金融庁主導のもと、証券会社など様々な金融機関の苦労により、今や選択に悩むほどの口座を個人で開くことが可能です。
それは、NISA、つみたてNISA、ジュニアNISA、iDeCo、特定口座などを指しますが、税金の計算と納税を証券会社にて行って貰う事が出来る課税口座だけでなく、非課税口座という超強力なツールが次々と出てきたことは、日本人の投資そのものに革命をもたらしています。
しかしこれだけ素晴らしい口座が出てきたという環境においては、今後はそれらを考慮した上で投資を行う必要があるという事になります。
その口座における資産の置き場について考えるのが、アセット・ロケーションといい、今後は重要な立ち位置となってきます。
アセット・ロケーションとは
アセット・アロケーションという言葉は「聞いたことがある・知っている」方が多いものだと思いますが、それとは異なり一文字違いのアセット・ロケーションが本記事の内容です。つまり「ア」があるか無いかです。
このアセット・ロケーションとは直訳で「資産の置き場」を示すものであり、これは色々な考え方はあるのですが、解釈の一つとして口座等の種類によってアセット等の配分や置き方を考慮して最適なものを選ぶことが出来れば、リターン向上を期待できるというものです。
通常、株式は特定口座で保有するか、又はつみたてNISAなどの非課税口座にて保有するかの選択が存在します。このどちらかで保有することにより、売却時に課税が生じるか、生じないかが決定してしまいますが、こと長期運用においては課税によって致命的な差になりかねない事もあります。
つまりどこに資産を置くかによってリターンは変わってしまいます。そのためこのアセット・ロケーションが重要となってくるのです。
非課税口座には長期で運用する
アセット・ロケーションで重要となってくる部分は、つみたてNISAやiDeCoの長期決戦型となりやすい口座では、長期での保有を前提として、値上がりの期待できる国内・海外の株式などを保有するという事です。
つまりリスクをとってリターンを取り、その利益を非課税として受け取る方法を目論む趣旨になります。その口座が持つ特性を生かした上で資産を保有する事になります。
今までの実績を見るならば、株式だと様々な国々に分散して投資し、20年くらいの長期でじっくりと保有していればリターンはそれなりに出る可能性が高くなりますので、その特性を生かしてつみたてNISAにはそれ相応の資産を置く必要があります。
これは長期分散投資によってそのリスクを緩和しつつ、リターンを狙っていくが、長期で保有できる非課税口座では、それ相応の資産を置くということです。
例:口座によって置き場を変える
あくまで一例を出すとすれば、以下の通りが挙げられます。
- 特定口座:株主優待や株式売買益を狙う
- NISA口座:5年サイクルと短いため、ETFなどを保有する
- つみたてNISA(20年):全世界株式などで長期分散投資
- iDeCo(残り30年):全世界株式などで長期分散投資
場合によってはつみたてNISAやiDeCoなどは2~8均等のバランスファンドとしても良いかもしれません。また米国を信じるのであればNYダウやS&P500などを保有する方法もあります。
もちろん上記はざっくりとした例であるため解とは言えず、バランスファンドを混ぜる方が良い可能性も高いと考える部分などもありますが、この通り長期での口座はリスクを取るが、長期分散投資によってそのリスクを緩和しつつ、リターンを狙っていくが、長期で保有できる非課税口座ではそれ相応の資産をもつという方法です。
ただし、これは年齢によって変わる部分ではありますので、40~60歳にはまた別の解が用意されている場合もあります。例えば債券を主体とする場合や、又はiDeCoの元本保証型となる定期預金などが該当します。
ただこのように、口座の特性によって使い分けを行う事が重要です。特に非課税口座は使い方を間違えなければ強力なツールですので、アセット・ロケーションも考慮しつつ、投資に臨みましょう。
■終わりに
月並みはありますが、投資は政治・経済という不確定要素が伴うため、自己責任という表現になることをご容赦ください。