今回のブログ記事は三井住友・DC外国リートインデックスファンドの私的評価を記載していきます。
では内容を記載して行きましょう。なお、本記事の情報の多くは2019年2月24日時点での情報となります。
三井住友・DC外国リートインデックスファンドの商品概要
対象指数 | S&P先進国REIT指数(除く日本、配当込み、円換算ベース) |
ファンド方式 | ファミリーファンド |
信託報酬 | 0.2916% |
実質コスト | 0.658% |
組⼊銘柄数 | 305 |
投資信託の分配金 | 今のところ無し |
投資対象 | 海外REIT |
純資産 | 26.52億円 |
指数としては、日本を除く海外のリートに投資可能な商品です。
純資産については26億円とそこそこですが、楽天証券のiDeCoに選択されている事などを考えると、影ながら少しづつ純資産を積み立てている印象です。
信託報酬については最安値ではなく、同じ投資信託のカテゴリで言えば「Smart-i 先進国リートインデックス」の方が最安値です。
また補足情報として、同じ指数を使用するETFであるNEXT FOUNDS(2515)では分配金利回りが3.15%となっているため、この投資信託ではそれと同等か、または少し低い2%後半の分配金が再投資されることでしょう。
そして実質コストについては少々高くついており、信託報酬のから2倍以上のコストが掛かってしまっています。
ただし設定日が2016年9月23日とまだ経過年数が少ないことと、上記の表にある実質コストは2017年2月28日~2018年2月26日の1年間であることの2条件があるため、今後はもう少し安くなる可能性はありますが、0.4~0.5%の範囲に落ち着かせることが出来れば御の字であると見ています。
上位10ヵ国
国 | 比率 |
アメリカ | 71.5% |
オーストラリア | 6.9% |
イギリス | 5.3% |
フランス | 4.4% |
シンガポール | 3.8% |
香港 | 2.3% |
カナダ | 1.9% |
ベルギー | 0.8% |
スペイン | 0.8% |
ニュージーランド | 0.4% |
アメリカが71%とかなり高い比率で設定されており、依存度は一国に偏っています。分散性を考えるともう少しアメリカ以外の比率が欲しい所ですが、ここは致し方ない部分です。
上位10銘柄
銘柄 | 国 | 比率 |
サイモン・プロパティー・グループ | アメリカ | 4.8 |
プロロジス | アメリカ | 3.6 |
パブリック・ストーレッジ | アメリカ | 2.6 |
ウェルタワー | アメリカ | 2.4 |
エクイティ・レジデンシャル | アメリカ | 2.3 |
アバロンベイ・コミュニティーズ | アメリカ | 2.3 |
ウニベイル・ロダムコ・ウエストフィールド | フランス | 2.1 |
ベンタス | アメリカ | 1.9 |
リンク・リート | 香港 | 1.9 |
デジタル・リアルティー・トラスト | アメリカ | 1.9 |
モールなどの開発と運営を手掛けるサイモン・プロパティ、物流施設を専門とするプロロジス、倉庫事業を主体とするパブリック・ストーレッジなどが組み入れられています。
ちなみに配当金利回りが3%台と高めの企業が多く、リートの特徴が表れています。
リターン
この投資信託がベンチマークとするS&P 先進国REIT指数のリターンを見て行きましょう。なおデータはmyINDEXより取得しており、2019年1月末時点でのデータとなります。
指数 | 年率平均 | |||
1年 | 3年 | 5年 | 10年 | |
S&P 先進国REIT指数 (除く日本) (円換算) |
8.8% | 4.9% | 9.8% | 16.8% |
上記のデータは下落・上昇の年を平均した値になりますので、その点はご留意ください。
1~5年の間でも十分高いとは言えますが、5年リターン近くで9.8%の値を叩き出せている事は十分なリターンがあるのでは無いかと考えています。
ちなみに10年リターンとなると非常に高くなりますが、これはリーマンショックで不動産が壊滅した時期を起点としているため、恐ろしいリターンが表示されています。これはあまり参考になる数値ではないでしょう。
ベンチマークは乖離しがち
ベンチマークはすこしばかり乖離しがちな所が少々気になる点ではあります。これは実質コストと現地の源泉課税が生じたことによって生じていますが、今後もこの乖離は大きくなることになります。ただし海外の国々に投資することと、リートというテーマを絞っていることもあり、コスト等によって乖離が生じるのは致し方ない部分でもありますので、認識した上で許容するべきでしょう。ちなみに純資産は徐々に増加傾向であることから、その点は良い部分です。
■総括
米国主体に投資することとなってしまいますが、幅広い国々のリートに投資可能であることは魅力的な商品ではあります。
また分配金が高い方であり、その再投資によって利益の増加は見込めるのが良い所ですが、投資対象がリートであることから下落するときは凄い勢いで下がるリスクも存在します。
またリート自体は金利が低い時期に仕込むのが常套手段ではありますが、米国自体は金利が上昇した状態であることは忘れてはなりません。そのため非常に多い比率で保有している米国リートについては、米国自体の金利が2~3%の値で推移していることから、今後は下値の圧力が強くなっていく可能性もあります。
このような点から今後の展開については不透明なところがありますので、投資については比率を低く抑えた方が良いとの認識ではあります。
なお私は楽天証券のiDeCoでこの投資信託を10%の割合で保有しており、今後の推移を注視しつつ保有を継続する予定です。
■終わりに
全ての投資信託の評価記事を以下に貼り付けておきますので、お時間がある時に見て頂ければ幸いです。
そして月並みではありますが、投資は政治・経済に大きく左右される先の見通しが極めて困難で混沌とした世界であるため、確証が得られません。そのため投資は自己責任でお願いしてしまうことをご容赦ください。