【REIT・8960】ユナイテッド・アーバン投資法人の評価-総合型では分散性に注力

今回のブログ記事はユナイテッド・アーバン投資法人を紹介していきます。

では早速内容を記載していきますが、情報については2019年4月3日時点でのデータとなります。

概要

総合商社の丸紅をスポンサーとする総合型Jリートです。また投資方針の一つとして、用途や投資地域、そして不動産の投資対象を広く選択可能とし、各種リスクの軽減を図りつつ中長期に渡って安定性を取ることを目指しています。

またポートフォリオ構成の中では投資地域に気を使っています。その内容をピックアップするとすれば以下の通りとなります。

  • 首都圏物件(東京都、神奈川県、千葉県など)のポートフォリオ全体に占める投資割合を50%以上
  • 全国の主要都市及びその周辺部における投資は、地域経済圏(東京などの地域を指します)のポートフォリオ全体に占める割合を1/3とする

つまり、なるべく投資地域が偏ることなく分散投資を試みるというものです。中長期で安定性を見るのであれば、分散は歓迎されるところでしょう。




各データから見るユナイテッド・アーバン投資法人の状態

少しだけ各情報の補足すると、NOIに関しては賃料収入であり、これは収入から実際に発生した管理費や固定資産税などの経費のみを控除したものです。つまり、純利益率のようなものと考えて下さい。

NAV倍率は純資産価値に対する投資口価格(株価)の割安度であり、 株式のPBRに近いものです。
それでは基本的な情報を見て行きましょう。

項目 情報
投資口価格 177300円
決算月 5月 / 11月
分配金利回り 3.92%
物件取得額合計 6270億円
物件数 120棟
NAV倍率 1.18
NOI利回り 5.61%
有利子負債比率(LTV) 39.52%
含み損益率 18.16%
構成 総合型
格付 JCR:AA
Moody’s:A3
築年数 23.70年
前期平均稼働率 99.1%

JCR・Moody’sの2社から格付を取得しており、かつ両方とも高い評価を取得しています。また高い格付けということもあり、日銀が購入している銘柄です。

物件取得額は6270億円という大型リートです。また物件数も120棟と多く保有しており、また含み損益率も18.16%とかなり高く、NOI利回りも5.61%と大型リートでは十分すぎる値です。

またNAV倍率は1.18と高めの推移となっており、投資口価格としては高い状態にある事が伺えます。

そして有利子負債比率については39.52%とさほど高くなく、ここ最近では低めにコントロールされている印象です。

築年数については23.70年と少しばかり高く、また右肩上がりの推移のため少々気になる所ですが、含み損益率が右肩上がりという事もあり、暫くは推移を見守るくらいが良いのではと考えます。

なお稼働率は99.1%と非常に良好です。




各決算データと地域別の分散状態

第28期
(2017年11月)
第29期
(2018年5月)
第30期
(2018年11月)
営業収益(百万円) 25926 29166 25733
営業利益(百万円) 12482 13089 12894
経常利益(百万円) 11320 11974 11789
当期純利益(百万円) 11319 11973 11788
自己資本比率(%) 53.2 54.7 54.7
1口当たり分配金(円) 3358 3530 3473

全体的には安定した利益を出しており、極端に大きな変動はない推移となっています。

ただし今後の分配金の予測としてはヨコヨコに近くなることから、右肩上がりでは無いことに注意が必要です。

取得額比率

事務所 31.1%
商業施設 28.5%
ホテル 22.2%
住居 7.3%
その他施設 5.9%
物流施設 4.9%

成長性の高い事務所を主体とはしていますが比率が極端に高いわけではなく、かなり抑えられている印象です。そして次に商業施設、ホテルとなっており、かなり分散してポートフォリオを構築しています。

上位物件

順位 物件名称 取得価格 比率 用途
1位 ヨドバシカメラマルチメディア吉祥寺 280億円 4.47% 都市型商業施設
2位 新大阪セントラルタワー 240億円 3.83% 事務所
3位 心斎橋OPA本館 228億円 3.64% 都市型商業施設
4位 新宿ワシントンホテル本館 211億円 3.37% ホテル
5位 ロワジールホテル&スパタワー那覇 200億円 3.19% ホテル

極端に尖った高い物件があるわけではなく、平均して高めの物件を保有している印象です。

なおヨドバシカメラマルチメディア吉祥寺は竣工が1974年であり、かなり古い建物です。ちなみにポートフォリオ上にある商業施設、事務所は築年数の高いものを何件か抱えていますが、住居に関しては新しい物件を多く保有しています。

地域別

東京 37.1%
関東地区 25.4%
中部・近畿地区 19.3%
その他 18.2%

東京の比率はそれなりに設定されていますが、これは多くが山手線の圏内に留めています。そして関東地区については山手線を中心として分散して保有しているイメージです。

何かと人口の集まる東京都付近を主体として物件を保有し、その他は大阪、福岡、名古屋、仙台、札幌と地域分散を行っています。

総括

総合型のリートでは上位に来るため、大型リートとしての安定感から長期保有での分配金を受け取るタイプという印象です。

物件の含み益としてはかなり高い印象ではありますが、ただし築年数はそこそこ高いことから、今後はそれとの整合性をどう取るかが10年付近での課題点としても見受けられますが、リノベーション等によって資産価値を高め、それが継続すれば妙味は継続する可能性があります。

また地域分散だけなく、ポートフォリオも分散の傾向が強いことが良い方向へと作用すれば申し分ありません。またホテル等を多く保有していること、および築年数の関係から高いNOI利回りを確保していけばなお良いでしょう。

またNAV倍率が高いことが気になりますが、これは物件の含み益が作用していることでしょう。高値であるようにも感じるため、今後の分配金利回りとの整合性が注視すべき点となりそうです。

終わりに

投稿した全てのJ-REIT評価記事を以下に貼り付けておきますので、お時間がある時にご確認を頂ければ幸いです。

・J-REIT 評価記事一覧

月並みはありますが、投資は政治・経済という不確定要素が伴うため、自己責任という表現になることをご容赦ください。


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