルを赤字で示しますが、参考程度だと考えて下さい。

順位 名称 ticker 1年間 5年間 10年間
1 米ドル建て新興国政府債券ETF VWOB 2.89%
2 超長期米国債ETF EDV 6.21% 4.81% 7.46%
3 米国長期社債ETF VCLT 5.76% 4.79%
4 米国長期債券ETF BLV 4.83% 3.98% 6.71%
5 米国長期国債ETF VGLT 3.25% 3.11%
6 米国中期社債ETF VCIT 1.38% 2.79%
7 トータル・インターナショナル債券ETF(米ドルヘッジあり) BNDX 3.37%
8 米国中期債券ETF BIV 0.51% 1.76% 4.44%
9 米国トータル債券市場ETF BND 1.13% 1.73% 3.56%
10 米国モーゲージ担保証券ETF VMBS 0.64% 1.68%
11 米国短期社債ETF VCSH 0.69% 1.64%
12 米国短期債券ETF BSV 0.13% 0.85% 2.03%
13 米国中期国債ETF VGIT -0.37% 0.85%
14 米国短期国債ETF VGSH -0.05% 0.43%
15 米国短期インフレ連動債ETF VTIP 0.33% 0.06%

物価連動債であるVTIPにおけるリターンの低さにある意味ブレないなぁと感心します。1位の新興国債であるVWOBに関しては利回り高めに見えますが、リスクの高い新興国ですからリターンが高いのは当然でしょう。

しかし2位から5位における、米長期国債のEDV~VGLTに関してはリターンが悪くなくて驚きました。私としては国債はここまでポテンシャルが高いとは思いもよらず、という所です。

10年間で見るとEDVが7.46%と単純に高いリターンです。現状は利上げで債券価格が下がりやすい局面ではあるのですが、リセッションの局面に移るとそのリターンはどのようなポテンシャルを持っているのか、データを取っていく必要がありそうです。

EDVについてはリーマンショック時には瞬間的に100→150くらいの動きで推移したため、金融危機には大きく値が動くようです。とはいえその後は下落し続けるという特殊な動き方をしているため、別のリセッション時に同様の動きになるとは限りませんが、こう見ると債券を上手く制することが出来れば中々のリターンも得ることが可能かもしれません。

話題になった債券3倍レバレッジのTMFなども、きちんと個人で色々と調べる必要がありそうです。

■終わりに

今回はVanguardのETFのリターンを見るだけの内容でしたが、いづれisharesも纏めようかなと考えています。他にもspiderやwisdomtreeなど様々なものがありますが、こちらは調査する時間が取れればという所です。

最近は個人で資料を調べて纏めたり、テストしたりする事がいかに大事かという点が身に染みている次第です。今まで見てこなかった金融商品の特性が見えてくることだってあります。ですがそれを生かすことは私には難しそうです(笑

今後はもう少し様々な視点から商品を見ていきたいですが、それも今後の課題という所になりそうです。

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