ECBの政策金利は結局のところマイナスのまま。来年は貿易に大きく左右されなければ良いですが…

経済

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1年程前の話になりますが、2019年末~2020年近くにECB(欧州中央銀行)の政策金利を引き上げて行き、金融緩和から段階的に脱して行くような発表がありました。

その発表から1年が経過した訳ですが、現状は全く変わっていません。つまりECBの政策金利は「去年0%→今年0%」と据え置きであることから、去年から何も変わっていないということが見て取れます。

そして2020年についても引き上げて行く様な目途は立っておらず、結局金融緩和は継続しているという事実から、欧州の経済状態が芳しくない状態にあるのです。つまりEUは非常に悪い経済状況が継続しているという点で、マズイ状態にあるという事ですね。

このEUの景気減速の理由については理由が複雑であり、一言で片付けられるような問題ではないと思いますが、少しだけ挙げるとすれば、それは巨大な貿易相手国である中国の景気減退や、イギリスのプレグジット問題、そして欧州の雄であるドイツの景気が悪くなってきたという状況が挙げられます。

しかし今回は貿易と言う観点で、かつ対中国に視点を置いていきますが、欧州って対中国への貿易額が意外に大きいのです。

参考として2018年のEU貿易輸出額を見て行くと、以下の通りとなります。

  • 1位 米国:4069億ユーロ
  • 2位 中国:2098億ユーロ
  • 参考 日本:645億ユーロ

対米国はともかくとして、対中国は2位に君臨する程の輸出額となっており、かなり大きな輸出相手国となっています。つまり中国がコケると、欧州は致命的なダメージを負うこととなるのです。

しかしそう簡単な話ではなく、参ったことに対中国の貿易については実は赤字なのですよね。なぜなら対中国の輸入が3946億ユーロであるため、差し引き-1848億ユーロ近くとなっており、対中国に関しては赤字という状態となっています。実際は貿易統計を算出する関係上で大きな誤差は出てしまいますが、ざっくりで無視できない赤字であることは事実です。

ちなみに少々ややこしい話になりますが、中国視点での2019年上半期貿易の情報は公開されていますが、もちろん米国はガッツリ貿易額が減少している状態でも、欧州については僅かに増加しているのです。もちろん「中国→欧州」への輸出額の方が大きい状態です。

EU自体は貿易が致命的な経常赤字ではありませんが、対中国については少々毛色が違うという事実があるのですよね。つまり今回の記事で言いたいことは、米国と中国の貿易戦争の結果によって、欧州も非常に大きな流れが出てくる可能性があるという事です。

来年も何らかの大きな動きが出る事と考えますが、こと貿易は経済への作用が大きすぎるため、引き続き強い警戒が必要となりそうです。

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