【投資信託】楽天・新興国株式インデックス・ファンドの評価 VWOを日本円で購入可能な商品

新興国株に投資可能な投資信託は幾つかありますが、楽天・新興国株式インデックス・ファンドは、米国で販売されているETFのVWOである様々な新興国に投資可能な商品を実質日本円で購入可能となるものです。

このVWO自体は分配金(配当)利回りは2.7%台と中々ありますが、直近の新興国情勢が悪く資金流出の状態が続いているため株価は下がっています。その点も含めてこのブログ記事にて私的評価を記載していきます。またこの商品の名称を楽天VWOとして記述いたします。

なおこの商品はつみたてNISA対象外であり、またiDeCoでの購入は確認されておりません。

では内容を記載して行きましょう。なお、本記事の情報は2018年8月23日での情報となります。

楽天・新興国株式インデックス・ファンド(VWO)の商品概要

この楽天新興国株式の一番の特徴としては、実際はただ米国ETFの新興国株式を買い付けるだけのファンドという所です。これはバンガード社と楽天投信投資顧問が手を組んだ事によりリリースができた商品です。

また基本的な情報としては以下の通りとなります。

対象インデックス FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックス(円換算ベース)
購入対象ETF VWO
販売手数料 ノーロード
投資信託の分配金 今のところなし
対象ETFの分配金 VWOでは2.7%の配当
信託報酬 0.2696%
実質コスト 不明
投資対象 新興国
構成銘柄 4646

対象インデックスは新興国市場の小型株~大型株を含んで構成された株価指数です。そして円換算となりますので、もちろん為替の影響を受けます。

そして米国株ETFのVWOを直に購入する場合はドル転と高い海外手数料を支払わなければならないため買い方を注意する必要があるのですが、この楽天新興国株式はノーロード投資信託であるため購入時においては表面的ではありますが手数料が掛からないため、eMAXIS slimシリーズなど他のノーロード投資信託と比較的に自由に配分が可能とも言えます。

なお実質コストと、分配金再投資額についてはまだ運用報告書が出ていないため不明です。今後公表されたことを確認した場合は記述する予定です。

また2018年07月17日に決算がありましたが、その際に分配金は出ておりません。VWOにて発生する2.7%近くの分配金から税金を除いた額が楽天VWO内部で再投資される見込みではありますが、設定日が2017年11月17というとても若い商品であるため一回の決算しか通過しておらず、今後も課税繰り延べの観点から今後も出ないことを祈る必要があります。

構成銘柄とその他

続いて構成になりますが、まず上位10銘柄です。

順位 銘柄 国・地域 セクター 割合
1 テンセント・ホールディングス 中国 ハイテク 5.4%
2 アリババ・グループ・ホールディング 中国 消費者サービス 3.6%
3 ナスパーズ 南アフリカ 消費者サービス 2.0%
4 台湾セミコンダクターズ 台湾 ハイテク 1.9%
5 中国建設銀行 中国 金融 1.5%
6 台湾セミコンダクターズ ADR 台湾 ハイテク 1.3%
7 百度 ADR 中国 ハイテク 1.3%
8 中国工商銀行 中国 金融 1.1%
9 中国平安保険 中国 金融 0.9%
10 チャイナモバイル 中国 通信サービス 0.9%

この比率は状況に応じてよく変化しますが、新興国の中でも成長が特に大きい中国が良く見受けられます。そして上位10銘柄だけ見るとある程度セクターが分散されているように見受けられますが、次のセクター比率を見ると新興国ETF特有の金融が多い状態となっています。

続いてセクターです。

順位 セクター 比率
1 金融 26.9%
2 テクノロジー 16.1%
3 消費者サービス 12.4%
4 資本財 10.6%
5 消費財 8.8%
6 石油・ガス 7.4%
7 素材 7.3%
8 通信サービス 4.2%
9 ヘルスケア 3.4%
10 公益 2.9%

金融が26.9%とトップを走っています。金融は特に景気の影響を受けやすいセクターであり、新興国に至ってはその体力の低さから少々怖い所がありますが新興国ETFは金融に偏りやすいため、ここは仕方がない部分です。

次にテクノロジー(ハイテク)が16.1%となりますが、新興国でもハイテクが伸びてきているという印象を受けています。

ちなみに過去記事で記述している事もあり詳細な比較を控えますが、同じく新興国に投資可能な米国で販売されているiシェアーズのIEMGでは1位がハイテクであり、その比率は27%近くとなっています。

続いて国別の比率を見て行きましょう。

順位 比率
1 中国 36.6%
2 台湾 14.6%
3 インド 11.2%
4 南アフリカ 7.0%
5 ブラジル 6.5%
6 ロシア 3.6%
7 タイ 3.6%
8 メキシコ 3.3%
9 マレーシア 3.1%
10 インドネシア 2.1%
その他 8.4%

中国が一位であるため、3分1近くは中国に投資することとなります。その次は台湾です。

また補足情報として、本商品である楽天VWOと、実質的に買い付ける米国株ETFのVWOの信託報酬と分配金としては以下の通りです。

楽天VWO 本家VWO
信託報酬 0.2696% 0.14%
分配金利回り 2.7%

楽天VWOは多少コストは掛かりますが十分低く抑えられています。もちろんドル転できるのであればVWOを購入した方が圧倒的に信託報酬を抑えることができるため安くはなります。ですがドル転せずに日本円で購入でき、今後は分配金さえ出なければ分配金再投資が効くところが、楽天VWOの強みです。




楽天バンガードシリーズ一覧との比較

ファンド名 対象
ETF
1年間
リターン
信託報酬 純資産
楽天・全米株式 VTI 0.1696% 182.67億円
楽天・全世界株式 VT 0.2296% 119.77億円
楽天・米国高配当株式 VYM 0.2096% 12.22億円
楽天・新興国株式 VWO 0.2696% 8.26億円

赤字とハッチングにて示した部分が本商品となります。楽天バンガードシリーズはまだ1年経過していない商品ばかりであるため1年リターンは不明です。ですが上記全商品のリターンについては、後述いたします。

信託報酬は4商品のうち一番高いです。ただ厳密には、この4つの投資信託において購入対象とする米国ETFにおいて一番経費率の高いETFがVWOであることから、信託報酬が高くなっています。

また楽天VWOは純資産が8.26億円と非常に少ないです。これは米国の利上げにより新興国から資金流出が起こっており、結果として株価が下落しているため純資産が減少しているという所と、新興国はリスクの高さから投資は敬遠されがちになっているという点などが考えられます。

この楽天VWOの繰り上げ償還の基準としては10億口数を長期間に渡って下回ることが上げられますが、今後純資産が増加しない状態が続くと厳しくなることも考えられるでしょう。




楽天Vanguardシリーズに関わるETFと、S&P500とのリターン比較

楽天バンガードシリーズ自体は米国で販売されているETFを買い付けるだけのファンドであるため、それに関連するETFと商品の普及などから有名どころのETFを少しだけピックアップして、VWO自体を比較していきましょう。

データについてはmyINDEXより取得しており、2018年6月末時点でのデータになります。

ETF 投資信託 分配金 年率平均
1年 3年 5年 10年
VYM 楽天・米国高配当株式 2.89% 10.4 10.7 10.4 9.9
VTI 楽天・全米株式 1.63% 14.2 11.4 12.2 10.4
VT 楽天・全世界株式 2.92% 9.5 8.7 8.8 6.6
VWO 楽天・新興国株式 2.70% 5.1 7.5 4.9 2.5
S&P500
【IVV】
【VOO】
eMAXIS Slim S&P500等 1.82% 16.2 12.5 13.1 10.7

VWOは厳しいことに全期間に渡って他の商品よりリターンを下回っています。これは前述の通り、米国の利上げにより新興国が苦境に立たされている事が上げられます。そして何気に分配金がそこそこあり、せめてこの部分が分配金再投資によって積み上げられ、リターンを少しでも上げて行くことが出来れば…と思う所です。

米国が非常に好調であるため他の商品と比較すると厳しい所がありますが、今後VWOがある一定期間において他の商品よりリターンが高くなる可能性も否定は出来ません。しかし将来的は不確定であるため何とも言えない所でしょう。

新興国株式はとあるポイントで投資すれば利益を上げられることは確かです。ですが新興国はその体力の無さ、経済構造の脆弱さから投資はかなりの運用手腕を要求されるところがあります。

そのため私としては、新興国株式に投資信託で投資する場合については、バランス型、楽天VT、eMAXIS Slim全世界など、ファンド内でその投資バランスをコントロールする商品を選ぶのをお勧めしたい所です。

最後に纏めますと、VWOのリターンは直近ではあまり良く無い状態ではあるのですが、VWO自体は新興国投資をするにあたって紛れもなく良いETFです。ある程度に新興国に分散して投資をすることができ、その手間を一括で引き受けてくれる、そして低経費率という優れた商品です。

そして楽天VWOはこれ一つで様々な新興国に投資できること、分配金が出なければ再投資可能である点を含めて、検討に値する商品であると考えます。




■終わりに

楽天バンガードシリーズを含めた、全ての投資信託の評価記事を以下に貼り付けておきますので、お時間がある時に見て頂ければ幸いです。

・投資信託 評価記事一覧

そして月並みではありますが、投資は政治・経済に大きく左右される先の見通しが極めて困難で混沌とした世界であるため、確証が得られません。そのため投資は自己責任でお願いしてしまうことをご容赦ください。


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