【米国株ETF・XLF】金融セレクト・セクターSPDRファンドの評価

米国株

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今回のブログ記事は、金融セレクト・セクターSPDRファンド(XLF)の私的評価を記載していきます。

早速内容を記載して行きますが、本記事の情報は2018年11月6日時点での情報となります。

概要

ステートストリート・グローバル・アドバイザーズ社(以下SSGA)より販売されている資本財セクター特化型ETFです。

このXLFを含む、各セレクト・セクター指数を9種類全て合わせると、S&P500指数の全銘柄が揃うという面白い構成をしています。そのためXLFはS&P500に含まれる企業群で構成されているという特徴があります。

お金を貸し付けるだけの多くの金融業は、金利が上昇すれば個人や企業に貸し出すお金に高い金利を付けることが出来るため業績が上がりやすい特徴を持ちますが、金利が下降する局面ではその逆となるため、減益しやすい傾向にあります。

ただ金利が上がれば個人消費や企業の業績なども悪化することから、単純にそうと言える話ではないのが難しいところです。また金融系は景気敏感株であることも含めて、保有には相応の覚悟が必要である認識が必要です。

基本情報

対象インデックス 金融セレクト・セクター指数
構成銘柄数 67
分配金利回り 1.90%
経費率(信託報酬) 0.13%
分配頻度(基準月) 3月、6月、9月、12月
投資対象 米国

分配金利回りは、直近で市場の冷え込みがあったため約2.20%とそこそこ高くなりました。構成銘柄は67であり、金融大国としての一面を持つアメリカにおいてS&P500にその銘柄数が反映されているとも言えます。

そして信託報酬は0.13%ではありますが、セクター特化系のETFとしては申し分ない低さと言えるでしょう。

次に、上位10銘柄を確認しましょう。

順位 保有銘柄 構成比
1 バークシャー・ハサウェイ 12.86%
2 JPモルガン・チェース 11.63%
3 バンクオブアメリカ 8.27%
4 ウェールズ・ファーゴ 7.42%
5 シティグループ 5.30%
6 ゴールドマンサックス 2.58%
7 USバンコープ 2.55%
8 アメリカンエキスプレス 2.34%
9 CMEグループ 2.00%
10 モルガンスタンレー 1.95%

投資の世界では有名なバフェット氏が率いるバークシャーハサウェイ、グローバル総合金融サービス会社のJPモルガン・チェース、世界最大級の金融機関の一つとして名高いバンクオブアメリカなどが名を連ねています。

上位10銘柄の中だけでは、日本で生活すると直接的に関わる可能性が低い企業群でしょう。しかしアメックスのカードをお持ちの方は、アメリカンエキスプレスにお世話になっていることと思います。

続いてセクター比率を確認していきましょう。

セクター 比率
銀行 44.30%
資本市場 20.52%
保険 17.10%
各種金融サービス 13.08%
消費者金融 5.01%

当然ながら銀行業の比率が非常に高く、圧巻の44%で構成されています。資本市場については、多くの場合は企業資本の売買や、長期貸出金などの提供を示すものとなります。

トータルリターンは評価が難しい

今までの実績を確認することを目的として、XLFと、S&P500とのトータルリターンを確認していきましょう。なおデータはmyINDEXより取得しており、2018年9月末時点でのデータとなります。

ETF 年率平均
1年 3年 5年 10年
XLF 7.5% 16.2% 13.1% 7.3%
S&P500 17.9% 17.3% 14% 12%

基本的には全期間でS&P500より低いですが、3~5年のリターンは申し分ない高さと言えますが、しかし1年と、飛んで10年のリターンは顕著に低いことが分かります。

なお10年はリーマンショックの期間を含むため、金融危機に弱い金融業はその影響を極大に受けてしまうことから、このリターンとなっている状態です。

そもそも金融業の株価において、リーマンショック時から今だ立ち直れていない銘柄も存在するため、かなり評価が難しい所です。

ただ今後は市場の変化が起こる可能性もありますので、上表ほどの恩恵を受けることが出来るかは、慎重に考える必要があるでしょう。

総括

金利が上がれば単純な銀行業を営む企業は業績が期待できますが、個人消費や企業の業績などが冷え込み、また株式市場も冷え込みが予想されることから、金融全体の収益が悪化する可能性も、当然ながら捨てきれないところが難点として一つ挙げられます。

またリセッションには弱い、リーマンショックから立ち直れていない銘柄もあり、そして景気敏感株であることなど含めて金融はかなりデリケートなセクターです。

最後に、XLFは素晴らしい企業で構成されているETFではあるため、金融業に投資するという観点だけでは優秀な商品であると私は述べることになります。しかし市場がナイーブになりつつある昨今ですから、金融危機や景気後退に弱いセクターであることを考慮し、それなりの覚悟をもって選考すべきETFであると私は見ています。

終わりに

投稿した全ての米国株・ETFの評価記事を以下に貼り付けておきますので、お時間がある時にご確認を頂ければ幸いです。

・米国株・ETF 評価記事一覧

また月並みではありますが、投資は政治・経済に大きく左右される先の見通しが極めて困難で混沌とした世界であるため、確証が得られません。そのため投資は自己責任でお願いしてしまうことをご容赦ください。

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