昨今の可処分所得の減少はスタグフレーションを彷彿とさせる

まずスタグフレーションについて軽く記述すると、物価が上がるが、景気が後退していく、その様な局面を指します。

アベノミクスによって企業の利益は増加し、雇用環境も良好となったのは事実でありますが、肝心な可処分所得(手取り)については減少傾向にあるというチグハグな調査結果も出ており、これが本当であればかなり困った状況となっていると言えます。

この状況を表現する言葉を選ぶのは難しいところがありますが、誇張しての表現となる事を覚悟の上で挙げるとすれば、緩やかな「スタグフレーション」が発生しているかもしれない、ということを考える必要があるのではないでしょうか。

アベノミクスから消費者物価指数は上昇している

リーマンショックの際には物価が下がりました。これは消費が落ちたこともそうですが、円高、原油安などの要因が重なったことも理由として挙げられます。その状況が数年続き、物価は上がらないという混沌とした状況が続きます。

そこから2012年12月になりアベノミクスが開始され、これによって株価は上昇、経済は復調となりましたが、もちろん物価についても復調傾向となっています。そして物価を表すのに、日本では「消費者物価指数」というものが総務省から毎月と算出されているのですが、波はありながらもこの値もプラスの値を続けています。しかしこれはアベノミクスだけではなく、世界的に経済が良い方向へと推移していたことも要因となっています。

そして、私も基本的には物価が上昇しているのではないかと実感している所はあります。つまりインフレしているのではないか、ということです。モノによって千差万別ではありますが、最近は小麦等の雑穀系の価格も上昇し、その他商品の値段も緩やかに上がっているようにも見受けられます。

ただし冒頭の通り、インフレが進行しているにも関わらず、可処分所得(手取り)は減少しており、この点が非常に懸念されつつある状態にある、という事です。

インフレの要因は様々ある

そもそもインフレについては様々な要因があるのですが、一つ目立ったものがあるとすれば原材料の価格上昇があります。例えば小麦などの食料系の原材料もありますが、現代の生産活動の根幹をなす原油についてはかなりの影響力を持っています。

また為替によってもインフレは起こりうるというのがまた厄介であり、これは円安によって起こりやすいという特徴もあります。これを例に挙げれば、米国からモノを購入する際にドル高であった場合、多くの円を支払う必要がある事を考えれば分かりやすいでしょう。

そして昨今の経済事情として、基軸通貨を持つ米国自体がインフレ傾向となっている事もあって、米国の物価が上昇を続けた場合は米国の製品の値が上がるため、日本についても影響が必ず出るというのは忘れてはならない所です。

スタグフレーションは懸念事項

スタグフレーションの発生を回避するには、日本が経済的に成長すること、これが絶対条件であるはずですが、可処分所得の減少という事実を鑑みると、これも上手く行っているか怪しいところではあります。

つまりスタグフレーションを視野に入れる必要が出てきた、と言いたいワケですが、昨今ではまだその議論が広く出ていないため、スタグフレーションとなっているかはまだ早計であるとも言えますので、慎重に考えておく必要がありそうです。

そして日本という我々の居住する国において、デフレ、インフレの進行については、極端な変動となっていない条件を付けた場合であれば、投資という一つの手段を持つ場合は多少なりのも対応は可能であるとも言えます。

またスタグフレーションについても、グローバルに展開する日本企業に投資するか、日本以外に投資することによって影響を緩和する手立てがある可能性がありますが、ただしスタグフレーションについては投資する元本が確保しにくくなることもあり、その点の対応は重くなる所があります。

そして、過去に日本がスタグフレーションに陥った時に、どの様な状況になり、どの様な政策を行ったのか、その点を過去の事例から引き出してくることも重要となりうるのではないでしょうか。


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