今回のブログ記事はiFree 8資産バランスの私的評価を記載していきます。
では内容を記載して行きましょう。なお、本記事の情報の多くは2019年3月12日時点での情報となります。
iFree 8資産バランスの商品概要
対象インデックス | 後述 |
ファンド方式 | ファミリーファンド |
信託報酬 | 0.2376% |
実質コスト | 0.343% |
投資信託の分配金 | 今のところなし |
投資対象 | 株式・リート・債券 |
構成銘柄 | 4671(内債券911) |
純資産 | 127億円 |
信託報酬と実質コストは十分に低いですが、最安値ではありません。eMAXIS Slimの方が少しばかり安い状態です。
なお投資対象は8資産と言うだけあって、以下の通り8つの資産に分けて保有するというコンセプトとなっています。
- 国内株式(株式):12.5%
- 先進国株式(株式):12.5%
- 新興国株式(株式):12.5%
- 国内債券(債券):12.5%
- 先進国債券(債券):12.5%
- 新興国債券(債券):12.5%
- 国内リート(リート):12.5%
- 先進国リート(リート):12.5%
この比率はとりあえず8つに均等で分割するというものであり、特に何らかの基準があって設けられた訳ではありません。この8つに分けられた事によってリバランス効果も期待できますが、逆に売買によるコストが高くなる可能性もあるのは事実です。
そして純資産については127億円と十分に高い方だと言えます。新興国部分や、リートの比率が大きくなるなど、その比率には問題を抱えている部分はあるのですが、それを踏まえた上でも8資産型は人気の高い商品だと言えます。
投資対象と使用インデックス
投資対象 | 使用インデックス | 比率 |
国内株式 | TOPIX | 12.5% |
先進国株式 | MSCIコクサイ・インデックス | 12.5% |
新興国株式 | FTSE RAFI エマージング | 12.5% |
国内債券 | NOMURA-BPI総合 | 12.5% |
先進国債券 | FTSE世界債券(除く日本) | 12.5% |
新興国債券 | JPモルガン・ガバメント・ボンド・インデックスーエマージング・マーケッツグローバル ダイバーシ ファンド | 12.5% |
国内リート | 東証リート指数 | 12.5% |
海外リート | S&P先進国REIT指数(除く日本) | 12.5% |
基本的には実績のある超有名な指数を用いており、指数は総合すると良いインデックスを選択しているように見受けられます。
あとはこれらの比率が上手く作用し、リバランスとの相乗効果がもたらされるかどうかに尽きますが、それはかなりの長期で見る必要があるでしょう。
上位10銘柄(株式)
順位 | 企業名 | 国 | 比率 |
1 | 中国建設銀行 | 中国 | 0.4% |
2 | トヨタ自動車 | 日本 | 0.4% |
3 | 台湾セミコンダクター | 台湾 | 0.3% |
4 | チャイナモバイル | 中国 | 0.3% |
5 | アップル | アメリカ | 0.3% |
6 | マイクロソフト | アメリカ | 0.3% |
7 | 中国工商銀行 | 中国 | 0.3% |
8 | ルクオイル | ロシア | 0.3% |
9 | ガスプロム | ロシア | 0.3% |
10 | アマゾン | アメリカ | 0.2% |
ここでは日本・先進国・新興国の3つを合わせた株式を表示しています。
上位10銘柄は新興国が目立ちますが、新興国は大型で安定した企業が少ないことから、結果として投資する銘柄が絞られるため致し方ない部分ではあります。
しかし比率としては、特定銘柄が特化することなく安定した比率となっています。
上位10銘柄(リート)
順位 | 企業名 | 国 | 比率 |
1 | 日本ビルファンド | 日本 | 0.9% |
2 | ジャパンリアルエステイト | 日本 | 0.9% |
3 | 野村不動産マスターF | 日本 | 0.6% |
4 | サイモン・プロパティ・グループ | アメリカ | 0.6% |
5 | 日本リテールファンド | 日本 | 0.6% |
6 | ユナイテッド・アーバン | 日本 | 0.5% |
7 | オリックス不動産投資法人 | 日本 | 0.5% |
8 | プロロジス | アメリカ | 0.5% |
9 | 日本プロロジスリート | 日本 | 0.4% |
10 | 大和ハウスリート | 日本 | 0.4% |
ここでは日本・先進国の2つを合わせたリートを表示しています。
とにかく大型の銘柄で構成され、安定性をとる印象です。ですが日本については東証リート指数ですので、大型に偏り安いというのは基本的な構成です。
なお先進国の方で使用する指数となる「S&P先進国REIT指数(除く日本)」は、アメリカの比率が70%近くと高めに設定されています。
リターン比較
この投資信託リターン等の情報を、ライバルとも言えるeMAXIS Slimバランス(8資産均等)と比較して見て行きましょう。なおデータは2019年2月28日時点での情報となります。
商品名 | 実質コスト | 年率平均 |
1年 | ||
iFree 8資産バランス | 0.343% | 2.9% |
eMAXIS Slim バランス(8資産均等) | 0.278% | 2.7% |
上記のデータは下落・上昇の年を平均した値になりますので、その点はご留意ください。
実質コストについてはeMAXIS Slimの方が十分に安く設定されていますが、リターンについては0.2%と僅かな差が出ています。
ですが、実はこの2つの商品は使用するインデックスに差がほとんどありません。使用する8つのインデックスのうち、新興国株式のみ異なる指数を使用しているだけです。
その他の7つのインデックスは同一であり、言ってしまうとほぼ同一に近い商品レベルであるため、どちらを購入しても指数での差が大きく出る可能性は低いと、私は認識しています。
総括
8資産の投資信託を保有するのであれば、検討に値する商品だとは考えています。ですがeMAXIS Slimバランス(8資産均等)と比較すると実質コストが負けているため、その点をどう見るかが争点となってきます。
長期で保有するのであれば、単純に考えて実質コストで差が出てしまうのは事実ですが、ただし別の視点で考えると、ファンド自体がどの様に変わっていくかも未知数であるため、断定は難しいとも言えます。またiFree8 資産バランスは信託報酬を下げることも随時行っいます。
そのため既にこのiFree8 資産バランスを保有している方などには、ゼッタイに乗り換えた方が良いとも言いきれず、そのまま保有していた方が良い可能性もあるのは事実だと思っています。
■終わりに
全ての投資信託の評価記事を以下に貼り付けておきますので、お時間がある時に見て頂ければ幸いです。
そして月並みではありますが、投資は政治・経済に大きく左右される先の見通しが極めて困難で混沌とした世界であるため、確証が得られません。そのため投資は自己責任でお願いしてしまうことをご容赦ください。