【REIT・8963】インヴィンシブル投資法人の評価-分配金利回りは高めで推移

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今回は配当(分配金)の利回りが6~7%と非常に高く推移するREITである、インヴィンシブル投資法人を紹介していきます。

では早速内容を記載していきますが、情報については2019年1月14日時点でのデータとなります。

■概要

メインスポンサーには外資系のフォートレス・インベストメント・グループとし、サブとしてソフトバンクグループ株式会社を持つ総合型のリートです。

カテゴリとしては総合型ではありますが、ポートフォリオの方針でコアをホテルおよび住居と定めており、それ以外は僅かの保有としています。

詳しい比率についてはホテルを約75%、住居は約22%となっていることから、ほぼホテルをメインとして構成されているリートです。

なお海外物件を保有することについて明言されていますが、暫くはホテルのみを取得する予定となっています。ちなみにこの記事を記載している時点ではケイマン諸島に2件のホテルを所有しています。

■各データから見るインヴィンシブル投資法人の状態

少しだけ各情報の補足すると、NOIに関しては賃料収入であり、これは収入から実際に発生した管理費や固定資産税などの経費のみを控除したものです。つまり、純利益率のようなものと考えて下さい。

NAV倍率は純資産価値に対する投資口価格(株価)の割安度であり、 株式のPBRに近いものです。
それでは基本的な情報を見て行きましょう。

項目 情報
投資口価格 46,900円
決算月 6月 / 12月
分配金利回り 6.95%
物件取得額合計 4483億円
物件数 129棟
NAV倍率 0.93
NOI利回り 5.80%
有利子負債比率(LTV) 50.58%
含み損益率 18.02%
構成 ホテル主体型
格付 JCR : A
築年数 20.6年
前期平均稼働率 98.5%

分配金は6.95%と非常に高く、インフラファンド並の推移をしています。ここ数年は高い数値で推移するリートです。

またJCRからAの格付を取得しており、それなりに信頼性を評価されてはいます。

そして物件取得額は4483億円で、大型のリートと言えます。物件数も129棟と多く、これは一部の大型物件をコアで保有し、他は小型の物件を多数持つという形態をとっています。

NAV倍率は0.93であり、投資口価格としては低めに推移しています。分配金利回りが高めとなる理由の一端です。そしてNOI利回りは5.80%となかなかの率です。

含み損益率は18.02%と高く、物件を上手く取得しています。

そして有利子負債比率については50%と高めであり、少々気になる所ではあります。築年数に関しては20.6年となっており、そこそこという印象です。

■各決算データと地域別の分散状態

第28期
(2017年6月)
第29期
(2017年12月)
第30期
(2018年6月)
営業収益(百万円) 9260 12647 13104
営業利益(百万円) 5344 8223 8433
経常利益(百万円) 4702 7303 7722
当期純利益(百万円) 4702 7303 7721
総資産額(百万円) 306421 371758 374512
純資産額(百万円) 139062 181320 181523
自己資本比率(%) 45.4 48.8 48.5
1口当たり分配金額(円) 1264 1564 1430

物件の取得を定期的に行っているため、右肩上がりの推移ではあります。分配金に関しては上昇はしていますが、波もあります。

自己資本についても増加傾向にあることから、今後もその推移を保って欲しい所です。

上位物件

順位 物件名称 取得価格 比率 用途
1位 ホテルマイステイズ五反田駅前 265億円 6.74% ホテル
2位 ロイヤルパークスタワー南千住 219億円 5.56% 住居
3位 ホテルエピナール那須 210億円 5.33% ホテル
4位 ホテルマイステイズプレミア赤坂 207億円 5.26% ホテル
5位 ホテルマイステイズプレミア札幌パーク 167億円 4.25% ホテル

地域別

東京 51.6%
関東地区 13.9%
中部・近畿地区 13.5%
その他 20.9%

地域としては東京を半分として、残りを他の地域に分散させている状態です。

ちなみに物件について述べると、旗艦物件は五反田駅前なので価格の高さは特筆すべきところはありませんが、ホテルエピナール那須に関してはなかなか凄い。

写真を見る限りでは周辺環境や設備が凄い!の一言に集約されてしまいますが、那須という地方で210億という取得価格を持つことを考えると、素晴らしいという一言になりそうです。

ちなみにロイヤルパークスタワー南千住は、公共施設に温泉を持つというタワーマンションです。この様な家に住んでみたいものですね。

■株主優待がある

このリートには株主優待があります。その条件は以下の通りです。

●投資口を10口以上で、6月、または12月の基準日に保有していること

  • シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル:宿泊10%割引
  • マイステイズブランド・ホテル:宿泊10%割引

10口であれば、およそ47万円近く用意することが出来れば株主優待を取得することが可能ではありますが、ホテル宿泊関係の優待となりますので宿泊回数によって利回りが決定すると考えた方が良いでしょう。

どちらかというと、株主優待を目的に取得するというよりは、オマケに近い視点で見るものとなりそうです。

■分配金利回りは高くて魅力的だが、推移に要注意

物件取得額が多く、物件の含み益も悪くなく、そしてここ数年は非常に分配金が高くなっており魅力的には見えるのですが、個人的に気になるところは、どうも築年数の右肩上がりであるという所です。

築年数の上昇を止めることはかなり難しいです。物件の取得数が多いという理由もありますが、グループ会社などの視点もあります。

築年数が12年程度であった頃には分配金利回りが3%台でしたが、そこから築年数の上昇と共に分配金利回りが上昇しています。ここはあくまで憶測の部分になりますが、投資口価格が下落を続けるという方向で、市場評価としており織り込まれてきたのではないかとも、個人的には見ています。

またホテル系となるためインバウンドの属性を持つことにもなります。これは円高や情勢などについても注意が必要になるという事ですが、その需要が増加している傾向を考えると、それなりに妙味はあるかもしれません。

ただ含み益が高く、その部分をどう生かすことが出来るのか、築年数などの観点を含めて、推移をかなり注目すべきリートだと思っています。

■終わりに

投稿した全てのJ-REIT評価記事を以下に貼り付けておきますので、お時間がある時にご確認を頂ければ幸いです。

・J-REIT 評価記事一覧

月並みはありますが、投資は政治・経済という不確定要素が伴うため、自己責任という表現になることをご容赦ください。

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