積立NISAの多くは初年度でマイナスとなっていますが、売却するのはもったいない

投資信託

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株式市場は荒れに荒れて、つみたてNISAを始めた方々は含み損となっている方が非常に多い事と存じます。

本当に含み損は辛いです。証券口座を開くとマイナスの数字が目に焼き付き脳裏から離れません。マイナスの値を見続けてある程度慣れた私でもあまり見たくはないものです。

そのためマイナスとなっていると売却した方が良いのでは、と思う方々がいる事と思います。ですが初年度からの売却は本当にオススメできないのが積み立てNISAの特性という事を記事にしていきます。

市場は必ず荒れます。その一端が2018年に発生しています

市場の急落というものは必ず付きまとい、資産運用においては避ける事が絶対に出来ません。近年では市場が荒れるサイクルがおおよそ10年近くのスパンで起こるとも言われています。

また今から10年前の話になりますが、2008年にはリーマンショックが発生して-50%近くの下落が起こり、多くの投資家を絶望させました。

そこから10年経過していますが、その間に実際はギリシャショックやチャイナショックなどが発生していることから、株式市場というものは不定期に必ず嵐が起こるものです。

そして2018年に発生した急落は要因が複雑であり、目に見えるものでその内容を軽く挙げるとすれば、以下の通りとなります。

  • 2017年は米国の法人税減税などによって株価が上がり過ぎた
  • 米国の政策金利の上昇
  • 米国発端の貿易戦争によって様々な企業の利益が悪化しつつある

ほとんど米国が原因じゃないですかと思うくらいですが、それほど米国の動きは複雑となっており、その悪い流れが一気に2018年に来たということになります。ただし、それが2018年で終了したという訳ではなく、これからも厳しくなる可能性もあり、そうでない可能性もあるという事です。

つみたてNISAの商品は20年近くという超長期で保有することに意味がある

金融資産に資金を投じる以上、2018年の様にマイナスとなるリスクと言うものは必ず発生します。しかしそのリスクとは超長期にて保有することにより緩和していきます。

ただし、この緩和とは今までの実績からのデータを基にしているため、将来の利益を約束するものとも言い切れませんが、しかし過去の実績として存在しているのが重要な所です。

この点については金融庁から出された資料にもその点が明記されており、それは国内外の株式・債券に分散投資して20年という期間を保有することによって、その収益が収斂していくというものです。

出典:金融庁-つみたてNISAについて

左のグラフでは保有期間5年の収益を示していますが、ここではマイナス8%などもあり得るということが示されています。

変わって右のグラフは20年間の運用を行った後の収益を示したものですが、年率で2~8%に収斂したという実績があることが分かります。

これはマイナスとなる年もあればプラスとなる年もあり、その波を長期間と耐えることにより利益が出るということを示しています。つまり、このように初年度がマイナスになったからといって悲観するのではなく、20年近くの保有によって利益を出すことを目標とすべきなのです。

2018年はマイナスとなることが確定しており苦しさを感じるかもしれませんが、ここは含み損を耐えつつ、この資料の通り長期で保有することによって、将来の利益を考えることが大切です。

市場は急落したが、その間に黙々と積み立てて口数を稼ぐターン

非常に運が悪く2018年は市場が急落する年に当たってしまいましたが、逆にピンチはチャンスとも取れる事があります。それは口数を稼ぐという事に繋がるのです。

つみたてNISAは投資信託を購入する仕組みになり、その投資信託の価格が下がった場合は口数を多く稼ぐチャンスにもなり得ます。

口数とはその投資信託の保有単元に近いものになり、株式で言うと枚数と言えるかもしれません。つまりこの口数が多ければ多いほど、投資信託の基準価格が上がった際に多くの利益が見込めるという事です。

口数を多く稼ぐためには多くのお金を追加すれば取得できます。ですが投資信託の基準価格が下がった際に購入すれば、多くの口数を取得することが出来ます。

その例を以下に示して行きましょう。

  • 基準価格10000の場合:1万円で口数10000取得できる
  • 基準価格9000の場合:1万円追加で口数11111取得できる

上記の通り、基準価格が低ければ低いほど口数を多く稼ぐことが出来ます。

この口数の多さによって基準価格が上がれば多くの利益を得る事が出来ますので、将来の株式市場が復活した際にその利益が高くなるという事です。

そして2018年はマイナスとなってしまいましたが、今はこの通り口数を稼ぐターンと言える状態でもあります。辛いかもしれませんが、淡々と買い付けて今は力を付けて行きましょう。

ただ今回の急落からの復活については長引く可能性も視野に入れる

本来であればここで記事を切ることによって綺麗に終わることが出来るのですが、しかしあえて今後のリターンについて毒にも薬にもならない内容を記載して行きます。

米国にてETFを販売しているバンガード社という超有名な企業がありますが、その創設者であるジョン・C・ボーグル氏の著書に「インデックス投資は勝者のゲーム」というものがあります。

そこには今後10年間の米国株のリターンにおいて、今後は年率4%近くの利益しか出ないかもしれないという予測がありました。また似たような話もヴァンガード社のコラムから出ており、今後の利益についてはかなり低い値を見積もる必要があるかもしれません。

そして、この10年とは凄まじく長い期間です。その間はひたすら仕事をして、ひたすら積み立てて、大したプラスとならないか、又はマイナスとなる積み立てNISA口座を眺める可能性もあるということです。これは米国株が上がらないという事は世界的にも株式による利益が上がりづらいという事を示すためです。

しかし政治経済とは混沌とした世界であり、多くの識者が予想を立てながらも外すことが多いという、予測が非常に困難な世界です。そのため当たらないかもしれませんし、当たるかもしれません。

なぜこの様な事を書いたかと言うと、心構えが無い状態でもし今後10年間近く大したリターンを挙げられない状態になった場合に、精神的にかなり厳しい状態となるからです。

要はその認識をすることによって、おおよその予測を立てて覚悟を据えた上で、ひたすら長期で淡々と積み立てて、その嵐が過ぎ去った後の晴天に見える利益を目指し、20年の凄まじい長期の資産運用となるつみたてNISAという戦いの世界へと臨みましょう、ということです。

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