日本株で高配当と言えば様々な銘柄がありますが、その中で40銘柄を詰め合わせたETFがダイワ上場投信-TOPIX高配当40指数 (1651)となります。そして略称が大和高配当40です。
分配金利回り(配当利回り)としては3%付近であり、ETFにしてはそこそこ高い部類と言えます。高配当が好きな私としては分散性の観点から注目しているETFではあります。
以下より内容を記載していきます。なお、本記事の情報は2018年10月29日時点での情報となります。
基本情報
対象インデックス | TOPIX高配当40指数 |
コード | 1651 |
構成銘柄数 | 40 |
分配金利回り | 約3.19% |
純資産 | 131億円 |
信託報酬 | 0.2052% |
分配頻度(確定月) | 年4回(2、5、8、11) |
純資産については131億円とある程度の資金が流入しており、一定数のユーザが付いている商品です。そして名称に40と付くだけあって構成銘柄数は40です。
また信託報酬は0.2052%で、銘柄をある程度制限したETFはの中では抑えられているという印象です。
そして記事を記載している時点で日本株を含む全世界の株価が急落したため、分配金利回りについては正直な所タイミングが悪いとは思っていますが、その値は約3.19%となっています。
なお分配頻度は年4回であり、米国企業のように短いスパンで貰えることが個人的には嬉しい点です。そして多くの企業は権利確定月が3月と9月になりますが、それに近い5月と11月の分配金は多く受領することとなります。
次に上位10銘柄と、セクター比率を一気に確認しましょう。
銘柄 | 比率 |
三菱UFJフィナンシャルG | 5.1% |
トヨタ自動車 | 4.9% |
三井住友フィナンシャルG | 4.8% |
本田技研 | 4.7% |
KDDI | 4.7% |
みずほフィナンシャルG | 4.6% |
三菱商事 | 4.2% |
NTTドコモ | 3.7% |
東京海上HD | 3.6% |
アステラス製薬 | 3.3% |
業種 | 比率 |
輸送用機器 | 17.5% |
銀行業 | 17.2% |
卸売業 | 13.0% |
情報・通信業 | 8.4% |
保険業 | 7.6% |
医薬品 | 6.4% |
電気機器 | 5.1% |
建設業 | 4.0% |
鉄鋼 | 3.0% |
その他 | 16.0% |
輸送用機器と銀行業のセクター比率が多めとなっています。上位10銘柄をみても、輸送用機器はトヨタとホンダが入っており、また銀行業はUFJ・住友・みずほが入っていることから、分かりやすいセクター比率です。
しかし輸送用機器と銀行の比率が高いのは少々気になるところではあります。これらは景気敏感株としての強い側面があるからです。
もしこれらの銘柄を個別株で保有している場合は、このETFを購入する際に個別株を売却するなどして競合を回避する策を取るか、それを考慮した上で保有する必要がありそうです。
ETFの銘柄選択方針
このETFには銘柄選択方針が以下の通りに示されています。
①母集団の選定
基準日時点において、TOPIX100 の構成銘柄として選定されている銘柄とする。ただし、以下のいずれかに該当する銘柄は母集団から除外する。
・ 基準日において整理銘柄に指定されている。
・ 基準日において特設注意市場銘柄に指定されている。~中略~
③配当利回りの算定
直近1年間の実績配当金を株価で除して配当利回りを算出する。配当利回りの計算に用いる株価は、基準日の最終指数値の計算に用いられた各銘柄の指数採用価格とする。④銘柄の選定
初回の銘柄選定に際しては、③で計算された配当利回りが高い順に 40 銘柄を採用する。二回目以降の銘柄選定に際しては、既構成銘柄については、③で計算された配当利回りが上位 50 社以内であれば継続して採用とする。その結果、銘柄数が40に満たない場合は、銘柄数が40となるまで、配当利回りが高い順に新規に採用する。
引用:日本取引所グループ
要はTOPIX100の中で業績が低迷するなどの危険性を持つ銘柄を排除し、かつ高配当を選考するということになります。
また銘柄の定期入替は毎年6月に行われます。
分配金の推移
決算日 | 分配金 (10口あたり) |
合計 |
2018年8月10日 | 25 | 327 |
2018年5月10日 | 148 | |
2018年2月10日 | 20 | |
2017年11月10日 | 134 |
10口から購入可能な商品であるため、分配金も10口計算で算出しています。
2018年10月29日時点では投資口価格が10口で10250円となりますので、ここから計算すると年間3.19%くらいになります。
日本株特化型の高配当系ETFとの比較
配当込みのトータルリターンを見て行きましょう。データについてはmyINDEXより取得しており、2018年9月末時点でのデータとなります。
少々注意点がありまして、上記のデータは2018年10月の市場急落の期間が含まれていないため、リターンが高く見えることになります。そのため現状としてはいづれも数%と低いという事をご了承ください。
そして大和高配当40のリターンはmyINDEXにはデータが無かったため、基準日が一週間くらい異なるデータを、月次報告書から抽出しています。
ETF | コード | リターン(年率) | ||
1年 | 3年 | 5年 | ||
日本株高配当70ETF | 1577 | 9.4 | 11.3 | 11.4 |
日経高配当株50ETF | 1489 | 10.2 | ー | ー |
大和高配当40 | 1651 | 8.8 | ー | ー |
iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回り |
1478 | 3.9 | ー | ー |
文字を赤くした行が、今回紹介している大和高配当40ETFとなります。それ以外の2銘柄は若い商品であるため、3年以上の長期データがありません。また前述の通り抽出した基準日と源泉データが異なるため、プラマイ1%の誤差は出ると考えます。
1年リターンでは約3位といったところですが、そこまで大きな差がないイメージです。しかしどのETFもセクター比率と構成銘柄に違いが多いため、短期で見たリターンは変動しやすい事でしょう。
そして勿論このデータは過去リターンであることと、どのETFも構成銘柄がかなり異なっていることから、今後はどの様に推移するかは未知数です。
もちろん高配当銘柄をミックスしたものをETF一つで保有できる点が強み
高配当の40銘柄を分散して保有できることも強みになりますが、1万円近くという少額から購入可能であることも利点として挙げられます。少しだけ購入するのも良いですし、本格的にポートフォリオに組み入れることも面白そうです。
個別株の高い配当金を犠牲にするという欠点はありますが、ETFにて購入銘柄選定を行って貰うという観点もあり、それなりの利点はあるでしょう。
ただ高配当ETFは他にも類似する商品が複数あることから、構成銘柄やその組み入れ特性などをある程度確認した上で、自身が持つ個別銘柄と比率を合わせる必要があるかもしれません。
高配当となると似通った銘柄が並んでしまうことも多いのは事実であり、偏った構成をしていると一定の期間で含み損を抱え続けるということもあります。何故なら個別株はセクター単位での価格変動が多いためです。
そして最後に、大和高配当40は配当金を受領するときは3%台の前後で受領することになりそうですが、中々の利点が存在する良ETFの一つではあるでしょう。ですが購入する量を制御することを考えて、選択すれば良いと個人的には考えています。
終わりに
他の高配当系ETFの記事もありますので、以下に一覧ページを貼り付けておきます。お時間のある時に閲覧して頂ければ幸いです。
また月並みではありますが、投資は政治・経済に大きく左右される先の見通しが極めて困難で混沌とした世界であるため、確証が得られません。そのため投資は自己責任でお願いしてしまうことをご容赦ください。