国債と金利の考え方について簡易に説明する-3

国債

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利上げについて書いていきます。今回は表面金利が上がったという設定にて記述していきましょう。

 

■今回の本題、利上げによる影響

米国から利上げの発表がされました。すると古い米国債、新しい米国債の2つが出来上がります。表にしてみましょう。

 

区分 年数 表面金利
旧米国債 10年債 2.75%
新米国債 10年債 3.00%

どちらに魅力を感じるというと、当然3%の方となるでしょう。

もちろん国債市場でも最初は3%を好んで購入するため、逆に2.75%は売られます。このため、2.75%は売られて値段が下がります。

しかし、2.75%の国債の価格が下がることによる問題が発生します。それは価格が下がり過ぎたことにより、逆に魅力を持つことがあるのです。

その魅力について表にしていきましょう。ここでは国債市場で購入し、米国債を最後まで持ち続け、利金を受け続けて償還にて10000を受け取るという設定にします。

区分 年数 表面金利 残存期間 市場価格 年間計算の
利回り
旧米国債 10年債 2.75% 9年 9500 3.48%
新米国債 10年債 3.00% 10年 10000 3.00%

この通り年間計算の利回りにおいて、旧米国債の方が圧倒的に良くなってしまいます。これでは新米国債を購入するより、旧米国債を持つ方が圧倒的にオトクです。

これが価格が下がることによって「利回りが上がる」という事です。

今回の例は価格に凄く差をつけてみましたが、実際のところは国債市場によって調整されます。この状態では、旧米国債が買われて、価格が上昇して2つの利回りは似たような位置に調整されるでしょう。

 

ただし念のため再度記述しておくと、一貫して多くの場面で言えることは、利上げ局面において、表面金利の低い古い米国債は魅力が下がり、売られて価格が下がるという事です。

 

■利回りを示すイールドカーブ

国債市場には様々な残存期間や表面金利をもつ国債が流通しています。それは利上げ前に発行されたものを含め、旧と新が混在するカオスな市場です。

そのカオスな国債市場を全体的に見通し、国債の利回りを示す指数のようなものがイールドカーブです。

米国に例を示すとイールドカーブは年数ごとに設定されており、1年債のイールドカーブ、5年債、10年債と複数あり、これを見ることでおよその利回りが分かります。

もしこのイールドカーブ、つまり米国債の利回りが異常に上がるという事は、国債市場において異常に米国債が売却がされ、価格が下がって利回りが上がるということです。

要因としては、米国政府による利上げ、国債の大量発行、米国の財政不安などの国債の信用を落とすことなど、様々に考えられます。

逆に異常に下がるようであれば、国債市場において異常に米国債が購入がされ、価格が上がって、利回りが下がるということです。これは米国政府による利下げによる要因も一つとして考えられます。

■例として利上げによって債券ETFは価格が大きく変動する

米国ETFにおいて、AGG、BND、TMFなどの有名どころの債券ETFでは、米国の金利政策の利上げ発表よってETFの価格が減少することがあります。

AGGを例にすると、旧米国債の保有率が数十パーセントと多めであるため、前述の通り保有する旧米国債の価格が下がるためと、よい表面金利を持つ魅力的な別の米国債が出るためです。

■最後に

これで今回の国債に関する説明はこれで終わりとします。

長い、道中に必要な説明が出来ていない部分もあり、本当に書くという事は難しいと実感します。ですが、またいづれかの機会に国債について記述しようと考えています。

なお、米国債は各証券会社にて既発債という過去に発行された米国債を購入することが出来ます。また海外のサイトになりますが、米財務省から購入することが出来る「TresuaryDirect」というのもあります。

以上で終了とし、次回は今年の配当結果でも上げます!

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