今回のブログ記事は、日本ヘルスケア投資法人を記載していきます。
では早速内容を記載していきますが、情報については2019年2月9日時点でのデータとなります。
■概要
大和証券グループ本社をスポンサーとするヘルスケア施設特化型であり、主に介護施設関連への物件を保有しています。
このリートは11社のオペレータ会社を用いて運用を行っています。なおオペレータとは現場で実際の介護業務などを行う企業を指します。そしてヘルスケアはその言葉の範囲が広いところはありますが、このリートは高齢者向け施設を保有しています。
他ライバルとしてヘルスケア&メディカル投資法人がありますが、この投資法人は含み損益率が高いという特徴を持ちます。ちなみにヘルスケア施設においては、ヘルスケア主体型ではないリートでもごく一部だけ保有しているところもあります。
■ヘルスケア&メディカル投資法人の状態
項目 | 情報 |
投資口価格 | 167000円 |
決算月 | 4月 / 10月 |
分配金利回り | 5.07% |
物件取得額合計 | 197億円 |
物件数 | 23棟 |
NAV倍率 | 0.83 |
NOI利回り | 6.23% |
有利子負債比率(LTV) | 46.51% |
含み損益率 | 24.84% |
構成 | ヘルスケア施設主体型 |
格付 | なし |
築年数 | 10.83年 |
前期平均稼働率 | 100% |
このリートの大きな特徴とも言える部分ではありますが、ヘルスケア施設主体型という安定型を狙うタイプでありながら含み損益率が高く、また物件の取得額は197億円と低く小型リートという分類であり、その背景もあって分配金は5.07%とそこそこになりつつNAV倍率は低く調整されている印象です。
つまり市場によって上手く調整されている状態です。ある意味でチグハグと言える部分ではあります。
またNOI利回りは6.23%と悪くなく、稼働率100%という高い数値も合わさっている所ではあるでしょう。
有利子負債比率については46.51%と少し高い状態ではありますが、まだ規模が大きくない状態であるため今後の推移が注目されます。
ちなみに築年数は10.83年と若い物件を保有している印象です。
■各決算データと地域別の分散状態
第7期 (2017年10月) |
第8期 (2018年4月) |
第9期 (2018年10月) |
|
営業収益(百万円) | 697 | 697 | 697 |
営業利益(百万円) | 273 | 273 | 271 |
純利益(百万円) | 244 | 246 | 243 |
自己資本比率(%) | 49.4 | 49.2 | 49.1 |
1口当たり純資産額(円) | 140337 | 139516 | 138613 |
1口当たり分配金(円) | 4124 | 4163 | 4130 |
数値としてはヨコヨコで安定した状態と言えます。
物件は少しづつ取得している状態ではありますが、ますが、全体的に安定した動きをしていることが見受けられます。ただ純資産額が少しづつ減少している事は少々気になる点です。
上位物件
順位 | 物件名称 | 取得価格 | 比率 | 用途 |
1位 | チャームスイート緑地公園 | 20億円 | 9.89% | シニア施設 |
2位 | SOMPOケア ラヴィーレ衣笠山公園 | 18億円 | 9.33% | シニア施設 |
3位 | スーパー・コートJR奈良駅前 | 16億円 | 7.96% | シニア施設 |
4位 | ラ・ナシカあらこがわ | 13億円 | 6.49% | シニア施設 |
5位 | シルバーハイツ羊ヶ丘3番館 | 12億円 | 6.09% | シニア施設 |
地域別
東京 | 2.0% |
関東地区 | 23.3% |
中部・近畿地区 | 36.6% |
その他 | 38.2% |
地域の比率を見る限り、全国に上手く分散している状態が伺えます。また郊外にある施設を多く保有しており、落ち着いた場所にある印象です。
前までは東京都の物件は全く保有していなかったのですが、2018年12月に初めて取得したという事もあり東京都が2.0%となりました。
■分配金によるインカム主体として考えるリート
ヘルスケア主体型という事もあり、閑静な住宅街などに物件を保有している状態です。つまり基本的には投資口価格の上昇を目論むというスタイルには向かない系統であり、インカム主体となるでしょう。
ただし物件の価値の高さを示す含み損益率が異常に高いため、各数値が市場によって整合性を取られている印象です。ただし物件取得額が低いため、かなりの小型リートではあります。体力の規模から言うとまだまだ細身の体力しかないとも言えます。
高齢化社会を迎えて行く中で、必ず介護施設は需要は増加傾向が見込まれますので、その波に乗ることが出来れば継続して安定したインカムを出すことが出来るでしょう。
介護業界という事もあり、いづれ家族や私自身がお世話になる可能性もありますので、継続的に発展を祈りたいリートの一つです。
■終わりに
投稿した全てのJ-REIT評価記事を以下に貼り付けておきますので、お時間がある時にご確認を頂ければ幸いです。
月並みはありますが、投資は政治・経済という不確定要素が伴うため、自己責任という表現になることをご容赦ください。