【REIT・8953】日本リテールファンド投資法人の評価-商業施設主体型における最大規模のリート

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今回のブログ記事は日本リテールファンド投資法人を紹介していきます。

では早速内容を記載していきますが、情報については2019年3月18日時点でのデータとなります。

概要

三菱商事・UBSリアルティをスポンサーとする商業施設主体型リートであり、2002年に上場した古くから存在する投資法人です。その様な背景もあり、商業施設主体型の中では規模が最大である上に、J-REIT全体でも大型リートに分類されるほどです。

戦略については、中期的に都心型の商業施設に力を入れる事を目標の一つとして定めており、今後は人の集まる所に資本を投入していくとの事です。

これは日本の人口減少の影響があっても都心部は人が減りにくいという考えと、インバウンドは都市に人が集まりやすい属性があること、余暇時間を持つリタイア世代が増えるなど、商業施設を取り巻く環境を考慮した上での戦略となっています。

各データから見る日本リテールファンド投資法人の状態

少しだけ各情報の補足すると、NOIに関しては賃料収入であり、これは収入から実際に発生した管理費や固定資産税などの経費のみを控除したものです。つまり、純利益率のようなものと考えて下さい。

NAV倍率は純資産価値に対する投資口価格(株価)の割安度であり、 株式のPBRに近いものです。
それでは基本的な情報を見て行きましょう。

項目 情報
投資口価格 221300円
決算月 2月 / 8月
分配金利回り 4.00%
物件取得額合計 9057億円
物件数 101棟
NAV倍率 1.02
NOI利回り 4.83%
有利子負債比率(LTV) 44.24%
含み損益率 10.86%
構成 商業施設主体型
格付 S&P:A
R&I:AA-
Moody’s:A3
築年数 16.33年
前期平均稼働率 98.6%

このリートはS&P・R&I・Moody’sの3社から格付を取得しており、高めの評価を取得しています。これは安定性が評価されているという事ですが、規模的に流石と言えます。

物件取得額は9057億円という超大型リートです。また含み損益率も10.86%と良い状態であり、NOI利回りも4.83%と大型リートでは十分な値です。

またNAV倍率は1.02となっており、投資口価格としては可もなく不可もなくといった所です。

そして有利子負債比率については44.24%となっていますが、これ位の値を10年近く保っていることから、驚くほど安定したコントロールがなされている印象です。

築年数については16.33年と少し上昇気味の推移ではありますが、まだ十分に若い状態です。なお稼働率は98.6%と、非常に良好です。

各決算データと地域別の分散状態

第30期
(2017年2月)
第31期
(2017年8月)
第32期
(2018年2月)
第33期
(2018年8月)
営業収益(百万円) 31585 31011 31967 32685
営業利益(百万円) 13981 13743 14472 13871
経常利益(百万円) 11665 11426 12232 11645
当期純利益(百万円) 11664 11425 12232 11644
純資産額(百万円) 416655 441967 432981 433229
総資産額(百万円) 856627 897631 902191 887668
自己資本比率(%) 48.6 49.2 48.0 48.8
1口当たり分配金(円) 4250 4295 4410 4430

利益が減少・上昇する期が見受けられますが、分配金としては減少せず安定した額を出しており、その点は良い所です。

もちろん物件の購入・売却等も定期的に行ってはいますが、大量売却などの大ナタを振るわない限り、大型リートは分配金が安定しやすいのが利点です。もちろんこのリートもそれに該当します。

上位物件

順位 物件名称 取得価格 比率 用途
1位 mozoワンダーシティ 555億円 6.13% 郊外型商業施設
2位 東戸塚オーロラシティ 505億円 5.58% 郊外型商業施設
3位 ならファミリー 349億円 3.85% 郊外型商業施設
4位 イオンモールむさし村山 306億円 3.38% 郊外型商業施設
5位 Gビル心斎橋03 A館 305億円 3.37% 都市型商業施設

旗艦物件はmozoワンダーシティであり、これはイオンモール系の物件となりますが規模は555億円と相当な額の取得価格となっており、かなりの巨大価格と言えます。

その他の物件も取得価格は負けておらず、郊外型の巨大商業系施設の強さが伺えます。

地域別

東京 29.7%
関東地区 19.3%
中部・近畿地区 41.1%
その他 9.8%

東日本、西日本と極端に偏ることなく比率が調整されており、上手く分散されている状態です。

全体ポートフォリオとしては、都市部の物件を50%近い比率で固めており、人の集まりやすい所を狙っている、その様な印象です。

総括

商業施設主体型の中では最大であり、フロンティア不動産投資法人とイオンリート投資法人と比較しても3倍ほどの規模の違いがあります。

その巨大が故の安定感と、異常な高値という訳でもないため、良い銘柄の一つではあるとの認識ではありますが、都市部の商業施設は景気に過敏な特性を持つとも言われていることから、その点は留意が必要かもしれません。

ただし、このリートの戦略は明確であり、人口減少・インバウンド等から将来の利益を見据えて都心部を選択していくという方針を取っており、先の見通しを持った上での戦略がなされていることは安心できる部分です。

終わりに

投稿した全てのJ-REIT評価記事を以下に貼り付けておきますので、お時間がある時にご確認を頂ければ幸いです。

・J-REIT 評価記事一覧

月並みはありますが、投資は政治・経済という不確定要素が伴うため、自己責任という表現になることをご容赦ください。

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