今回のブログ記事はセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドの私的評価を記載していきます。なお、本記事の情報は2018年10月3日での情報となります。
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンドの商品概要
対象インデックス | 複合型(9ファンド) |
ファンド形態 | ファンド・オブ・ファンズ |
信託報酬 | 0.62% |
実質コスト | 0.676% |
販売手数料 | ノーロード |
投資信託の分配金 | 今のところなし |
投資対象 | 全世界(株式50%・債券50%) |
純資産 | 1723.49億円 |
全世界に分散して株式と債券の比率を50%づつに分割して投資を行う商品で、バンガード社の9つのファンドに投資を行う形式です。あと少しややこしくなりますが、実質的にベンチマークとしては8つを用いています。これは9つのファンドうち、2つのファンドがS&P500を用いているためです。
純資産は圧巻の1723億円と凄まじい金額が積み上げられており、そのため償還の危険性は無いでしょう。2007年に販売を開始した古くから存在する投資信託であり、過去より非常に人気の高い商品です。
実質コストについては抑えられており、設定した信託報酬に近似するよう上手く調整されていることから流石セゾンと言えるでしょう。なおセゾン資産形成の達人にて運用部長・ポートフォリオマネージャを務めている瀬下哲雄さんが、この投資信託でも同一のポジションで運用に携わっています。
構成
構成は以下の通りとなっています。
出典:セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド 交付目論見書
まず株式になりますが、基本を先進国で固めて新興国は抑制して配分しています。そして債券は先進国のみで固めており、新興国は無しとなっています。
また株式も債券も米国が主体となっていますが、全体を投資て見ると比率としては申し分ありません。
続いて投資対象を確認しましょう。
投資対象 | 対象 |
米国(S&P500) | 株式 |
ベルギー、デンマーク、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、スペイン、スウェーデン、スイス、英国等 | 株式 |
日本株式(300銘柄近く) | 株式 |
日本を除くアジア太平洋地域の先進国(オーストラリア、香港、ニュージーランド、シンガポール等) | 株式 |
欧州・アジア・アフリカ・ラテンアメリカ地域の新興市場国およびロシア | 株式 |
米国債および米国政府機関債(米ドル建て・残存期間1年超) | 債券 |
ユーロ圏各国の発行する国債および政府機関債(ユーロ建て・残存期間1年超) | 債券 |
日本国政府および政府機関が発行する投資適格債券(円建て・残存期間1年超) | 債券 |
上表に示すの8つの投資対象ですが、それぞれがインデックスを使用していると考えて下さい。
そして私が面白いと考えるのが、米国にはS&P500で投資を行うという所です。米国部分を優秀で利回りが高いS&P500でリスクを取りつつ、その他の地域と債券で分散とバランスを取っていくスタイルです。
年率リターンは悪くない
継続して投資するにあたり、現在まで年率ではどのようなリターンとなっているのかを確認しましょう。なおデータについてはmyINDEXより取得しており、2018年8月末時点での情報となります。
年率平均 | |||
1年 | 3年 | 5年 | 10年 |
5.8 | 3.6 | 7.5 | 4.5 |
上記のデータは通年でプラスに見えますが、もちろんマイナスとなる年もあります。ただ長い年月を掛けて保有した場合はこのようなリターンとなった今までの実績がある、と言うイメージです。
バランスファンドであるため、市場が好調な昨今では株式100%のリターンには及びませんが、リーマンショックを含む10年の期間で見ると5%近くのリターンを得ることが出来ていることが強みと言えます。
なおセゾンバンガードは、リーマンショック時に最大で約33%の下落となっているため、それなりの値で下落することは事実ですが、多くの株式100%の投資信託は約50%の下落であることを比較すると、債券による下落耐性はそれなりに存在すると見て良いでしょう。
ただ世界が利上げフェーズとなる期間においては債券価格が下落するため、債券部分がリターンの足を引っ張るということを念頭に置く必要があります。
総括
セゾンバンガードは信託報酬がそこそことなってしまいますが、バランスファンドの中では債券と株式を世界に分散して50%と50%で保有する中では、非常に優れた商品であるファンドであるとのイメージを個人的に持っています。
またバランスファンドのリターンについて語ると、平均値をとる傾向が強いことからその点を留意しつつも、株式100%のようにリスク&リターンを取らずに平均値を取っていくことになるでしょう。
また債券を半分と含むことから、暴落が発生した際にはある程度の下落耐性を見込めることが強みです。暴落した際には市場が数年間と落ち込むことが予想されますが、リーマンショック時は4~5年近く値が回復しないという厳しすぎる期間でした。
そのような状況に備えて債券で防御力を高めつつも、株式で攻めて行くスタイルがこの2均等商品となるセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドとなります。
■終わりに
投稿した全ての投資信託の評価記事を以下に貼り付けておきますので、お時間がある時にご確認を頂ければ幸いです。
また月並みではありますが、投資は政治・経済に大きく左右される先の見通しが極めて困難で混沌とした世界であるため、確証が得られません。そのため投資は自己責任でお願いしてしまうことをご容赦ください。