今回のブログ記事はジャパン・ホテル・リート投資法人を紹介していきます。
では早速内容を記載していきますが、情報については2019年2月1日時点でのデータとなります。
■概要
メインスポンサーにシンガポールを拠点とする外資系のSC CAPITAL PARTNERSをもち、サブスポンサーに共立メンテナンスとオリックスを持つホテル主体型のリートです。
ちなみにホテル主体型リートの中では最大の規模であり、有名な星野リゾートの2倍強の規模の大きさとなっています。またあらゆる数値も規模が大きい印象を持ちます。
またホテルを含むリートには株主優待が存在するものがありますが、このリートも株主優待が出ます。
■各データから見るジャパン・ホテル・リート投資法人の状態
少しだけ各情報の補足すると、NOIに関しては賃料収入であり、これは収入から実際に発生した管理費や固定資産税などの経費のみを控除したものです。つまり、純利益率のようなものと考えて下さい。
NAV倍率は純資産価値に対する投資口価格(株価)の割安度であり、 株式のPBRに近いものです。
それでは基本的な情報を見て行きましょう。
項目 | 情報 |
投資口価格 | 83500円 |
決算月 | 12月 |
分配金利回り | 4.41% |
物件取得額合計 | 3094億円 |
物件数 | 41棟 |
NAV倍率 | 1.13 |
NOI利回り | 7.05% |
有利子負債比率(LTV) | 39.86% |
含み損益率 | 37.56% |
構成 | ホテル主体型 |
格付 | JCR : A+ R&I:A |
築年数 | 19.49年 |
前期平均稼働率 | 98.5% |
分配金は4.41%とそこそこではありますが、これは投資口価格が高いことが理由です。
またJCRとR&Iから格付を取得しており、このリートの規模を含めた信頼性が評価されています。
そして物件取得額は3094億円で、ホテル主体型では最大の値です。大型のリートと言えます。物件数は41棟ではありますが、基本的には価値の高い物件を保有しています。
含み損益率は37.56%とかなり高い値です。そしてこのリートの特徴とも言える異常な値であり、これは非常に価値の高い物件を保有しているという事です。
またNAV倍率は1.13であり、投資口価格としては高めに推移していますが、含み損益率や物件取得額の規模を見る限りは、これほど高くなる理由も分かるはずです。
そしてNOI利回りは7.05%とホテル系らしい高さですが、なかなかの値を叩き出しています。
有利子負債比率については37.56%と上手くコントロールされています。また築年数に関しては19.49年となっており、そこそこという印象です。
このリートの特徴として挙げられるのが、決算が12月のみとなっていることがあります。他リートは年2回の決算がありますが、このリートは年1回です。
■各決算データと地域別の分散状態
第16期 (2015年12月) |
第17期 (2016年12月) |
第18期 (2017年12月) |
|
営業収益(百万円) | 17343 | 22107 | 25475 |
営業利益(百万円) | 10988 | 13885 | 15757 |
当期純利益(百万円) | 9294 | 12123 | 14005 |
1口当たり分配金額(円) | 2975 | 3420 | 3683 |
物件の取得をハイペースで行っているため、基本的には右肩上がりの推移です。
また分配金も右肩上がりという事もあり、かなり上手い運用がされているイメージです。
上位物件
順位 | 物件名称 | 取得価格 | 比率 | 用途 |
1位 | ホリデイ・イン大阪難波 | 270億円 | 8.73% | ホテル |
2位 | ヒルトン東京ベイ | 261億円 | 8.42% | ホテル |
3位 | オリエンタルホテル東京ベイ | 199億円 | 6.43% | ホテル |
4位 | ホテル日航アリビラ | 189億円 | 6.11% | ホテル |
5位 | アクティブインターシティ広島 | 173億円 | 5.60% | ホテル |
地域別
東京 | 12.9% |
関東地区 | 24.9% |
中部・近畿地区 | 30.1% |
その他 | 32.1% |
地域的には分散されているようなイメージがありますが、実は東京付近、大阪など主要地域に固めており、また駅近くの物件が多めです。
どれも取得価格が高く、施設の大きさはともかくとして巨額の物件が多いという印象です。
■株主優待制度がある
このリートには株主優待があります。その条件は以下の通りです。
●投資口を10口以上で、6月の基準日に保有していること
- 宿泊割引券5枚及びレストラン割引券5枚(10%割引)
2018年度は6月の基準日の保有が条件でした。決算は12月ではありますが、優待については6月となりますので注意です。また使用できるホテルも指定がありますので、事前の確認を行う必要があります。
10口であれば、およそ83万円近く用意することが出来れば株主優待を取得することが可能ではありますが、ホテル宿泊関係の優待となりますので宿泊回数によって利回りが決定すると考えた方が良いでしょう。
どちらかというと、株主優待を目的に取得するというよりは、オマケに近い視点で見るものとなりそうです。
■ホテル系リートなら一番強いと言えますが
物件取得額が多く、また物件の含み益が非常に高い事もあり、とても魅力的な銘柄ではあります。
あらゆる値が上手く推移していることもありますし、また1口の価格も手が届きやすい事もあるので、ホテル系の銘柄が欲しければお一口いかがですか、とお勧めしてしまいそうなリートです。
ただしNAV倍率が高く、投資口価格が高くなっている事から既に人気があるリートであるとも言えるため、その動向は注意です。
■終わりに
投稿した全てのJ-REIT評価記事を以下に貼り付けておきますので、お時間がある時にご確認を頂ければ幸いです。
月並みはありますが、投資は政治・経済という不確定要素が伴うため、自己責任という表現になることをご容赦ください。