国債と金利の考え方について簡易に説明する-2

前回:https://mortinvs.net/2018/05/31/tresure1/

前回は国債も売買によって価格が変動し、金利が影響するということを簡易的に説明しました。今回は国債の金利を複雑化させている要因の一つである、残存期間にスポットを当てて説明していきましょう。

説明するにあたり通常の米国債を例にして記載していきますが、米国債は「利付債・ゼロクーポン債」と様々な種類があり、今回は株と同様に毎年「配当」を受け取れる特性を持つ利付債で、かつ10年債のみを登場人物として出します。

また、国債関係で利用されている単語をここでは使用しますが、株式でよく使用する以下の単語に当てはめると分かりやすいかもしれませんので、面倒ですがお付き合いいただければ幸いです。

  • 配当 → 利金
  • 表面金利 → 配当利回り

注意:これから利金金利金利利金利金金利とでますので、ご注意ください。

■残存期間とは

ここで説明する10年債とは、10年間、毎年の数%の利金を受けることが出来ますが、10年後に償還という強制利確を強いられるという商品です。なお償還金については価格が固定されております。

もし購入した10年債が5年経過すると、償還まで残りあと5年となります。この5年を残存期間といい、これが国債の利回りを複雑にしている一つの要因となります。

 

■10年債を購入し、償還まで保有する例

まず前の記事に書いた表に情報を付け加えて、「10年債を購入したが、残存期間が1年である」という設定にして下表に示していきましょう。

購入時の設定
国債区分 償還金 購入価格 残存期間 表面金利
10年債 10000 9500 1年 2.75%

償還金については「額面価格」ということもありますが、この際は償還金で統一します。

また利金については、償還金から表面金利を掛けたものにになります。つまりこの例では償還金が10000で、表面金利が2.75%のため、1年で利金を275受け取ることが出来ます。

ではこの国債を5年後に償還した場合の例を以下に示しましょう。安い値段で購入しているので利益は以下のようになります。なお償還金とは、ここではあと5年後に強制利確されて10000受け取れますよ、という金額です。

売却時の利益
利確方法 受け取り
利金
購入価格と償還の差益 利益 利益率 年間の
利回り
5年保持で償還 1357 500 1857 19.54% 3.75%

上記の通り、購入価格が9500のため、償還で10000を得て利益は500。
そして利金で1357を受け取っているため、合計1857の利益となります。

また「年間計算の利回り」は1857という利益は、つまり1年間で計算すると約3.75%儲けることが出来ていますよ、という意味になります。

と、数字をつらつらと書き連ねましたが、要は株と同様に長期で配当を受け取って、時期が来たら固定価格で利確されて、今回の例では利益を得られるという事です。

 

■残存期間によって最終的な利益が変わってしまう

前述の通り、これが厄介となる要因の一つです。さっきの表は残存期間が5年でしたが、これを1年にするとトータルリターンがこのように変わります。

売却時の利益
利確方法 受け取り
利金
売却利益 利益 利益率 年間の
利回り
1年保持で
償還
275 500 750 8.16% 8.16%

上記の通り、購入価格が9500のため、償還で10000を得て利益は500。
そして1年保持で利金を275を受け取っているため、合計750の利益となります。

当然ですが、この通り残存期間によってリターンが変わってしまいます。

株式であれば価格が激しく変動するため、配当を受け取ったとしても最終的に売却すると利益はマイナスの可能性だってあります。ですが、多くの国債は最後まで持っていると戻ってくるお金が固定であるものが多いです。

それに加え、償還まで待たずに途中で売却すると株式のように市場での売却となるため、市場での価格によって売却益が決まります。

このように売却するタイミングによっても変わるため、様々な要因が加わることにより、株式と比較してややこしいこと極まりないのです。

ましてや国債にはゼロクーポン債などの、最初は安値で売っていて、償還時はお金が付いて帰ってくるなどそんな債券だってあります。ましてやSTRIP債というものだって…

 

■残存期間を含む価格は債券市場により決定される

今までの例では分かりやすくするため、戻ってくるお金が固定である償還のみを紹介しましたが、償還を待たずに途中売却をすると、実際は当然ながら債券市場の意向によって残存期間と表面金利ごとに安くなったり高くなったりと価格は収束しています。

また、何故ここで残存期間について説明したかと言いますと、この次の回に説明する、我々がよく耳にする「利上げ」による影響と、それと残存期間を考慮した利回りの計算に関連するからです。

そう、利上げによってこれらの局面は混沌を迎えます。

 

結局今回で終わらせることが出来ませんでした。長くなったため、分割して次を上げました!

 

次 → https://mortinvs.net/2018/06/02/tresuary3/ 


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