貿易における日本の輸出入と、伸び行く中国への輸入額

経済

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昔の日本は輸出国としての地位を保っていましたが、昨今は変わって輸出・輸入の中間を行くような推移をしています。つまり状況が変わりつつあるということですね。

そして今回はその貿易相手国の中から一部をピックアップし、輸出と輸入に分けて貿易額を確認して行こうと思います。ただし貿易額自体は毎年その順位が変わるため、2018年時点で上位5ヵ国の推移を確認する、という条件に絞って見て行きましょう。

輸出上位5ヵ国

※単位:1億円

2008年前は米国が首位となっていましたが、リーマンショックによる景気減速に伴い急降下しています。つまり直近のピークから2分の1近くまで輸出が下がったということであり、まるで株価を反映するかのような下落傾向となっています。しかしその後は順調に回復しており、リーマンショック前まで復活してきたという事になります。

変わって中国については途中で中だるみがありつつも増加を続けており、2018年には米国を抜いて首位となっています。米国が15.4兆円に対して、中国は15.8兆円であるため、僅差と言えるでしょう。しかし中国と香港については、実際には中国という一つの国として認識されるところはありますが、今回は分けて表示しているため、もしプラスとして見るのであれば19.7兆円となるため、米国を4兆円ほど上回る額となります。

韓国と台湾については額が少ないながらも安定した輸出額となっており、言わば足堅いお得意先として見る事が出来ます。

輸入上位5ヵ国

※単位:1億円

見てすぐに分かるのが、中国に対する輸入額が非常に大きいところでしょう。2018年時点で米国の2倍以上の差が付いており、中国の輸入に依存している状況と言えます。

ちなみにその輸入品を細かく見ると、1位については通信機の2.2兆円となっており、2位が衣類の1.9兆円になる状態であり、実はこの通信機は2016年から首位となり、そこから3年間の首位を守り続けているという状態です。このため、2019年の中国への貿易額については、通信機の変動を含めてどの様に変化するのか、注意する必要があります。

米国についてはヨコヨコであり安定しているとも言えますが、輸入品についてはかなりブレがあります。2018年については1位が原動機7122億円となっていますが、一つの項目の額が極端に特化しているという訳ではなく、他の年では1位が航空機類や穀物類になる年もあり、かなりブレる状態と言えます。

対中国と対米国の貿易収支

今まで見てきた通り、日本の貿易については輸入と輸出の両方とも米国と中国に対する依存度が高いと言えます。今後についてもその状態で推移する事でしょう。

ではその2国に対する貿易の収支について確認して行きたいと思います。

※単位:1億円

図については、上に言えば貿易が黒字で、下に行けば赤字ということになりますので、対米国は黒字で、対中国は赤字ということです。

つまり米国は輸出のお得意様で、中国は輸入のお得意様といったところでしょうか。昨今はその差が少しだけ収束しつつありますが、依然として赤字とも言えます。ただ中国の方に懸念を覚えるとすれば、情報技術系であったり技術的に高いレベルの輸入品が多くなっている事が気になる部分です。

と、ここまで貿易の状況を確認してきましたが、貿易によって国の経常赤字・黒字に影響を与えますが、それが国自身の経済成長にどう影響を及ぼすかはそれぞれの国の状態に左右されるため、一概にどちらが良いかというのは決めつける事ができません。アメリカは貿易赤字国ですが経済は堅調に成長していることを考えると、多少なりにもその片鱗が見えてくることと言えるかもしれません。

貿易とは面白いもので、その額の大小によって国の大きさだけでなく、技術力や得意な産業などの一部が分かります。例えば2018年の日本における輸出額トップについては、1位が自動車の12兆円、2位が電子部品4兆円となっており、自動車が主要産業となっているとも言えます。

ここがどの様に変化するか、日本に居住している以上は多少なりにも知っておくと便利かもしれませんが、貿易については輸入の領域には特に注意をする必要があります。何故なら、気付いたら情報系の製品や部品がたった一国に握られてしまう事も考えられるためです。これは先ほど確認して頂いた中国の通信機などが該当しますが、昨今のファーウェイ騒動を考えると納得できる領域かもしれません。

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