【書評】ピクテ式投資セオリーを読んで

書評

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今回は下記の書評を記載して行きます。

  • 210余年の歴史が生んだピクテ式投資セオリ―【著者:萩野琢英】

この本の著者である萩野琢英さんは、ピクテ投信投資顧問株式会社の代表取締役社長をされており、過去にはスイス・ジュネーブでの本社で商品開発やマーケティング業務に従事されていたという、ピクテの深い所をご存知なのではないかと推測できる方です。

私が先日に投資系の本を探していたところ、【ピクテ】という単語が付く本書が偶然目に入りました。そしてこの本を拝見すれば、投資信託の情報を漁っていれば必ず名前の出るピクテのその考えに触れる事が出来るのではないかと考え、本書を手に取りました。

書評

さて、一読した後の私の感想を予め述べておきますと、全般的に非常に読みやすく、そして「そういう考え方もあるのか」と刺激を受ける内容であり、全ページを通して興味を持って読むことが出来ました。

ピクテの投資哲学における片鱗や、昨今の日本の経済観や、投資のリスクとかリターンとか、資産を守りながら育てる考え方、そして分散投資など、その類の話が好きな方は、この本を読むと唸る部分が出てくるのではないでしょうか。

全般的な内容としては、投資の中でもリスクやリターンなどのコアな内容を含むため、投資が好きで、投資信託の情報にある程度詳しく、そして分散投資などの情報を持っていると、なお面白く読めるのではないかと考えています。

もしさほど投資に詳しくなくても、株式投資などにおけるリスクという考え方や、分散投資という内容等を知ることが出来るため、少しだけ投資の世界に入り込みたい様な方にも楽しめる内容になっていることから、なるべく広い層にも読めるように記述している印象があります。

ただ全体を通して、投資においては「資産を守る」ということを主体として記載しており、結果として分散投資などの考え方に繋がること、そしてその考えに至る部分について記述されている事から、多くの方が楽しめる内容ではないか、という所感があります。

またポートフォリオ上といいますか、投資に当てる資産に対して、どの様な振り分けで投資を行い、そして投資期間を見据えてリスクを取っていくのか、というものが記載されていることもあり、一種の投資スタンスの指針のようなものに触れる事が出来ます。

ちなみに、ピクテ投資投信顧問(ピクテの日本法人)代表取締役社長の方が書いているという事もあり、投資信託の商品紹介の様な雰囲気もあったりしますが、その点はご愛嬌です。

特に日本の経済観については、一見の価値があると思っています

投資に関しての話も素晴らしいのですが、何より日本の経済状況について述べられていた部分は、個人的に非常に強く唸ったところがありました。

ためになる内容は幾つかあるのですが、失礼ながら内容を2点だけピックアップすると、貿易収支の悪化と、消費税増税によって物価の上昇に影響を与える、というこの2点です。

私も貿易収支の情報は定点チェックしているのですが、今年の半ば頃にその貿易の状況が芳しくない事に気付き、かなり焦ったことがありました。

貿易によるお金の流れは、その流れが一方的になりやすいのです。つまり、それが長期で為替に影響を与える事を意味することが非常にマズイ。例えば、日本は原油資源が非常に乏しい国ですから、他国から輸入を繰り替えす状態というのは、その原油だけで為替が円安方向への圧力に繋がるという事を意味します。

実際はそれ以外の半導体輸出などによって収支を取るという部分はありますが、その収支が弱くなっているのが昨今の日本という事実が、非常に悩ましい部分なのです。

そして似たような事が本書でも記載されており、やはりその点はやはり痛い部分なのかと、得心した所があります。

もう一点についてになりますが、消費税増税も物価の上昇に影響を与えるという観点が記載されていたことが、何より私の中で抜け落ちていた部分でした。

しかしこの部分については、内容が表面しか触れられていなかったため、その内容については深く触れられていなかったのですが、私の解釈として、この消費税というのは資産を棄損するという意味で、8%→10%の増税は実質的に2%近いインフレとなっている考え方もできるのではないか、という見方もしました。

終わりに

本書を一読し、貴重な情報を得る事が出来たと考えています。私は経済とかの話が大好きな側面があるため、その部分は久々に興味をもって読む事か出来ました。

勿論、投資についても緩やかな刺激を受ける事の出来る良書であると考えており、多くの方が手に取って読むことが出来れば良いなぁ、と思う次第です。

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