【米国ETF・VUG】バンガード・米国グロースETFの評価-成長株の集合体だが分散傾向

米国株

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今回はバンガード・米国グロースETF(VUG)の私的評価を記載していきます。

早速内容を記載して行きますが、本記事の情報は2019年7月25日時点での情報となります。

基本情報

対象インデックス CRSP USラージキャップ・グロース・インデックス
構成銘柄数 310
分配金利回り 約1.13%
経費率(信託報酬) 0.04%
分配頻度(基準月) 3月、6月、9月、12月
投資対象 米国グロース株

分配金利回りはさほど高くはありませんが、これはグロース株の詰め合わせセットであることが要因ですが、しかし所感としてはグロース株主体であるにも関わらず高い方とも思える程です。

また信託報酬は、グロース株の詰め合わせという特殊構成にも関わらず0.04%という安さであり、Vanguardらしい脅威の低コストと言えます。

VUGで使用するベンチマークの方針

 

  • CRSP USラージキャップ・インデックスにおけるグロース株のパフォーマンスを表します。(CRSP USラージキャップ・インデックスは、米国株式市場における大型株全体のパフォーマンスを表します。)
  • このインデックスは、米国株式市場の大型グロース株セグメントのパフォーマンスを正確に表しつつ、売買回転率は低く抑えるように作られています。

出典:バンガード・米国増配株式ETF(VUG)-Fact Sheet

上記から分かるのは、大型株でグロース傾向にある株式で構成されるということ、また売買回転率を抑えるようにしているという事でしょうか。

売買回転率を抑えるという事は、安定した傾向の株式を組み入れるという色合いが強くなるため、どちらかと言うと保守的な面を持つ傾向にもなると言えます。

上位10銘柄

順位 保有銘柄 構成比
1 マイクロソフト 8.11%
2 アップル 6.48%
3 アマゾン 6.26%
4 フェイスブック クラスA 3.66%
5 アルファベット(Google) クラスA 2.56%
6 アルファベット(Google) クラスC 2.53%
7 ビザ 2.38%
8 マスターカード 1.90%
9 ホームデポ 1.81%
10 ボーイング 1.53%

アマゾン、アルファベット、フェイスブックなどの無配グロース株が散見されます。しかしそれ以外は有配で、かつグロースの気質を多少ながら持つ銘柄で構成されている印象です。

ただし全体の比率を見ると10%以下に抑えており、平坦化されているように見受けられます。特に無配グロース株を抑えめにしており、少し薄味にしている印象があります。

セクター比率

産業別構成 比率
テクノロジー 35.2%
消費者サービス 20.7%
資本財 13.7%
金融 12.8%
ヘルスケア 8.8%
消費財 4.9%
石油・ガス 2.1%
素材 1.6%
電気通信 0.1%

テクノロジーを多めに取っており、比率的に攻めの傾向です。ですが昨今のテクノロジー銘柄は値上がりが顕著であったため、この様な比率に落ち着いているのだとは考えますが、他セクターにもそこそこの比率を割り振っており、全体的にはセクターを分散させている様にも見えます。

トータルリターン

今までの実績を確認することを目的として、ベンチマークがS&P500のVOOとトータルリターン比較して確認していきましょう。なおデータは2019年6月末時点でのデータとなります。

ETF 年率平均
1年 3年 5年 10年
VUG 10.47% 16.57% 11.99% 15.68%
VOO 10.40% 14.15% 10.67% 14.23%

上記は年率でのリターンとなるため、3年以上の長期期間ではもちろんマイナスとなる年も含まれます。

全体的にはVOOと近似した値となっており、ここからはS&P500と大きく変わりは無いことが分かりますが、10年リターンで年率1.4%近くの違いをどう見るか、という部分に尽きます。

この数値は僅かではありますが、10年間という長さではそれなりの差が出るのは事実です。しかし、S&P500の分散性を捨ててこのリターンをとるか、またグロース多めのリスクを取るか、悩ましい部分です。

ちなみにグロースETFで有名なQQQとはリターンの差が大きい

上記は2014年付近からのデータとなりますが、紫がQQQ青がVUG緑がVOO(S&P500)です。

QQQが大きく値を伸ばしていますが、かわってVUGは抑えめの上昇となっています。やはりグロース株でリスクを取ってガンガン攻めるQQQの方が、強気相場においてリターンが高く出る傾向にあります。

そして先ほどのリターン比較でも見えた部分ですが、VUGはVOOの少し上を行くような推移をしており、値上がりはマイルドな方とも言えます。



総括

構成銘柄数も多く希薄化されており、グロースETFというにはリターンが抑えられて薄味となっている印象がありますが、ある意味で分散性を高めて下落相場でどれだけ値下がりを抑えることが出来るのか、その部分が争点となってくるのではないでしょうか。

しかしS&P500と少しだけ近似したリターンであることから、分散性を取ってS&P500とするか、少し攻めの傾向を強めてVUGにするか、判断が求められるETFでもあるでしょう。

Vanguardの事ですから、QQQの様にあまり尖ったETFとせず、出来る限りリスクを減らして多くの人に購入しやすい設計にしているのではないか、と個人的には想像をするところですが、しかしこのETFを購入する際には、下落と上昇の幅が大きいグロース株が多めである、という観点をもとにして購入すべきでしょう。

終わりに

投稿した全ての米国株・ETFの評価記事を以下に貼り付けておきますので、お時間がある時にご確認を頂ければ幸いです。

・米国株・ETF 評価記事一覧

また月並みではありますが、投資は政治・経済に大きく左右される先の見通しが極めて困難で混沌とした世界であるため、確証が得られません。そのため投資は自己責任でお願いしてしまうことをご容赦ください。

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